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2005年10月09日

●東芝府中×リコー

午後、秩父宮ラグビー場でトップリーグ第4節。東芝府中 31-10 リコー。点差こそ開いたものの、昨日の試合とはうってかわって引き締まった好ゲーム。結果は、「進化する王者」東芝が後半の連続トライで突き放して勝利。

立ち上がりからボールは東芝が支配。なるべくラックを作らない方針は継続しているようだが、ラックになった時でもFWが速攻で駆けつけスイープ、ターンオーバーを許さない。前半13分、CTBマクラウドのオフロード・パスからWTBオトが抜け、ラストパスを受けたSH伊藤がポスト下へ駆け抜ける。このトライは鮮やかだった。ただし、リコーも強いタックルとSH月田の速い球さばき、さらには東芝ラインの裏(立川)を狙うキック攻撃などで健闘。前半は12-10の僅差で終了した。

後半、東芝が次第に突き放して行く。決め手はドライビング・モール。NO8ホルテンやLOバツベイを核に、柔軟な押しで相手の力点をずらしてトライラインへ雪崩れ込む。数度あったゴール前のチャンスのうち、きっちり3度ものにした。こういう、「いざとなれば力業もできるよん」という懐の深さ、そして、一度戦法を変えるや素早くチームが意思統一する対応力。ブレイブルーパスは、やはり今のトップリーグでは一頭地を抜くチームである。リーグ優勝はおそらく間違いないだろう。

もっとも、そんな東芝相手に最後までタイトな攻防を続けたリコーも大したチームである。前述した守備の固さに加え、ボールを奪った時には速くダイナミックな攻撃を志向しているようで、右サイド密集からの展開でデコイ・ラン等も交えながら逆サイドまでパスが回りきった時には、周りの席から感嘆のため息も聞こえてきた。今年は上位が(東芝を除いて)混戦模様なので、もしかするとジャンプアップするチームになれるかもしれない。

ともあれ、やや後半ミスが目立ちはしたものの、競った展開に迫力のあるプレー、そしてそれらの中に両チームの志の高さもうかがえ、見ていて嬉しくなるゲームだった。おそらく、今日初めてラグビーを見に来た人の多くは「もう一度観てみようかな」と思うのではなかろうか。逆に、昨日のサントリー×神鋼戦が初めての観戦となった人の多数が「ラグビーってなんかスッキリしないね」と悪い印象を抱いてしまったのではないだろうか。でも、スタンドの観客数は明らかに昨日の方が多かった。とても残念だ…。

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