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2015年01月02日

●東海も慶應も、明日があるさ (全国大学ラグビー選手権準決勝)

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

本日は死ぬほど寒い中、小金井市と江東区で仕事の挨拶回りという厳しいスケジュールだったのだけれど、何しろ今年はフットボール二毛作のチャンス。合間を狙って全国大学ラグビー選手権の準決勝に足を運んだ。いつもの国立競技場が解体中(まだ業者も決まってないみたいだが)なので、秩父宮ラグビー場での開催である。



第1試合は筑波大学 17-16 東海大学

キックオフには間に合わず、前半途中で到着。東海がWTB近藤のトライ(SO野口コンバージョン成功)で0-10とし、その後もFWの優位を生かしながらペースを握る。終了間際には東海FB野口のドロップゴールが決まって0-13。後半に入っても追加点こそ奪えないものの、東海が堅実な守備で筑波の前進を許さないシーンが続き、スコアはなかなか動かない。

筑波はスクラムやブレイクダウンの劣勢で球出しに苦労し、パス攻撃も順目に回しては突破できず、の繰り返し。日本代表WTB福岡にもほとんどボールが渡らない。47分にようやくFB山下がPGを決めて3-13とするも、56分のPGは失敗。逆に67分に東海FB野口がまたもドロップゴールを決めて3-16と再び13点差に。気がつけば残り数分、勝負あったかに思えた。

ところが、ここで自陣マイボールのスクラムで東海がなんと球出しを失敗。ボールはインゴールを跳ね回り、慌てた東海が反則を犯したところですかさず攻めた筑波はNO8山本がボールをねじ込んでトライ。10-16。さらに次のキックオフからFO村川がタックルをかいくぐって突進し、フォローしたWTB山内が右タッチ際を快走。さらにつないで最後はPR橋本が中央にトライ、コンバージョンも決まって逆転!

東海にしてみれば悔いの残る結果だろう。それまでのFW戦の優位では考えられないようなスクラム失敗。動揺したのかその後の守備はそれまでの堅さが嘘のように受け身のタックルが目立った。まあ、誰か1人だけのミスという感じでもなかったのが救いだろうか。一方の筑波にとってはラッキーとしか言いようのない展開だったが、ただし最後で見せた集中力はお見事だった。

ちなみにこの試合、東海大側の応援が多くいるサイドで観てたんだけど、橋本のトライが決まった瞬間の「あ〜あ」感ときたら(笑)。そりゃ勝ったと思ったよな。



第2試合は帝京大学 53-10 慶應義塾大学

序盤は、下馬評で圧倒的不利とされた慶應がキックでよく陣地を稼いでモールやタックルでも健闘。さらにスクラムで圧倒して帝京FWをめくり上げるなど、スタンドが「おお!」とどよめく場面が幾つかあった。しかし、14分に帝京SO松田が鋭いステップで慶應の防御を切り裂き、フォローしたCTB金田がトライ。さらに21分には慶應FWが反則の繰り返しでシンビンとなる。

慶應も意地を見せて14人の時間帯にNO8森川がトライして食い下がるも、帝京も終了間際にきっちりトライを奪って16点差まで突き放す。後半になっても慶應は統率のとれた戦いで粘るが、最後の15分でついに力尽きてしまい、帝京が4連続トライを畳み掛ける。終わってみればスコアは53-10、対抗戦での対戦に続いて帝京の完勝となった。

両チームの実力差は否めず、慶應の戦法も理にかなっていたとは思うが正直なところ勝利につながる可能性はあまり見出せなかった。ただ、特に前半は統率のとれた戦いぶりで見せ場を作り、王者を脅かしたのも事実。いずれ(それこそ和田監督がSOで大学日本一になった時のように)才能が集まる時期が来た時のために、今日のような戦いは次の世代に引き継いで行ってほしいと思う。

なーに、43点差というと確かに小さい差ではないけど、先日サントリーがパナソニックに37点差で負けたように、ラグビーでは壊滅的な結果ではない。実際、日本代表のように0-98で負けた相手(ウェールズ)に9年後勝利した例もある。来年はこの差を詰められるよう、頑張ってほしいと思う。あんまり書いてこなかったけど、実は大学ラグビーは昔から慶應ファンなんである。


しかし、久しぶりに大学ラグビーのノックアウトラウンドを見て、トップリーグ観戦と違ってやっぱり学生ラグビーとなるとセンチメンタルな見方がどうしても強くなってしまうな、ということは改めて思ったね。東海と慶應、惜敗と大敗の違いはあるけれど、どちらも堂々としてほしい、若い君たちには明日はきっとあるさ、みたいな。オッサンになったなあ、俺も(笑)。

決勝は帝京×筑波か。今日見た限りでは帝京のプレーの強度と正確さ、安定感は一頭地を抜けている感がある。対する筑波は何というか優等生的というか、当たり前に戦って勝ったり負けたり、という印象があるんだよなあ。例えば福岡堅樹の使い方なんかでも宝の持ち腐れ感が強いというか。奇策はないにしても的を絞った戦い方をしないと帝京の牙城は崩せなさそうだが、さて。


[付記]

本日の観戦のお供は、スタジアムの正門脇のスタンドで買ったローストチキンと場内売店のホットワイン。秩父宮は元々生ビールやハイボールに加えて熱燗の日本酒や梅酒もあるし、夏はかちわりワインも楽しめるなど飲み物は充実していたのだが、最近は屋台村みたいなのができたりして食べ物も随分充実してきた感じである。ローストチキンにワイン、たいへん美味しゅうございました。
(ピッチ上で奮闘中の学生諸君にはちょっと申し訳ないけれど。)




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