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2005年03月10日

●『F.A.#30』

JSPORTSの録画で『F.A.#30』観る。今回はJリーグ史上最高のレフリー、レスリー・モットラム氏によるレフェリング解説。「(レフリーの)ポジショニング」「オフサイド」「シミュレーション」「ファウル」「コミュニケーション」という5つの事項について、いかにもモットラムさんらしく、明快かつわかりやすく解説してくれた。

見終って思ったのは、レフリーにとってまず必要なのは「論理的である」事なんだな、ということ。位置取りといい、オフサイドやファウルの解釈(鈴木啓のハンドの例は面白いね)といい、まず論理的にその事象を分析・判断することが何よりも優先される。他に要求される能力のほとんどは、その論理を裏付けるか、あるいは論理の材料を得るためのものであると言ってもいい。論理的であるための走力であり、論理的であるための視力(眼力)である、ということ。

あと、もう一つ強調されていたのは、やはりというかコミュニケーション能力。上のような論理を選手たちに伝えるためにももちろん必要なものであるし、そもそも合計25人もの人間が入り乱れてサッカーをやるのだから、それをまとめてゲームを成り立たせるためには、やっぱり人と「通じ合う」能力がなければイカンのである。今思い返しても、モットラムさんは笑顔を浮かべている時間が長く、ゲームをコントロールする上で必要不可欠な余裕に満ちあふれていたように思う。ヒステリックなレフリーって最低だもんな。

あれは10年ほど前になるだろうか。ラグビー早慶戦をテレビで観ていて、ふとマイクに入った相田レフリーのひと事「ノックオン。残念だけど…」を思い出した。レフリーってそういうもんなんだと思う。判定機械なんかじゃなくてさ。


[追記]
ついでに余計な事を書くならば、例の福西のハンドに関する解釈(まあこれ自体には僕も首を捻ってしまうが)について随分叩かれているようなので、あえてここではモットラムさんガンバレ!!とエールを送っておこう。(たかが、とは言わないが)誤審一つについてちょっとしつこく騒ぎすぎじゃないかとも思うし。

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コメント

ここを見て勉強なされたらいかがでしょうか?
http://ex12.2ch.net/test/read.cgi/soccer/1110020012/

ここ最近は審判の存在が試合結果を左右してるから話題になりますが、
その判定が間違っていたとしても
それはフットボールではそこそこある事。
もちろんそれがあまりに多いと問題ではありますが。

でもフットボールをわかってる人からしたら、それよりも試合全体においてストレスの溜まるジャッジをされる事のほうが
よっぽどイラつくんですよね。

前者は誰が見ても分かりやすいし、マスメディアでもそこそこ報道されるけど後者は試合全体で判断されることで、とても地味。
大してフットボールに興味のない人だと、「審判問題=ミスジャッジ」だと思っているんですよ。

見解の相違ということでしょうか。

それならそれで、「勉強なされたらいかがでしょう」などと曖昧でイヤミな言い方をせずに、私のエントリーのどこが間違っている(おかしい)のか、そしてあなたの意見はどうなのか書かれたらいかがでしょうか?

2番目の投稿で書かれていることはその通りだと思います。
一般論が述べられているだけですしね。私も個々の判定云々よりも試合全体の方が大事だと思っていますよ。特に追記の部分の最後の一文は、そういう趣旨もあって加えたつもりです。

いや、すいません。馬鹿にはしていませんが、
本当にちゃんとした知識を持った上で書いているのか
疑問ではありました。ご無礼お許しください。

>私も個々の判定云々よりも試合全体の方が大事
そう思うのであれば、今のJの基準=モットラム基準
についてどう思いますか?

試合後の翌週火曜日に、モットラムが
週末行われた試合のジャッチの全部チェックをしています。
で、ダメダシをする。
毎週、モットラムから事細かく指導を受けている
いわばモットラム門下生であるSRたちの評判は
良いですか?どう思いますか?

本当にそれをわかった上でこのブログを書いていますか?

あなたは欧州リーグを見るのでしょうか?
Jと欧州リーグの判定の基準の違いに疑問を抱きませんか?

モットラム
「私が指針するスタンダードは【UEFAやFIFAと一緒】です。
欧州リーグやユーロを見れば
【私たちの基準が間違っていない】のがわかることでしょう」

松井「相手DFの当たりは半端じゃない。
Jリーグを1とすれば10ぐらい。
ちょっとしたファウルでも日本とは違いファールとしては
取らずにそのままプレーオンする(プレー続行)。
始めは戸惑いましたが、
これが世界の標準なのだなぁと思いました。」

なるほど。では、私の方の説明。

まず、FRFさんがリンクを貼ってくれた2チャンネルのスレッドの書き込みの多く(「モットラムは現役の頃も今も駄目」という趣旨ですね)とは違い、私は現役時代のモットラムさんは優れた審判だと思っています。

で、それに対してモットラムさんの指導を受けているはずの今の日本のレフリーたちがまっとうなレフリングをしているかというと…正直、これは首を捻ってしまいます。実は私も現役時代のモットラムさんの印象と今の日本のレフリーの多くのヒステリックぶりが全然マッチしなくて、「これはどうしたことか」と困惑しているところなんですよ。

ただ、エントリー本体で主に触れているように『F.A.30』でのモットラムさんの解説はしごくもっともでしたし(よく読んでいただければわかると思いますが、私がエントリー内で褒めているのは別に今の日本レフリーの現状ではなく、番組内での発言と現役時代の彼ですよ)、繰り返しになりますが、現役時代のモットラムさんは良かったと思っています。それと、例えば穴沢さんとか家本さんのように現在「くそレフリー」のレッテルを貼られている人の中にも、徐々に改善している人もいるように私は思っています(でも、上川さんだけはどうしても駄目だな。私も受け容れられない)。

まあ、ここは贔屓目にすぎるところはあるでしょうね。現役の時のモットラム氏に対するシンパシーがあるから、個々の試合で変な判定にぶつかってエキサイトすることはあっても、大抵の場合は「まだまだなんだな」と勘弁しちゃう傾向はあるかと思います。ですが、実際それは私の正直な気持ちで、その正直な気持ちにしたがって書いたのが上のエントリーです。

あなたの基準からして私が「知識がある」のかどうかは知りませんが、私はサッカーファンの間で今の日本のレフリーが評判が悪いことくらいは承知していますよ(「サポティスタ」とかの書きようも凄いですよね)。私も過去の自分の観戦記を読み返すと、審判は褒めるよりけなす方が圧倒的に多い(笑)。でも、承知しているからこそ、そしてそれでも個人的にはモットラム氏への好感があってもっと頑張ってほしいと思うからこそ、エントリー内では「あえて」エールを送っておこう、と書いてあるのですよ。

ちなみに、私は欧州のサッカーでは、イングランドのプレミアシップが一番好きです。12月のチャールトン×チェルシーは現地で観戦しました。日本もああいう基準(カードも少ないし)で行われるサッカーになればいいのに、とは私も思います。ついでに言うと、イタリアみたいにはなってほしくないな、とも思います。

ご意見どうもです!
そうですか、自分はモットラムの現役時代から、
試合の流れをよく切る審判だなという印象でした。
それは現在笛を吹いているSRにも同じようなことを感じます。
当たり前ですよね、モットラム氏がSRを指導しているわけですから。

murataさんはプレミアシップが好きなんですね。
ああいう基準で行われるサッカーがいいと思うんですね。
でも
モットラム「私が指針するスタンダードは【UEFAやFIFAと一緒】です。  欧州リーグやユーロを見れば
【私たちの基準が間違っていない】のがわかることでしょう」

そういう指針を念頭に約3年も指導しているのに、
改善されているのでしょうか?

★一応、モットラムインタビュー載せておきます


◎私(日本)のスタンダード(判定基準)は間違っていない

1【Q】:1STステージ(2004年)は途中まで警告が多かったですが、  途中から減少傾向になった。振り返ってみてその印象は?

モットラム(以下M):私のスタンダード(基準)を各レフリーがよく理解してくれたということでしょう。
この2年間、スタンダードの確立を進めた成果。
私が仕事をする前のスタンダードは
【非常にレベルの低いもの】でした。
【一貫性】がなかったのです。
ただ、1STステージ(2004年)を振り返ってみてもっと
【警告】が出ても良いと思う。
簡単なことです。選手たちが私のスタンダードを理解しなければ警告は増える。
           
【カードの数を減らす唯一の方法】は選手たちが【私のスタンダード】を守る事なのです。


2【Q】:接触プレーの激しさをいう点で、【アジアの公式戦】との【基準があまりにも違う】という声もあります。

M:それは理解しています。私はこう思います。
【アジア地域のスタンダードが確立されていないだけ】であって、
【私のスタンダードが間違っている】というのは【誤り】です。
私は指針するスタンダードは【UEFAやFIFAと一緒】です。
欧州リーグやユーロを見れば【私たちの基準が間違っていない】のがわかることでしょう。


◎私(日本)のスタンダードは間違っていない

【Q】:では、Jリーグの試合が【レフェリーの笛で止まりすぎる】とに対する理解が足りないという事になりますね。

M:ゲームが流れるか流れないかは【レフェリーの責任ではない】。選手が【私のルールに即してプレーする事が一番大事】
EUROで何が起ころうが、
フィリピンで何が起ころうが私は日本サッカーのために
【責任をもって仕事をしている】つもりです。

選手講習会でジュビロの服部選手にこう質問されました
「FKの時に壁の前に出て行くと警告になるが、
アジアの大会では警告が出ない」

確かに基準が違うのでしょう。
ただ、【日本がアジアの基準に合わせる必要はない】。
これはAFCの責任である。
ただ、私の知る限りAFCは何もアクションを起こしていませんね。

4【Q】:【アジアの大会とのギャップを埋めること】
が日本の将来にも繋がるのでは?モットラムさんは
【アジアのスタンダードを作る】
仕事をするつもりはありませんか?

M:イエス。ただし【依頼があれば】です。ただ、【アジアは私の力を必要としていない】。
なので、アジア全体の改善は無理に近いですね。


熟読してみてくださいね

>熟読してみてくださいね
はい。

>murataさんはプレミアシップが好きなんですね。
>ああいう基準で行われるサッカーがいいと思うんですね。
はい。

>そういう指針を念頭に約3年も指導しているのに、
>改善されているのでしょうか?
一つ前のコメントに書いたように個別には改善されてる例はあるけれど、全体的には成果は芳しいとは言えないかもしれませんね。何度も言いますが、それでもあえて「モットラムさんガンバレ」と言いたいんだってば。

もう一度繰り返しますが、私は現役時代のモットラム氏にはとてもいい印象を抱いています(これは完全な見解の相違ですね)。で、その贔屓目をもって「モットラムがんばれ」という心情を抱いてそれを文章にしているわけですよ。そして、少なくともエントリーでの記述の対象となっている『F.A.30』においてモットラム氏が言っているコメントは概ね妥当だとも考えているのです。

そこに2ちゃんねるやら他のインタビューやらを教えてもらって、確かに参考にはなりますし「なるほど、現状はどこかに問題があるのかもしれんな」とは思いますが、別にそれで最初のエントリーに書いたことが間違っているとは一向に思わないんですよ。

もちろん、FRFさんのおっしゃることもよくわかります。私も、けっこう期待していたのに、モットラムさんが審判の指導役に回ったことで目に見えるほどの成果が出ていない(特に審判のコミニュケーション能力の部分)のは残念ですよ。それでもなお、というか、だからこそ、というか、(繰り返し三度目になりますが)「モットラムさんガンバレ」と言いたいんだってば。

なお、(これ書いたらまた反論されそうだな(笑))上に穴沢さんや家本さんのことを書きましたが、私の感覚では一昨年あたりの「最悪期」に比べればJの審判のコンタクト判定やカードの出し方はややましになっているように思います。それでも全体がまだまだレベルが低いので目に見えるほどの改善として印象に残ってないのでしょうけどね。

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