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2005年12月05日

●フランス×南アフリカ

録画しておいた、南ア北半球遠征最終戦(by JSPORTS)を観た。フランス代表 26-20 南アフリカ代表。好調のフランス代表が攻守に出足の良さを見せてくれた。早々に速攻で2トライを奪い、その後も南アと互角のプレーの激しさで対抗し続け、ついにリードを守り抜いて快勝。北半球勢の健闘が目立つこの秋のテストマッチシーズンを象徴するような試合であったように思う。

フランスの過激な豹変ぶりにはちょっと驚いた。春の6カ国対抗の頃は、良く言えば即興的な、悪く言えば「固まっていない」ラグビー。なんちゅーか、「いいラグビー」をしようというのはよく分かるんだけど、でも最終的な目標・目的意識が曖昧になっているというか。「君たち本当に勝ちたいのかね?」とでも言いたくなる場面さえあったように思う。例えるなら、サッカーの山本ジャパンみたいな(笑)。

対して今回は、「勝つ」という意識が選手に浸透していた。全体的に華麗さはやや影を潜め、泥臭いタックルとキックで相手FWを下げる戦術を徹底。でも、だからといってつまらないラグビーだったかというと、そんなことは全くない。FBカステニェードの変幻自在ぶり、SOミシャラクの切れ味鋭いラン、そして好機で飛び出すFWも交えたスピード豊かなパス攻撃。あるべき所であるべきプレーが出た、という印象。正直、フランスがW杯を獲るなんてなかなか想像しかねるのだけれど、こういう戦いができるのならばあるいは。

南アの方も、特に出来が悪かったとも思えなかったのだが、結果的には完敗。FWモンゴメリーのキックが絶不調だったのと、あとSOに経験のない若手を使わざるを得なかったのが痛かったか。相手ボールラインアウトは取りまくってたのに、フランスの前に出るタックルにやられて思うように前進できかなった。強烈なディフェンスを武器に数少ないチャンスを生かすスタイルだけに、「司令塔」の質に大きく左右されちゃうからなあ…。

「司令塔」と言えば、フランスのSHエリサルド選手は日本代表ヘッドコーチの息子さん。前も見えて冷静、よくチームをコントロールする好選手のようだ。特に3点目のトライをアシストしたグラバーキックはタイミングといいコース・強さといい絶妙で、彼がFC東京に入ったら馬場憂太のいいライバルになりそうである(笑)。あと、昔SOだったカステニェードがFBで大活躍していたが、やはりSO的な選手をFBに置くと、スキルが高いので色々な意味で余裕や選択肢が生まれるね。日本だとFBは「第3のWTB」みたいな位置づけだったりするけど(立川…)。

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