●日本×中国(東アジア選手権)
夜、テレビ朝日(やかましい)で東アジア選手権。日本 2-2 中国。今日の日本は初キャップ&控えメンバーで構成されたチーム。アテネ五輪代表で一緒にプレーしていた選手が何人かいるとはいえ、いきなりチームとしての組織力や統一性を求めるのは無理というものだろう。実践の繰り返しによってフィットさせていくジーコジャパンのやり方を考えても、やはり無謀な試みであったか。若手メンバー中心の中国にやっとこさ引き分け。
キックオフ時間を勘違いしていて、テレビをつけた時には既に前半10分近く。実況アナやセルジオさんが「今日はいいサッカー」と連呼しているので、意外とうまく戦っているのかと思いきや、単に中国が前に出てこないから中盤で楽々パスを回させてもらってるだけじゃないか。いざ攻め込む時には達也と巻を狙う後方からの長めのボールが多く、人数をかけた守備網にはね返され、あるいはオフサイドになる場面が目立つ。もちろん(と言ってはいかんのかもしれんが)意志の不疎通ゆえのパスミスも多い。おまけに本山の不調、駒野の動きが予想外に早く落ちてしまったこともあり、攻め手は少ない印象だった。
で、点を奪えないうちに中国が少ないチャンスを生かして2点先取。ともに(ルース・セットの違いがあるとはいえ)クロスへ飛び込むアタッカーのマークが甘いゆえに生まれた得点だった。先制点を許したシーンも含め、今日は坪井の出来が悪い…というか、まだまだ怪我前のコンディションには戻っていないようで、あっさり振り切られる場面がやたら多い。3バックは比較的代表経験の多いユニットだったので、そこで安定させて前の方は本山のリード下で思い切りやらせたかったと思うんだけど、そうは行かなかったね。
後半13分、阿部の美しいFK(弾道がベッカムのそれに似てる)をGKが弾いてポストにはねたボールを茂庭が押し込み、1点差。勝負に出たい日本は本山→玉田、巻→大黒の交代。うーむ、どうせなら巻はもうちょっと見たいところだったが…。そして、この交代で入った選手たちが機能しない。「ジーコジャパン組」と「アテネ五輪組」が分離しちゃったということだろうか、引いて守る相手を前に噛み合わないプレーが延々続く。左サイドでは村井が奮闘していたが、フォローにつくのは茂庭(笑)。うーむ。
そのうち疲労から日本選手の動きが明らかに落ちてきた。交代枠はあと1。さあ、どう使うジーコ……って、アレックスかよ!!しかも村井に替えて。んっとにもーこのオッサンはー。案の定、攻守にほとんど効かないアレックス。終盤になるとアタッカーのフリーランニングがほとんどなくなり、パスの出しどころを見つけられぬまま時間が過ぎていく。42分に達也が開き直ったかのようなドリブルから豪快なミドルシュートを決めて何とか同点。さあ、逆転だ!…という元気はもはや全くなく、最後はアーリークロス・ロングボールの蹴り役を譲り合いしているうちにタイムアップ。まあ、お疲れさんでした。
チーム全体としては評価云々の試合ではないと思うので、とりあえず茂庭と今野について感想。
茂庭の守備、特に抜けてくるアタッカーへのカバーリングはいつも通りの安定ぶりで、安心して観ることができた。攻撃時にも村井のフォローに駆け上がり(そこで行き詰まったが(笑))、セットプレーでも何度かボールに絡んで1得点。存在感は大いにアピールできたのではなかろうか。少なくとも今の坪井よりは上だろう。減点要素があるとすれば、後半ロスタイム、勝ちに行く姿勢を捨てたかのような後方でのパス回しに荷担しちゃったことだろうか。人に「上げろ!」と怒るくらいなら、自分で上げればいいんだよ。イヤな事言うと、こういうムチャクチャな状況では一種の「保身」も必要だと思うし。
今野は、前半途中まではいいパスカットや相手に全く負けない当たり、GK正面を突いてしまった惜しいヘディングシュート等があって、やはりよく目立っていた。しかしリードを奪われてからは、こちらのボール支配が圧倒的になってしまったせいもあり、持ち味のハードマークと効果的な攻撃参加をあまり見せることができなかった。真面目な性格の彼だから、きっと反省しきりだろう。気にするな!次があるさ(多分)!!これまでいなかったタイプの(しかし本大会では必要な)選手とジーコが認識してくれればいいんだけれど。