●『USAカニバケツ』
『USAカニバケツ 超大国の三面記事的真実』(太田出版)読了。ウェイン町山こと町山智浩氏のアメリカ生活エッセイ集第3弾。
前作『底抜け合衆国』が宗教右派(含ブッシュ)による政治的文化的締めつけ等の割と硬めのテーマを中心としていた(それでも娯楽性は十分だったが)のに対して、今回はサブタイトルの通り三面記事的な小ネタを中心に幅広い事象を取り上げている。題材としてはお馬鹿なもの(エマニュエル坊やにMCハマー、マイケル・ジャクソンとか(笑))から深刻なもの(ウェスト・メンフィス・スリーやスポーツ選手の腐敗等)、あとミステリアスなもの(謎の飛び降り自殺目撃!)まで本当に様々。
一通り読んでみると、一攫千金ないしシンデレラ・ストーリーで一旦成功した(「アメリカン・ドリーム」ってやつですか)人間が結局は挫折・没落してしまう話の割合が多いように思うのだが、気のせいだろうか。『アメリカン・スプレンダー』の作者みたいな本当のハッピーエンドもあるにはあるんだけど…。