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2005年10月09日

●'05ブエルタ・ア・エスパーニャ終盤戦

ブエルタ・ア・エスパーニャ、いよいよ終盤戦に突入。このくらいになると、タイトルに関係のない選手たちが直後の世界選手権に備えて(?)どんどんリタイアしてしまい(16S勝ったばかりのベッティーニまでも!)、ちょっとメンツが寂しくなってきたような。


第18ステージ。今大会最後の山岳ステージだそうな。レース自体最後三つ巴(総合争いにはあんまり関係なし)のアタック合戦になってなかなか楽しかったが、ゴールが昔の城塞都市の中ということで、城壁脇の石畳が勝負ポイントになっていて光景的にも面白かった。アンダルシアの広野とともに、我々の持っている「スペイン」のイメージにぴったりというか。で、その坂をパワフルに上りきってなお足を残していたCSCのセレンセンが勝利。お見事。

第19ステージは新宿の銀座ライオンで飲んでいて未見。総合争いはもう何も起こらないみたいね。ふーむ…。

第20ステージ。個人タイムトライアル。TT得意なはずのメンショフが頭を取れず、クライマータイプのエラスがトップとコンマ1秒差の2位に食い込んだ。総合優勝に花を添える勝利とはならなかったが、エラスはチャンピオンにふさわしい総合的な力量を見せつけたことになるのだろう。ランス・アームストロングもそうだけど、やっぱり「山だけ」「TTだけ」とかじゃなくて、二つ以上のジャンルで高いレベルを有してこそ「総合優勝」に相応しいという気はするやね。しかもエラスはポイントランキングもトップを堅持。すげー。


最後は第21ステージ。途中まではやはり凱旋パレード状態。TVカメラに向かってポーズをとったり、ずっとお喋りを続けたり、3人で肩を組んで走ったり…。個人的に、こういうのは見ていてとても楽しい。人によってはそういう光景を見て「まだ終わってないのに、甘いじゃないか」と思うかもしれないけれども、でもそこがこの競技に欠かせない魅力でもあるんだな、多分。

レースの方も盛り上がった。ポイント2位のペタッキがエラスを抜くには優勝しかない状況で、ゴールスプリントへ。残り数百mのヘアピンカーブ(なんてコース作るねん)で集団がバラけ、その隙に先頭の選手がスパート。すわ、最後伏兵の勝利でエラスの2冠が決まるか…と思ったところでペタッキがアシストをかなぐり捨てて自ら捕まえに行ったのには感動した。早すぎる仕掛けかとも思えたが、追い上げたツァベル(また2位(笑))を押さえきり、見事逆転でポイント賞獲得。「勝利への意志」が顕わになる瞬間。いいものを見せてもらった。おめでとう!

一方、総合優勝はエラスで変わらず。4連覇達成。この大会については、15Sの圧勝がほとんど全てだった。おそらく、12Sにおける転倒&負傷により、彼も精神的に相当追いつめられたに違いない。でも、そこで腹を括って勝負に出たのが最大の勝因ということになるのだろう。不利な状況を自らの力で何とかしようという意志の力。やっぱりプロの中でも王者と呼ばれる地位にたどり着くだけの人ではある、ということか。本当に偉かった。こちらもおめでとう。


[追記]
その後、なんとエラスのドーピングが発覚し、彼の総合優勝は取り消し。メンショフが繰り上がりで優勝となったのであった。うーん……。

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