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2006年01月13日

●加地亮移籍

新年会でたらふく飲んで夜中に帰宅してみると、ついにというか、とうとうというか、やっぱりというか、加地の移籍が発表になっていた。度重なるマスコミ報道や東京の徳永獲得、ガンバの渡辺光放出といった一連の出来事から既に心の準備はできていたつもりではあったのだけれど、やはり残念なことには変わりがない。

移籍の事情について、詳しいことはよく知らない。ただ、ミもフタもない言い方をしてしまうと、10位のチームに在籍している選手が優勝チーム(すなわちACL~トヨタカップへの挑戦権のあるチーム)から誘われたら、そりゃ行くよな、とは思う。類い希なる向上心を持つ(と聞いている)加地ならば、なおさら「高いレベル」の戦いを求めてこのような移籍に至るのは自然ではなかろうか。寂しい話だが。ガンバの側としても、日本代表レギュラーの加入なのだから言うことなしの補強だろう。

気になるのは、東京のフロントは加地についてどういう評価をしていたのだろうか、ということ。さらに言うと、移籍の動きがあってから徳永の獲得が決まったのか、それとも徳永の加入が決まってから移籍の流れが加速したのか、そこはどうなんだろうか。後者ならば、つまり加地と「ぶつかる」事を承知の上で、一時は他チーム(バレンシアとか)を希望していると言われていた徳永にこだわったのならば、加地は「最重要」というほどの選手ではなかったのかもしれない。うーむ。

純粋な個人能力の合計値で考えるなら、加地が抜けた穴をふさぐ事はさほど困難ではないと思う。かつて猛威を奮った石川との「二枚刃攻撃」の威力も、最近では随分失われていたように見えたし。ただ、加地のプロ選手としてのストイックな姿勢、労を厭わず無駄走りを繰り返す献身性といった要素は、単にいちSBとして以上の存在感を彼にもたらしており、それゆえファンの人気もかなり大きなものがあった。それが失われてしまうとすれば……やっぱり痛いよね。

今後、今野に対しても海外や他のJクラブからのオファーが来ることが予想される中、FC東京はクラブとして従来とは一味違う強化手法や移籍市場への考え方を求められることになるのだろう。「安く買って育てる」から、より出入りの激しいチーム作りへ。いや、そう考えると、大枚はたいて今野とルーカスを獲った04年から「ゲームの質」は変わっていたということになるな。僕たちファンは、何となく楽観しすぎていたのかもしれない。

ともあれ、「育てては買われていく」チームへの転落(?)だけは避けてほしいものである。主力をひっこ抜かれまくってなお毎年優勝争いに絡むジェフ千葉(というかオシム)は確かに凄いけれど、でもクラブとしてあれをよしとしてはいかんのではないか、と思うのだ。

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