●ウェールズ×アイルランド （'05シックスネイションズ）
ＪＳＰＯＲＴＳの録画で、６カ国対抗ラグビー。ウェールズ ３２－２０ アイルランド。ウェールズがホームで快勝し、２７年ぶりの全勝優勝（グランドスラム）を達成。今大会でのウェールズは接戦に次ぐ接戦で、「グランドスラム」と言われてもピンと来ないのだが、では、他に勝者に相応しいチームがあったかと言われればそれもまた思いつかないのだよなあ…。
この試合でもウェールズは、オープンプレーで前に出る勢いはあるものの、ミスの多さも目についた。特にノックオンの多さは、ちょっとこのレベルの戦いとは思えないくらい。相手のアイルランドもスクラムがヘナチョコで、フランスのイマイチ加減やイングランドの不出来を併せて考えると、もしかすると今回の６カ国対抗は「どんぐりの背比べ」だったのかもしれない。
ただ、それでも所々で「光る一撃」を見せてくれたのは、やっぱりウェールズだった。この試合で言えば、序盤の嫌な流れを変えるＣＴＢヘンソンのＤＧ、ＣＴＢシャンクリンの鋭いランと猛タックル、そして後半２０分に飛び出した、電光のようなパス・プレーからのＦＢモーガンのトライ。カーディフ産のどんぐりは、他と同じように見えて実は一味違っていたのである。
このウェールズが、南半球の強国に互して戦えるとはちょっと思えない。でも、北半球の勢力図に少しでも変化が加わったのはラグビー界全体にとっても喜ばしいことだ。イングランド、フランスばっかりじゃつまらないじゃないか。そして、イングランドに比べれば「どこかで手の届きそうな」ウェールズが勝つのは、僕たちだって悪い気はしない。シャンクリンやモーガンは、４年前に秩父宮でジャパンといい勝負していた連中なんだから。
