●柏レイソル×ＦＣ東京 （'05ナビスコ杯第１節）
午後、日立柏サッカー場でナビスコ杯第１節。柏レイソル ３－１ ＦＣ東京。昨年に引き続き初戦は黒星。なんつーか、「ケリー後」の攻撃の問題点が出た試合、ということなんだろうか。
試合前、僕たちを迎えてくれたのは、以前と同様「ＦＣ東京の関係者、選手、並びにサポーターの皆様、ようこそいらっしゃいました」「心から歓迎いたします！」との場内アナウンスだった。素晴らしい。さすがは日立台。どこぞの、相手ファン・サポーターを観戦の邪魔となるアクリル板で囲むという失礼極まりない愚行を実施し、それを社長が自慢げに語りさえする某クラブとは大違いである。
また、キックオフ前にはムック＆ガチャピンとレイソルダンサーズ（笑）及び子どもたちのお遊戯があったのだが、ちょっとスタンドの嗜好とズレてたかな…正直、あまり盛り上がらなかったような。
キックオフ。序盤から、柏が風下ながらボールを支配して押し込む展開。明神を軸に素早いプレスでボールを奪い、グラウンダーでアタッカーにつなぐ。対する東京は引目になりながらも今野・宮沢・藤山らがボールホルダーにしつこく絡み、ジャーンの鋭い読みも加わってしのぐ。ボールを奪うと追い風を利用して（？）前線への長いボールで打開を図るが、これがなかなか効果を上げない。
先制したのは、やや劣勢にも見えた東京。１７分、下がってパスを受けたルーカスから、左のスペースへ飛び出した今野へパス。今野はそのまま持ち上がってクロスを上げ、ファーでフリーになっていた石川が巧みなトラップから右足で叩く。シュートの当たりはイマイチだったが、コース良くＧＫ南の左を抜いてゴールイン。幸先の良い得点に思えたのだが…。
次のキックオフ直後のプレーで東京がファウル。右サイドからのＦＫで柏はアーリークロスを入れ、ファーで伸び上がったＤＦ中澤がヘディング、山なりのボールが塩田の届かない軌道でゴール右上に吸い込まれた。あっけない失点。１－１。その後も東京ＤＦは精力的なフリーランニングからスペースに飛び出す柏アタッカーを捉えるのに苦労し、逆に東京の縦パスは高確率でカットされる。
２４分、ＤＦラインのギャップに飛び込んだＭＦ大野に浮き球のパスが通り、きれいなボールコントロールからシュート、塩田の横っ跳びも届かず。１－２。１点目に続き、守備のエアポケット。さらに柏の優勢は続き、何度か左右からクロスが入る。ジャーンがあわやオウンゴールかという場面も。東京もようやく終了間際に攻勢をかけ、南の中途半端な飛び出し・クリアから無人のゴールを狙えるチャンスが２回続いたが、いずれも決められず。
後半キックオフ前、東京ゴール裏からわき起こる南コールに（嫌そうに）手を挙げて応える南（笑）。
後半立ち上がりは東京がラッシュをかける。宮沢のＦＫ、石川のクロス、そして藤山のシュート。しかし４分、東京陣でのパス回しからＭＦクレーベルが意表を突くロングシュート、これが追い風にも乗ったか、塩田の頭上を抜く。１－３。あっけないと言えばあまりにあっけない失点だったが、しかしはまだまだ諦めず前がかりになる。６分にはルーカスがドリブルでゴールライン際までえぐるも、クロスは味方に合わず。対する柏はＦＷ崔成國のスピードを生かし、効率よくチャンスを作る。
９分、戸田ＯＵＴ規郎ＩＮ。さらに数分後、東京サポーターは「ダ、ニーロゥ！！」コール。これに応えて（？）１４分に宮沢に代えてダニーロ投入、攻勢を強めようとする。しかし、柏は落ち着いてラインを上げ、東京ＦＷがオフサイドにかかる場面が続き、逆に東京ＤＦライン前のプレッシャーのゆるさを突いてクレーベルがドリブル勝負→シュートを繰り返す。悔しいことだが、攻守にわたって柏のシステムが機能し、東京は形勢挽回できないまま時間が進む。２９分にはフジに代えて藤田投入。
３０分を過ぎた頃から柏のラインが下がり始め、東京は再び押し込めるようになる。柏は攻撃にあまり人数かけず、カウンターで対抗。３４分、安永が右サイドを突破、クロスが塩田の左を抜くが、崔に届かず助かる。３５分、ペナルティボックス内で今野の根性のつなぎから石川が左足でシュート、南が横っ跳びでセーブ。３７分には柏のＦＫ、グラウンダーのボールにフリーで飛び出した中澤が触り、塩田が尻餅をつきながら右手で何とかかき出す。東京は藤田が何度か右サイドを突破するも、クロスが合わず。
４４分、個人技で右サイド突破したルーカスに対しゴール前でダニーロが「よこせ！」と手を挙げるが……超オフサイドポジションなんですけど、そこ（笑）。案の定クロスを頭で叩きこんだところでオフサイドの笛。うーむ。終了間際にはイ・チュンソン君が登場し、東京ゴール裏がやけっぱち気味（？）に（ダニーロのコールのメロディーで）「イ、チュンソン～！！」と唄ったり。ロスタイムにも東京は波状攻撃をかけたが、ＣＫでダニーロが栗澤のボールを奪ったり（笑）しているうちに、ペナルティボックス内で放った金沢のシュートが枠を外れたところでタイムアップ。
試合後、柏ゴール裏では内山田洋とクールファイブの『東京砂漠』がサビだけループで流されていて、ちょっと面白かった（笑）。
前でタメられない、サイドと中の絡みが足りない、といったあたりは去年から引き続き、「ケリー後」の課題ということになるんだろう。加えて今日は加地もいなかったし、栗澤は守備に追われていたし、石川の孤軍奮闘状態。ダニーロはちょっと…どうなんだろう。守備の方は、モニの調子が悪そうだったのが大きかったか。ジャーンがカバーに走りまくってたけど、それじゃ前でボール取れないわな。
ま、次っすよ、次。まだまだ、１敗くらいじゃ。
