●『ゴジラ FINAL WARS』
DVDで、北村龍平監督『ゴジラ FINAL WARS』。言わずと知れた、ゴジラ生誕50周年にしてファイナルを謳うシリーズ第28作。東宝としてはお金もかけ、過去の怪獣たちを再登場させ、新鋭監督で「今風のノリ」も加え、まさしく「集大成」らしい作品にしたかったのだろうが……どうも失敗に終わったらしい(笑)。
あらすじは、オフィシャルサイトででも確認してもらうとして、以下では、この映画の良いところと良くないところを並べてみよう。
【良いところ】
○ カイル・クーパーによる格好いいオープニング。
○ 近未来世界やミュータント部隊といった楽しい設定。
○ 終盤出てくる「謎の怪獣」の正体。
○ イノセンス(ミニラ!)が地球を救う結末。
【良くないところ】
○ チャチい戦車。
○ ドタバタ走りのミュータント部隊。
○ 弱っちすぎるライバル怪獣たち。
○ 地方自治体並の国連&地球防衛軍。
○ モスラのちょい役扱い。
○ 怪獣バトルが延々続いて飽きた。
○ X星人頭悪すぎ。
○ ヒロインに魅力がない。
○ 他のキャストも大根揃い。
○ その上超クサい台詞が続いて…。
○ アクションはいつまで『マトリックス』やってんだ、北村。
○ シリアスな場面に脱力ギャグを入れるのは格好悪いぞ、北村。
○ これで終わりかと思うと情けなくて泣きそう。
全体的には、気恥ずかしくて観ていられない、というのが最大の問題かと(笑)。ゴジラと北村はやっぱり合わなかったねー、というか。
ま、北村龍平に重厚感を求めちゃいけないのかもしれんし、現代のゴジラ映画に悲壮感を盛り込むのが困難なのはわかる。でも、とにかく軽くて薄っぺらいんだよね…。涙や愛や憎しみや情熱のない世界とでも言おうか。金子修介の『ゴジラ モスラ キングギドラ大怪獣総攻撃』はあれだけやれたんだから(あの映画もヒロインには全く共感できなかったが)、もうちょい何とかならんかったか。
繰り返しになるが、ホントにこれが「集大成」でいいの?と思ってしまう。というか、そもそも「集大成」を作る必要があったのかどうか、とも。柳下毅一郎さんだっけ?「色んな監督に5億円あげてゴジラ映画を作らせてみれば?」と言ってたのは。確かにその方がずっといいかも。奇跡的傑作たる第1作『ゴジラ』の続編(「正史」か)なんて、どうせそこらの監督の手には余っちゃうだろうから。