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2005年01月11日

●『夕凪の街 桜の国』

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こうの史代著『夕凪の街 桜の国』(双葉社)読む。

…おそらく、いくら言葉を費やしても、どんなレトリックを駆使しても、この作品の素晴らしさを伝えることはかなわないだろう。帯にみなもと太郎氏が寄せた「実にマンガ界この十年の最大の収穫」というコメントは、けっして大げさではない。

原爆がもたらした消えない心の傷。不幸な死の後に残った、ささやかな愛情と幸福。生きていることのかけがえのなさ。読みながら自然と涙がこぼれ落ちそうになった。わずか100頁ほどの短編だが、心にもたらしてくれるものは限りなく大きい。

できるだけ多くの人に読んでみてほしい、と素直に願える。そんなマンガ。

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