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2005年06月17日

●日本×メキシコ(コンフェデレーションズ杯)

フジテレビでコンフェデレーションズ杯。日本 1-2 メキシコ。日本、緒戦はチーム熟成度と試合運びの巧さで勝るメキシコを相手に逆転負け。力からすれば順当かもしれない。が、決勝トーナメント進出から逆算するならば、引き分けに持ち込みたい試合ではあった。

前半は、細かくパスをつないで穴を見つけるやドリブルドリブルドリブルのメキシコに対し、さかんにポジションチェンジする柳沢・中村・小笠原に中田の押し上げが加わってテンポよくボールを動かそうとする日本、という構図。立ち上がりはDFライン前のスペースを狙うメキシコアタッカーの突進に日本DFのマークの受け渡しが追いつかず、危ない場面が何度か。

しかし12分、右サイド駆け上がる加地に小笠原がタイミングばっちりのパスを通し、加地はDFを振り切りながら深く持ち上がって狙いすましたクロス、これを柳沢がDF・GKともつれながら触ってゲット。ついに決まった加地の突破、ついに決まった柳沢の泥臭いゴール。個人的には会心とも言うべき得点であった。つーか、加地の突破がこれだけきれいにはまったのはちょっと記憶にない(笑)。

その後の日本は前に出てくるメキシコのドリブルをしっかり止めては中田からの展開で攻撃の形を作り、いい雰囲気に。川口の好セーブも飛び出し、テレビの前で「これはもしかしたらイケるのでは」と思い始めた39分、DFライン前でボールを持ったジーニャにゆとりをあたえてしまい、狙いすましたミドルシュートがゴール右上に刺さって同点。うーん、結局そこが弱点なのか、という感じ。

後半になるとペースを取り戻したメキシコが優位に試合を進める。前半ほどはドリブルにこだわらないが、今度は細かくつないでからサイドを突いてくる場面が増えた。日本のDFラインは下がっていき、MFは低い位置から無理なパスを狙ってはカットされることが多い。19分、ホセ・フォンセカが頭一つ抜け出すヘディングシュートを決めてメキシコ勝ち越し。中澤がいれは、とは見ていた誰もが感じただろうが、しかし今日の日本には高さがなかった。リードを奪ったメキシコは、しばらくするとややペースを落とし、ゲームを「畳みに」かかった。

日本は中村に代えて稲本、小笠原に代えて大黒、さらに茶野に代えて玉田と投入していって反撃を図るが、稲本はその後方をささえるべき福西の消耗に引っ張られて前に押し出せず、大黒はなかなかパスをもらえない。加地が右サイドを突破、ナイスなクロスを中央の柳沢に合わせた場面も、ヘディングシュートは枠に飛ばず(ここで決めたらヤナギは英雄だった…)。終盤メキシコが完全に逃げにかかったところで、玉田のスピード等を生かしてチャンスもできかかるが、これは時すでに遅し。結局、1-2のままタイムアップとなった。


先制してから同点に追いつかれるまでの間は、日本の選手たちの伸び伸びとしたプレーぶりが目立ち、「個人を生かす」ジーコジャパンのいい面が出ていたように思う。中田や柳沢の晴れやかな笑顔もはっきりとカメラにとらえられていた。でも、さすがに明確な特長(ドリブル!)を生かしつつ組織的に整備されたメキシコ相手では、それで90分間押し切るのは難しかったというところか。

1トップ2シャドーの攻撃陣形、その後ろに中田を配置するのは悪くない。でも、試合展開の中で選手を入れ替えていった時に、やっぱり中田や稲本を前に出すために中盤の底で相手の攻撃を受け止められる選手、例えば明神や今野が必要ではあるまいか。そして、攻撃はある程度奔放でいいとしても、DFライン前の守備の緩さがいつまでたっても改善されない(確かにあのスペースはどのチームにとっても悩みどころではあろうが)のはちょっとどうなんだろう。全部が駄目駄目というより、ややいびつなチームになっている印象である。

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