うまねんblog

しかし、前半半ばにして早くも日本のサッカーは停滞する。攻撃がイケイケドンドンにならないのはいつも通り、なのだけれど、今日は中盤～ＤＦラインでの守備があまりにもユルすぎた。ややぎこちないパス回しながら、前を向いて積極的にチャレンジしてくる北朝鮮のアタッカー。それをボランチで止められず、ＤＦラインが下がりながらようやくはね返す日本。宮本・福西・遠藤はコンディションが相当悪かったのか？その３人の周辺にはノープレッシャーのスペースができてしまっていたようだ。そこからのサイド展開で三都主も裏とられまくり。

それでもまあ失点さえせずにダラダラ行ければ、と思い始めた後半１６分、北朝鮮がそれまでになく人数をかけた日本陣中央での攻撃、日本のＤＦがリトリートしつつ中央寄りに固まったところ、どフリーでオーバーラップした左ＳＢにパスが通り、強シュートが能活のニアを破る。同点。この場面、ゴール前には３～４人の北朝鮮アタッカーが駆け上がっており、予想された（能活がヤマを張ってしまった）のは速いクロス。故意か偶然かはわからないが、完全にその裏をかかれた形になった。

失点を受けて、ジーコは次々とアタッカーを投入。まず高原、次に俊輔。北朝鮮のＧＫがハイボールを苦手そうにしていたので、高原をターゲットにハイクロスを多用するのは理に適う戦法（もっと徹底しても良かったのに）。また、俊輔は右に左に動き回りながらボールをキープ、あるいはミドルパスで攻撃を組み立て、日本に流れを引き寄せた。ただし、ここで田中誠を外して４バックにしたのはちょっと気にかかった。加地とアレックスの攻撃力が減殺される上に、いざという時中澤を前線まで上げるオプションが使えないのがツライのではないかと…。

チャンスを作りながらもなかなかシュート（特に高原のあれ！）を決められない日本。３４分には玉田を外して大黒を投入。「高原が競ってこぼれたボールを大黒が蹴り込む」というイメージをジーコが持っているのは予想がついたが、しかしこの厳しい場面で代表経験の少ない選手を入れるのはバクチでもあった。ところが、その大黒がロスタイムに見事反転シュートを叩きこんで土壇場の勝ち越し。いやはや、勝負事というのは本当にわからないし、面白いものだ。

日本は、カザフ戦、シリア戦、そして今回と、調子の波が○××の下降線、ないし落ちて平行線、といった感じだろうか。中盤でのプレスのショボさ、両サイドの守備のガタガタさと合わせて、チーム状態は一気に昨年の欧州遠征前に戻ってしまった感がある。Ｊが始まれば個々の選手のコンディションは上がってくるとは思うが、相手も徐々に強くなる事が予想されるだけに不安である。次の試合には、（イランでのアウェイの空気を知っている）田中誠と（アウェイの空気に鈍感（笑）な）アレックスが出られないのもマイナス材料だし。

あと、ジーコの国内組重視方針が、昨年の反省に立って打ち出されたものか、それとも最近の「１年前のチョンボを棚に上げた」発言そのままに、昨年の苦労を忘れちゃってるのか（笑）、というのも心配ではあるな。

まあ、とりあえず今日のところは助かった。やれやれ。