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2015年04月04日

●石川直宏健在なり (FC東京×ヴァンフォーレ甲府)

FC東京 1−0 ヴァンフォーレ甲府 (J1第4節 味の素スタジアム)

神戸戦の快勝後、ナビスコ杯と代表戦を挟んで迎えた第4節。なかなか得点が奪えないもどかしい展開となったが、復活した石川の活躍もあって勝点3を確保した。


試合は序盤から東京が主導権を握る展開に。東京は武藤・石川の2トップに河野・三田・米本と前目に機動力のある選手を揃え、早めの寄せでボールを奪っては高めの甲府DFラインの裏を狙っていく。開始直後、DFの隙間を突いた河野がボックスへ飛び出すが、シュートはDFに当たってゴールならず。14分、河野の反転スルーパスで抜けた武藤がGK荻と一対一となるが、ここは荻が防ぎきった。

先制点はその直後。米本のロングパスに反応して右→左と斜めに飛び出した石川が、荻の目の前で右足の見事なトラップから左足一閃!ボールはゴールネットに突き刺さった。石川らしい鮮やかなボレー!1-0。その後も東京ペースは続き、29分、石川のフォアチェックで獲得したボックス手前のFKを森重が狙うが、荻がキャッチ。30分には武藤がミドルシュートを狙うもポストわずか右に外れた。

前半半ばになると東京がやや息切れし、甲府も東京の寄せに慣れた感じでチャンスを作るように。32分、甲府のCKが逆サイドに抜けたところを下田が狙うがバーの上。38分、東京は右サイドのつなぎから梶山のクロスが逆サイドに抜け、走りこむ太田がシュートするもバーを越えた。終了間際には枠に飛んだ新井のミドルシュートを権田がパンチで弾き出す場面も。1点差で前半終了となった。


後半、開始早々に武藤が相手との接触で負傷退場するアクシデントが発生するも、流れは再び東京に。52分、ボックス右手前のFKを太田が直接狙うが、ゴールわずか右上に外れた。61分には徳永の突進で得たFKから波状攻撃となり、その中で甲府DFがハンドの反則を犯してPKを獲得。迷わずボールをセットした森重が狙ったシュートは横っ跳びの荻を抜くも、左ポストに当たってゴールならず。

62分、東京は河野OUT羽生INで4-4-2のフォーメーションにシフト。中央が米本・梶山の2人となることで攻守の安定感が増し、東京の攻勢が続いていく。66分、前田に猛然と寄せられた荻がクリアキックをミスし、拾った石川がそのまま持ち上がってシュートするが枠を捉えられず。79分にはCKで森重がジャンプ一番ドンピシャのヘディングシュートを撃つも、今度は右ポストを直撃して決まらず。

終盤になると東京の中盤守備がゆるくなり、最後の頑張りを見せる甲府が攻め寄せる場面が幾度か。しかし東京は森重・カニーニを中心に最後のところで決定的な突破を許さず、前線では石川が信じられないほどの運動量でフォアチェックを続ける。終盤東京は高橋秀人を投入するなど逃げ切りに入り、危なげなく……ではないが(笑)、何とかリードを守りきることに成功した。



2点目を奪えれば何てことない試合だったと思うのだけれど。でも勝ててよかった。

この日の東京は東を欠いていたのと、あと高めの3ラインで守る甲府のサッカーを意識したのか、武藤・石川の快速2トップ、さらにトップ下(河野)とインサイドハーフ(三田、米本)にもスピードと運動量を兼ね備えた選手を揃える先発メンバー。これが多くの時間帯で機能して甲府に思うようなパス回しをさせず、攻めては手数をかけないショートカウンターや長めのパスでチャンスを作った。

ただ、それでも「快勝」という気がしないのは、やはり追加点が奪えなかったから。グダグダのパスサッカーだった横浜戦に比べればサイド&ショートパス偏重ではなくなっており、攻撃全体はグッと良くなっている印象だ。でも、前半15分の場面を除けば押し切れなかった。もっと楔のパスから攻撃を作る場面を増やしてほしいし、コンビネーションもまだまだ上げていく余地があるのは確かだろう。

まあ、森重が2つの決定機のどっちかでも決めてればまた印象が違ったのかもしれないけれど。この日のモリゲはよほどゴールポストに嫌われていた(あるいは好かれていた(笑))のだろうか……。

MOMは石川直宏。決勝点の場面は本当に石川ナオらしい、迷いない動きとスピードと高い技術(柔らかいトラップの見事さはリーグ屈指だと思う)が結実したプレーだった。若い頃の爆発的な突破力こそ影を潜めたものの、局面で発揮される決定力や守備も含めた献身的・精力的な動きは今のチームの大きな力になっているし、これからの活躍がますます楽しみになる活躍ぶりだった。素晴らしい。

その他の選手は、三田・米本・羽生はいずれも中盤のダイナモとして良いプレーだった。河野も復調しつつあるようで一安心。梶山は、米本が近くにいるのといないのとでプレーがガラリと変わって笑えた。太田は身体の方が完調ではないのだろう。徳永・森重・カニー二はまずまずの出来か。権田は貫禄出てきたなあ。心配なのは前田と高橋で、2人ともこの調子だと使い所がなくなっちゃいそうな……あと、武藤の怪我は大丈夫なんだろうか。


ということで我らが東京、なんだかんだで開幕から(カップ戦も含めて)無敗で現在2位!近年稀に見る好スタートである。内容的には正直まだまだのようにも思うんだけど、そこは「大いに伸びしろがある」と思いたい(笑)。次の湘南戦も楽しみだ。勝てば首位かも!!


[付記]

味スタの脇の道路沿いは散りかけの桜がいっぱいで綺麗だったんだけど、その向こう側では2016年秋に竣工予定の「武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)」建設工事が急ピッチで進められているところだった。けっこう大きな建物(1万人超収容)ができるはずなので、スタジアム周りの風景もけっこう変わるんだろうな、と。つか、味スタとイベントがかぶったら飛田給の駅が大変なことになりそうな。




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