うまねんblog

均衡が破れたのは１８分、東芝が自陣でボールを奪った場面から。神鋼の陣形が崩れているとみるや、東芝はカウンターアタックを敢行。ラックを挟んで左サイドのゲインを突破、ＦＷ・ＢＫの隔てないパス回しであれよあれよとＤＦをかわしていき、最後はＳＨ吉田が走りきった。絶妙の距離・角度のフォローが連続した東芝らしいトライだった。その後、神鋼もめげずに反撃するもやはり得点に至らず、逆に東芝が２５分に右タッチ際をＷＴＢオト→ＣＴＢマクラウドで突破してトライ。１２－０でハーフタイム。

後半になると、神鋼ＦＷの消耗が顕著になり、東芝の力攻めが効き始める。３分、７分とたて続けのモール・トライ。東芝のモールはパックの固さが安定していて、１度は止められても繰り返すうちに相手が根負けして前進を許してしまう。単発の強さじゃなくて、強さの継続で勝負している感じ。そして１０分、またもマクラウドがトライラインを駆け抜けて３１－０。これで完全に勝負あった。

その後はやや試合が弛緩。東芝側にハンドリングエラーが目立ち始めたところで神鋼が意地の縦突進からトライを奪い、しかし東芝もきっちり１トライを奪い返して３８－７。３０分にはステップで逆をとられたＦＢ立川がボールキャリアーを思いっきり足でひっかけ、トリッピングでシンビン。日本最強ブレイブルーパスの数少ない弱点がこの「黄色大王」立川なんだが、いつまでたっても改善が見られないな……。ともあれ、３１点差のまま試合終了。実力差がそのまま出た試合だったということだろう。

１回戦その他の試合は、まず秩父宮ではクボタが攻守の出足の早さで三洋を破り、花園ではサントリーがヤマハを、ＮＥＣがトヨタをそれぞれ下した。クボタとサントリーの勝ち抜けはちょっと意外だったように思う。この３チームの中で東芝に勝つ可能性がありそうなのは…やっぱりＮＥＣだろうか。サントリーは力攻めに対して、クボタは高速展開に対してそれぞれ難がありそう。東芝の強みはＦＷで行ってもＢＫで勝負しても決定力があるところなので、対抗するにはまず強力な守備で封じ込めるしかないのではなかろうか。

ところで。今日僕はメインスタンド後段右寄りで観戦していたのだが、後ろの席のプレスカードを下げた関西弁の男が、試合中ずっと谷口レフリーの悪口をつぶやき続けていたのが不快だった。「ひっどいな～！」「試合を妨げんな！」から始まり、ハーフタイムには携帯で誰かに「レフリー最低ですよ！」とか大声で言っていた。後半神鋼がラインアウトでウェイスト・オブ・タイムを取られた時も「そんな反則取るか！高校ラグビー以来や、そんなの見たの」と叫んでたな。

まあ、レフリーに対する評価は人それぞれだし、実際谷口さんは「？」の付く判定や間の悪い笛が多めの人ではある。ただ、昔よりは試合を止める頻度は下がっているし、今日も特に試合を壊したようには見えなかった（立川の反則を流しかけたのはどうかと思ったが）。彼の頭の中には、とにかく「谷口和人＝クソレフリー」という思い込みがあるように僕には思えた。一観客ならともかく、プレスカードを下げている人が、徒に周りの観客にも先入観を抱かせるような発言をしまくるのは、ちょっと、ね。

ということで、後半途中で彼の声の届かない場所まで席を移動。自由席だとこういう事ができるからいい……つーか、どうして入場料を払って座っている自分の方がこういう事をしているのだろうかと、ちょっとイヤな気分になってしまった。