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2005年12月25日

●「無敗の○冠馬」は「最強馬」に非ず

有馬記念(G1)は西ヶ丘からの帰り道、十条の電気屋の店先にできた人混みに紛れてテレビ観戦。ダントツの1番人気ディープインパクトは伸びきれず、好位から抜け出したハーツクライが優勝。「ほら見ろ!言わんこっちゃない…」と思いつつも、しかしディープの敗戦を目にするのはやはり悲しかった。

ディープインパクトが負けた事自体に驚きはない。有馬記念は末足勝負に向かないレースなので「負けるならここだろう」と思っていたから、馬券はゼンノロブロイ-ハーツクライが本線だった(要するにハズしたのだが(笑))。武はスムーズなレース運びをしていたし、このレースについては、とにかく予告通り前目前目で勝負したルメールとハーツクライを誉めるべきなのだろう。だが、しかし…。

僕が残念に思うのは、ディープ陣営が「最強馬」を目指すのではなく、「無敗」とか「○冠馬」といったブランドやイメージを重視し、マスメディアにおける「ディープ祭り」的雰囲気に乗っかろうとする(ように見える)ローテーションを組んでしまったこと。菊花賞後にも書いたが、国際的なレースの格や歴代の優勝馬から考えれば、日本競馬のチャンピオン決定戦は有馬記念ではなく、ジャパンカップなのである。そして、勝ち負けはともかく、ディープがよりその実力・特長を発揮できるのは東京コースの方ではないか。

負けた事自体は仕方がない。「大金星」などと超失礼な事を書いている新聞もあるようだが、ハーツクライは前走ジャパンカップで激戦の末ハナ差2着に入っている馬なのだから(レーティングはディープより上だろう)。体調の良し悪しや展開の向き不向き。敗因なんていくらだってある。どんなに強い馬だって、負けるときは負けるものなのだ。でも、だからこそ、目指せる時にできるだけ高い所を目指してほしいし、守りに入るようなチョイスをしておきながら負けてしまうのは格好悪い、と思う。

まあ、調教師やオーナーにしか分からない事情はあるのだろう。当たり前だけど、一ファンに馬の使い方をどうこう言う権利はないに決まっている。でも、もしこれでディープインパクトが来年海外遠征に出るとして、僕は「日本の代表」として彼を応援する気にはなれないな。なんか、わかりやすい「物語」を作ろう守ろうとして、かえって本当の物語が傷ついたような気がするのである。「張り子の虎」のレッテルを貼られてしまう本当の虎は、とっても可哀想だ。

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コメント

かつての競馬ファンの事後談です。ディープインパクトのあの騒がれ方で、単勝が1.3倍では、オッズが「負けます」と宣言しているようなものだったのかな、と感じます。(前日終了時は1.5倍だったとか)

そうですよね。
有馬記念ってのは「夢のオールスター」のはずなのに、ちょっと一頭だけが騒がれすぎでした。
ハーツクライはもちろん、前年の「秋の三冠馬」ゼンノロブロイ、天皇賞馬や宝塚記念馬も出ていたのに、1.3倍は過小オッズでしょう。
だからといって、ディープを連からも外した馬券を買う私もどうかとは思いますが(笑)。

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