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2006年02月12日

●複雑な心境 ('06ラグビー日本選手権2回戦)

JSPORTSでラグビー日本選手権2回戦第2試合。トヨタ自動車 24-28 早稲田大学。早稲田に大敗した関東学院が1回戦でコカコーラWJを追いつめ、そのコカコーラが第1試合でNECといい勝負をした時点で「接戦にはなるだろうな」とは思ったのだが……本当に早稲田が勝つとは思わなかった(というか、思いたくなかった)。大学チームがトップリーグチーム撃破の快挙。

早稲田のラグビーは文句なしに素晴らしかった。守ってはトヨタの攻撃パターンをよく読み、しつこいタックルで外国人を含めた強力アタッカーを自由にさせなかった。攻めてはFWがセットでもルースでもがっちりボールをキープし続け、SO曽我部を中心にDFラインの穴を果敢に突くパス攻撃も冴えた。内橋のインターセプト→独走トライが象徴するように、ここぞという場面での思い切りも良かった。お見事、である。

この試合、モールトライを挙げるなど早稲田FWの健闘ぶりが目立ったのだが(今までは最後FWの差で押しつぶされるパターンだったし)、勘違いしてはならないのは、早稲田は単に「FWが強い」だけのチームではないということ。「社会人のような」チームを作るのではなく、「早稲田らしい」ラグビーを守りながらもその上にFWの強さを積み重ね、ついに総合力で上回った。そこが素晴らしいのである。

しかしなあ…何年か前の、大学が社会人に全く歯が立たなかった時代にはあれほど「何とか勝たせてやりたい」と思ったのに、いざこうして大学チームの勝利を目にすると非常に複雑な心境である。つーか、トヨタはいくらなんでも負けちゃいかんでしょ、負けちゃ。ラインアウトはボロボロ、ハーフ団は攻撃をコントロールできず、BKは無理に外へ回しては孤立してボールを失い続ける。あれではまるで「烏合の衆」ではないか。

トヨタの選手の多くは日本代表だったり、かつては大学のスターとしてブイブイ言わせていたわけで、とにかくポテンシャルから言えば日本有数、はっきり言って早稲田よりはずっと上のはずなのだ。そして彼らが普段戦っている相手は、早稲田が対抗戦や大学選手権で対戦するチームよりもずっと強いはず。そのチームがこの有様……極端な話、日本ラグビーの停滞性を象徴している気さえして、何だか複雑な心境になってしまったのだ。あーあ。

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コメント

言い訳無用の大失態をやらかしました。
トヨタファンの身でさえ、世間様の冷たい視線が突き刺さり、居心地の悪さを感じております(泣)。

何故、微妙にメンバー(北川の欠場とFLの入れ替わりetc…)をいじったのだろう?

勝利した早稲田の選手及び関係者を大いに褒め称えなければなりませんが、素晴らしい快挙に便乗して鬼の首をとったかのようにはしゃぐ寄生虫どもの振る舞いが価値を曇らせている事に気付かないのでしょうか?

何を言っても負け犬の遠吠え…
我が軍は重い十字架を背負い込んでしまいました(号泣)。

気分は黒衣軍団に145点を取られた時と一緒です(苦笑)。

>極端な話、日本ラグビーの停滞性を象徴している気さえして、何だか複雑な心境になってしまったのだ。あーあ。

そこは思いましたね。やっぱり、負けちゃだめでしょうと。(苦笑)

秩父宮では興奮状態で気づかなかったですが、ビデオを見てたらトヨタのラインアウトとハーフのゲームメイクの修正の効かなさはひどかったですね。
スクラムハーフの中途半端なパントは攻撃権の放棄ですねありゃ。

しっかり準備し、ほぼ完璧にゲームプランを遂行し、ミスを最低限におさえたチームがミスしっぱなしのチームを破るのはある意味当然の帰結ですね。

自分は89年のスコットランド対ジャパンを思い出しました。

ただ、ラスト5分の猛攻を凌ぎきったのは、チームの力はもちろんですが、清宮監督と佐々木主将の勝ち運でしょうね。

クログマさんが145のことを書かれていますが、小藪ジャパンが負け続けたアメリカや黒衣学生代表とかを日本Bとかが破った時ってなぜかゲームキャプテンが清宮選手だったりとかに代表される監督の勝ち運と
確か高校3年から同一カテゴリーの国内公式戦で負けたのは大学2年の大学選手権決勝という脅威の勝率を誇る
佐々木主将の勝ち運の相乗効果だと思います。
(このあたりは曖昧な記憶なんですが・・・)

>言い訳無用の大失態をやらかしました。
まったくです。まったく、恥ずかしいことです(笑)。

つーか、トヨタには、特にBKに良い選手がたくさんいるのにそれを生かし切れていないことが(選手の力を100%発揮させている早稲田との対比で)明らかになってしまったのがキツいというか、残念でならないところです。

>自分は89年のスコットランド対ジャパンを思い出しました。
なるほど、確かに似ていますな。スコアだけではなく、勝者の準備の周到さと、敗者のチームとしてのチグハグさ。あと最後魂のディフェンスでしのいだのも一緒だよね。

清宮氏には、もちろんサントリーの監督としても期待しているけれども、変にトップリーグに染まりきることなく、来るべきジャパン監督就任に備えてほしいとも思う。それくらいの存在でしょ、この人は。

もちっとポジティブシンキングで行こうよ。
今回の結果は、若い世代に将来有望な選手がいて、ちゃんと育てば、
(ちゃんと育てるというトップリーグというかラグビー界全体の責任は重大なわけだが)
代表の未来も明るいと思いたいね。
そういう意味では、トップリーグのチームが負ける、イコールちゃんと育っていないってこと
も言えなくはないからトップリーグは負けちゃいけないか。。。
でも、試合する以上はどちらにも勝つ可能性はあるから、必要以上に負けちゃイカンとかって考えるのも
変だと思うけどね。
一度の敗戦をもってして問答無用で悪ではないし。
いい刺激となっていい方向に転がれば。

>もちっとポジティブシンキングで行こうよ。
>今回の結果は、若い世代に将来有望な選手がいて、ちゃ
>んと育てば、代表の未来も明るいと思いたいね。
そりゃそうなんだけど(笑)。

確かに、早稲田だってずっと、社会人にも負けるつもりなんて毛頭なくて、勝つためにベストを尽くそうとしてきたわけだから、それこそ十何年かに1回こういう結果が出るのは全然おかしくないよね。

でもさあ~、負けたのがトヨタなのがちょっと釈然としない(笑)。過去早稲田も含めて大学の有力選手を受け入れて来たチームがこういうことをやらかすと、それこそトップリーグの意味が……まあ、トヨタもトップリーグ初年度に2部に落ちてたりしたし、チョンボ癖のあるチームなのかもしれませんが。

>いい刺激となっていい方向に転がれば。
これはホントそうですな、ホント。そうなってほしい。

こばえもんさんの言われる通り、いい刺激となっていい方向に転がって欲しいものです。
少しは冷静になりました(笑)。
勝利を明確にイメージして快挙を成し遂げた早稲田を褒めないとね(笑)。

ひと昔は関東でも関西でもなく、名古屋から約1時間もかかる豊田市のチームに有力選手は来てくれませんでした。
時代は変わり今は有力選手も来てくれますが、有力選手以上に環境面はトップリーグの中では際立っていると思います。
国宝様の廣瀬圭司が求心力となり選手が集まるのです。
ちなみにトヨタの早稲田OBは山崎弘樹と内藤慎平の2名。
出身校別に見ると法政が多い。 
だから反則が(汗)。
地元の好きなチームだから何があろうと応援する気持ちは不変の真理です♪

チョンボをやらかすのは同じ敷地内で練習している赤いJ1チームと同じですね(爆)。

>チョンボをやらかすのは同じ敷地内で練習している赤いJ1チームと同じですね(爆)。
それは皆が思っていることでしょう(笑)。

どうしてなんでしょうかね。
トヨタ、規律重視の外国人コーチでも引っ張ってきた方がいいかもしれないですね。冗談抜きに、ベンゲルみたいな。

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