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2005年03月18日

●『監督不行届』

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安野モヨコ著『監督不行届』(祥伝社)読む。日本有数(?)のオタク庵野秀明監督と筆者との結婚生活、というより「オタク夫の壮絶な生態(とそれに染まっていく妻)」を描いたエッセイ・コミック。ホントおもしれーなー、庵野カントク。

庵野さんと言えば、やっぱり『エヴァンゲリオン』当時の、「悩める文学青年」的(もちろん知識的にはアニメ・特撮なんだが)な印象が強いんだけど、こうしてみるとマンガの題材にピッタリの愉しいキャラなんですなあ。アルマーニの試着で堂々と「ウルトラポーズ」をとってしまう話はかなり強烈。ま、それを一番近い位置で面白がれる安野さんが実は一番スゴイ人なんじゃないかとも思うのだが。いい夫婦だ。

巻末には各話の用語解説が付いていて、これもなかなか読み応えがある。「タイムボカン」の「ボカン」は「母艦」(様々なメカを収容するから)にかけてあるなんて、初めて知ったよ(笑)。生活の中での台詞一つ一つに膨大なバックボーンがあるあたり、まさにオタクとしかいいようのない夫婦である。日本のサブカルチャーを体現している、と言うとちょっと上品に過ぎるかな。とにかく濃ゆいのは確かだ。

僕としては、好きなモノへの偏愛と日常のゴキゲンぶり、甘えん坊なところ、あと靴下を履きたがらないところ(笑)なんかはちょっと親近感を感じてしまったりもした。ただし、この本を読んだつれによれば「服を着替えるだけあなたの方がマシ」とのことである。喜んでいいのやら(笑)。

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