« タフな1日というか、人生の浪費というか | メイン | バイエルン×ドルトムント »

2005年02月19日

●トヨタ×東芝府中 ('05ラグビー日本選手権準決勝)

JSPORTS(後半は諸事情によりNHK)で、ラグビー日本選手権準決勝。トヨタ自動車 24-19 東芝府中。悪コンディションの中、粘り強い防御で東芝に思うようなラグビーをさせなかったトヨタが快勝。


雨の降り注ぐ泥んこのグラウンド。トヨタのしつこいタックルと密集での絡み。前半、風上の東芝は攻めあぐんだ。多くの時間トヨタ陣で試合を進めながら、得点はモールでもぎ取った2トライ(1C)のみ。一方のトヨタはNO8ティアティアがシンビンを受けながらも少ないチャンスを有効に生かし、廣瀬が3PGを決める。9-12での折り返しは、トヨタにとっては思う壺の展開だったろう。

後半立ち上がり、WTB水野のトライでトヨタ逆転。これでトヨタは一気に勢いに乗り、逆に東芝は浮き足だった。トヨタがさらにトライを重ねる一方で、東芝はPKのノータッチやノックオン等のミスを連発。24-12になってからはさすがに東芝が意地の反撃を見せ、終了間際にペナルティトライを奪ったものの時既に遅し。結局、東芝の日本選手権連覇と三冠制覇はならなかった。


トヨタは、集中力の継続とこぼれ球への反応で東芝を上回り、本来の力量差をひっくり返す戦いぶりを見せた。このチーム、一見外国人の破壊力に頼っているようでいて、実は廣瀬のキックや水野のスピード等、色々な引き出しを持っているのである。とてもリーグで2部からの昇格組とは思えない…って、昨シーズン落ちてたのがおかしいんだよな、このチームが(笑)。

東芝府中は、この試合でも最後まで攻める姿勢を失わなかったし、モールでの2トライは今季初めからの「戦い方の幅を広げる」試みの成果でもあった。しかし、後半リードされてから、肝心の勝負所で自分たちの長所が出せなかったのは悔いが残るだろう。荒れたピッチで得意の高速展開が封じられたのは不運だった(しかしNHKの中継で「このチーム本来のモール攻撃」とか言ってたのは意味不明だったな)にせよ、そこら辺の状況も克服できるようでなければタイトル総獲りはできないということか。

この試合、トヨタの奪ったトライ2つに対し、東芝は3つ。つまり計算上勝敗を分けたのはPGの数ということになる。前半東芝がPGを全く狙わなかったのは、おそらくトライへのこだわりと強攻の継続により流れを引き寄せるためだと思うが、結果的には裏目に出たと思う。もちろん、とことんトライを狙う志の高さは買いたいところだが、ゴール正面「ただもらい」のPGまで狙わないのはいくらなんでもいかがなものかと思う。特にこの試合の場合、東芝は荒れたピッチとトヨタDFを前に攻めあぐねていたのである。そういったスコアメイクの部分でもうちょっと柔軟性があればなあ、と思ったのは僕だけだろうか。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/102

コメント

初めまして!
身から出た錆とはいえ、1シーズンお預けを喰らっていた濃尾平野に住むラグビーヲタとしては嬉しい限りです(笑)。
トヨタは強いFWと札付きフラベルのシンビン、廣瀬の国宝級のプレースキックの印象が強いですが、水野・遠藤・久住の高速バックスリーと朽木兄弟から職人業を継承中の難波・赤沼の両センター等の伝統工芸も見応えがございます(笑)。
18年ぶりの優勝を見届けに秩父宮今季初遠征です。
相手さんのヤコ、出場しますかね? 楽しみ。

こちらこそ、初めまして。>クロゴマさん
確かにトヨタはいいバックス陣を持ってますよね。難波も水野も、DF力と攻撃力を兼ね備えているのが頼もしい。赤沼・遠藤・久住の3選手はまだ23~24歳と若いんですねえ。2部落ちで失ったものもあるのでしょうが、こうした若井選手たちの台頭のいい機会となったのは「不幸中の幸い」なのでしょうか。
決勝は、ヤコが出ないとすればNECはキックとモールを多用して派手な攻め合いを避けに来るかもしれません。トヨタは、自らリズムを乱して早稲田戦のようにならないことが肝要でしょうね。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)