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2005年03月19日

●「ミュシャ展」

上野の東京都美術館『ミュシャ展』。アール・ヌーヴォーを代表する芸術家アルフォンス・ミュシャの回顧展。なんや知らんがやたら混んでいて、入口からすでに行列。全部の作品をじっくり観ようとしたら何時間かかるかわからんようやったけど、とりあえずかいつまんで観た。

個人的に気に入ったのは、パリ時代の初期、まだミュシャが若い頃の作品。『黄道十二宮』『ビザンティン風の頭部』とかその辺。幾何学模様と流麗な人物像の組み合わせで、色合いも明るくて、みずみずしさまで感じられて、とても魅力的であった。画風としては、今のアニメ絵に通じるものがある感じで、当時(19世紀末)としてはかなり画期的だったろう。

しかし、ミュシャが有名になってから、すなわち『ジスモンダ』のポスター以降とアメリカ時代の作品には、どうも好きになれないものが続く。平凡というか、ちょっとマンネリズムに陥っている感じもするし、「製品」の香りが強いんだよね。

再びミュシャの絵が生気を取り戻すのは、プラハに戻って『スラブ叙事詩』の制作に取り組んだ時期の絵(『スラブ叙事詩』自体は展示されていなかったが)。『アメリカでのクリスマス』『ボヘミアの唄』あたり。故郷の歴史に関する大作に取り組むことができる喜びが伝わってくるような。まあ、芸術ってのは要するに感性の発露であるからね。とてもわかりやすいものを見たような気がする(単なる思いこみかもしれんけど)。

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