« カディス×レアル・マドリード | メイン | 柏レイソル×FC東京 »

2005年09月02日

●『仁義なき戦い』

B00005L9NR.09._PE_SCMZZZZZZZ_
WOWOWの録画で、深作欣二監督『仁義なき戦い』観る。戦後混乱・復興期の広島を舞台にした、実録ヤクザ映画の記念すべき第1弾。主人公・広能(菅原文太)が仲間たちと弱小ヤクザ山守組の一員となってから、対立勢力との抗争を経て組が拡大し、さらには分裂して苛烈な抗争を繰り広げていく様をバイオレンスたっぷりに描く。

「実録」モノといっても、本当のヤクザ社会がこういうものだったのかどうかはよくわからない。が、とにかくまあ人がよく死ぬ映画ではある。そして、単に死者の数が多いだけではなく、陰謀・裏切り・欲望・友情のオンパレード、まさに元祖『バトルロワイヤル』…って、同じ監督だったか(笑)。登場人物の大半が身勝手で結局死んでしまうので、逆に感情移入などせず淡々と眺めることができますな。90分間暴力の応酬を堪能。

ちょっと好きになりきれなかったのは、主人公広能のキャラクター。素朴で度胸があって仲間思いで…という設定なんだろうけど、どうも立ち位置が中途半端。人がいいのか頭が悪いのか、彼が様々な事を「引き受けて」しまうことで結果的に周りが不幸に追い込まれているような感じもする。だからといって狂言回しというほど何もしないわけでもないし。まあ、群像劇だからな…。若杉(梅宮辰夫)や坂井(松方弘樹)の役の方がカッコよかったな。

とはいえ、そんな広能だからこそ、彼が最後の最後でついに悪党・山守に見切りをつけ、仏壇にピストルを撃ち込み「弾はまだ残っとるがよ」とうそぶいて立ち去っていくラストは悪くない。あそこで単純に山守と差しちがえたりしないのがいいんだよね。簡単に死んでしまっては、それこそ悪党の思うつぼだから。


続けて観た『仁義なき戦い 広島死闘篇』は同様のタッチだが、続編ではなく、組織に利用され使い捨てられる1人のチンピラ(北大路欣也)の運命を描いた番外編的作品。こちらもラストシーンは葬式。のうのうと生き残った悪党どもを広能が睨んで終わる。結局、状況を一気にひっくり返せずとも「いつか見てろよ」と生き残り続けて悪党どもを安眠させないことが、最善の対抗策ということなのかもしれないね。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/346

コメント

あ、有り難うございます!
私も20年近く前に見た後、今回のWOWOWでもう一度見てしまいました。
しかもシリーズ全部・・。前に見たときは「昭和」でもあったので、
何となく臨場感が伝わった。文太さんの声が、印象的だったなぁ。

最近私は洋画では、「GREEN MILE」 「恋する神父」(洋画か?) 「カジノ」
「ヒトラー 最期の12日間」 「ベイブ」 「I ROBOT」 「エイリアンVSプレデター」
「ネバーランド」 「BIRTH」 「コーチ・カーター」
邦画では、「亡国のイージス」 「いつか読書する日」 「感染」  (ヒマだなぁ)

来週当たりは、「マザー・テレサ」当たり見に行こうかと・・。
TU○○YAから借りてまだ見てないのが、「LOVERS」か。
今日は見れないな。だって、柏じゃん!

>文太さんの声が、印象的だったなぁ。
文太さんの声もいいですし、あと松方弘樹さんもかなり役にはまってますよね。きめ台詞連発ですしね。「おやっさん、御輿やないっちゅうの」とか「まだ弾は残っとるがよ」とか。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)