« バルセロナ×ラシン | メイン | 『ドラゴンへの道』 »

2005年01月25日

●AFCチャンピオンシップ

BSの録画で、AFCチャンピオンシップ。ピッツバーグ・スティーラーズ 27-41 ニューイングランド・ペイトリオッツ。獲得ヤードはスティーラーズの方が上。でもスコアはペイトリオッツの完勝。フットボールと名の付くものにありがちな、「強さ」の意味を考えさせられる試合だった。

解説の河口さんはペイトリオッツのパス偏重DFがQBロスリスバーガーを抑え込んだ事を強調していたけど、本当のキーポイントはその前にあったと思う。立ち上がりのペイトリオッツは、むしろRBベティスのランを警戒していたのではないか。で、パスに裏をとられるリスクを背負いながらも中央を固める布陣でランを止めまくり、3rdダウン数ヤードの場面を何度も作った。

ここで、すなわち「パスで稼がなければならない」という状況に追い込まれた時点で、今まで強力ラン攻撃に「保護」されていたロスリスバーガーにプレッシャーがかかる。その状況でなってはじめて、待ってましたとばかりに繰り出されるペイトリオッツの8人パスDF。新人ロスリスバーガーに重圧をはね返すだけの力量はなかった。

つまり、打つ手の読み合い、相手選手の力の把握という部分においてペイトリオッツの方がずっと上手だった(逆に言えばスティーラーズは正直すぎた)し、相手の手を読みきった上でカウンターパンチを繰り出せる懐の深さもあったということだ。スティーラーズがリズムを乱したところでブレイディの絶妙なロングパスが決まり、さらにDFのビッグプレーも飛び出してペイトリオッツリードのまま試合は進む。

それでも後半はスティーラーズが底力を見せ、ベティスのランに加えてようやくパス攻撃の調子も上がり、2本差まで追い上げる。さらにゴール前まで攻め込んでのチャンス。ところが、ここでカウアー監督が弱気の策に出てしまう。残り13分で4thダウン、ゴールまで3ヤード。ここは絶対にギャンブルすべきだった。FGで妥協して相手に一息つかせるべきではなかったのだ。ゲームコントロールの能力ではブレイディを擁するペイトリオッツにかなうわけがない。ならば、ホームの利を生かしつつ勢いで押しきるべきではなかったか。もしかするとロスリスバーガーの調子への不安がよぎったのだろうか?とにかく、残念だった。

結局、次の次のプレーでインターセプトからペイトリオッツがTDを奪い、試合は決着する。ベンチででも円陣でも孤立したかのような、ロスリスバーガーの寂しげな姿。それに対して、ブレイディの姿からは貫禄などというレベルを超えた、オーラのようなものが感じられた。彼が伝説のQBとなるまで、あと1勝である。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/61

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)