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2008年01月13日

●サンゴリアス、じれったい勝利 (NEC×サントリー)


午後、柏の葉公園競技場でラグビートップリーグ第10節。NECグリーンロケッツ 8-19 サントリーサンゴリアス。トップリーグのレギュラーシーズンもいよいよ大詰め間近、ここから「トップ7」同士の対決は全てプレーオフ進出のかかった大一番と呼んで差し支えないだろう。強風下で行われた実質NECホームの一戦は、サントリーが拙攻に苦しみながらも攻撃力の優位を生かして接戦をものにした。


冷たく厳しく吹き付ける風の中、前半は風上に立ったNECがまず攻めたてた……と思うのだが、実は最初の10分ほどは試合を観ていないのである。いや、競技場にはなんとかキックオフ前に着いたんだけど、腹減ってたんで売店のカレーライスの列に並んでたら遅くなっちゃって。ポークカレー、ポークがどこにあるかわからなかったけど、美味かった……という話はともかく(笑)、3分、PGを得たNECがきっちりと決めて先制。

15分頃からはサントリーの攻勢に。風下ゆえにキックはあまり使わず、それが逆に良かったのか、FW突進とBK展開を織り交ぜてボールキープし前進していく。だが、22mライン内までは進むものの、NECの防御はさすがに粘り強く、あと一歩というところで突き破れない。また、確かに攻め続けてはいるものの、パス出しのリズムの悪さが目につく感じでもあった。23分、CTBニコラスがゴール正面のPGを外してスタンドがどよめく。

ようやくサントリーがスコアしたのは29分。ハーフウェー付近でのターンオーバーからニコラスが突進、オフロードパスを受けたCTB平が追いすがるDFを振り切って右隅へ走りきった。3-5。ところが直後の34分、自陣で突破を図ったSH成田が孤立してNECがボール奪取、あっという間の展開からWTB窪田が右タッチライン際を走りきってトライ。8-3。サントリーにしてみれば、何となくじれっくなる展開でハーフタイムへ。

後半の立ち上がりもサントリーが攻勢に出る。今度は風上の長く伸びるキックを生かして陣地を獲得、ニコラスの突進を軸に逆転トライを狙う。だが、肝心なところでノックオン等のミスが出て決めきれない。緑色のNECファンが多数を占めるスタンドの一部から「あ~」とため息が聞こえる。51分、SH成田に代えて田中。その後NECが縦突進から押し込む時間帯もあったが、こちらもサントリーDFの後退守備を抜ききれず。

後半半ばになると、サントリーは徹底的なモール作戦に出た。これが奏功。NECも外国人2人を含め強力FWのはずだが、受け身の時間が長かったゆえに消耗も大きいのか、ズルズルと後退していく。そして28分、サントリーは左隅へ押し込んでのスクラムから思い切った右展開、野村の飛ばしパスからニコラスのオフロード、最後はWTB北条が右隅へ飛び込んでトライ。難しいコンバージョンもニコラスが決め、8-12。これで雰囲気が変わった。

NECも当然ラトゥ・箕内やBK陣の突進で反撃に出るのだが、苦労してサントリー陣に入ってもロングキック一発で大きく押し戻されてしまう苦しい状況。こうなってくると風上・風下は実に大きい。そして39分、自陣で回したNECのパスがずれてボールは大きく跳ね、出足良く拾った田中がそのままゴールへ飛び込んでトライ。コンバージョンも決まって8-19。結局、この11点差は縮まらず、サントリーが逃げ切って貴重な勝ち星を得た。



サントリーに肩入れしている身としては、とにかくじれったい勝利であった。陣地やボール保有率では優位に見えるのに、パス出しのぎこちなさや局面における攻撃の単調さが目立って……後半逆転するまでは「コカコーラ戦の二の舞になるのでは」とハラハラしてしまった。まあ、今はハーフ団の若手を育てなければならないし、この日は強風という事情もあったけれど。どうも「脚を余す」ことが多いように思えるんだよな、このチームは。

NECはトヨタ戦と同様、健闘はしたし崩れなかったけれど決定力の差を見せられてしまった、というところか。防御の堅さやFWのパワフルさは余所の強豪チームと比べても遜色ないのだが、どうもそれらをスコアに結びつけていく方法論みたいなところに欠けた部分があるというか。ヤコが戻ってきたとしても、程度の問題で同じ弱点は残る。狭いサイドでWTB首藤を走らせるオプションあたり、ちょっと手がかりになりそうな感じか。

しかし、柏の葉は風が強くて寒かった……。ラグビーだとメインとバックにしかお客さんが入らないから、「首都圏有数の見づらい競技場」という面はあまり目立たないけれども(ここはとにかくゴール裏席が酷すぎる)、暖かい食べ物・飲み物くらいは存分に用意してほしかった。


夜にJSPORTSの録画中継で観た神戸製鋼×トヨタ戦は、なんと7-45の一方的スコアでトヨタ圧勝。神鋼のどこが特に悪いというわけでもないのに、あれよあれよという感じで点差がついていったのが印象的。やはりトヨタは火がつけば強い。これで勝点的にはNECと神鋼がキツくなったかな、という感じ。4位はトヨタとヤマハが争っているが、サントリーはその2チームとの対戦を残しているのでまだまだ予断を許さない状況である。



試合後は、柏の葉キャンパス駅まで歩いてTXで秋葉原→JRで東京駅へ。「黒塀横丁」の「barBAR東京」でちょっと一杯、よなよなリアルエールをパイントで。たまたま前の樽が切れたところだったらしく、店のお姉さんが「開けたてですよ!」と持ってきてくれた。いやー、相変わらず、というか、いつも以上にフレッシュな風味。美味い!!ややこじつけ気味だが、これではるばる柏の葉まで出かけた甲斐があったというものか(普段は使わない駅だからね)。

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コメント

>>神戸はねえ、勝負への執念が足りないという感じがしたね。
あと、トヨタのプレッシャーもあったんだろうが、プレーに余裕がなかったような気がする。

なんつーか、神鋼、ちょっと淡泊だったよね。精神論だけじゃいけないんだろうけど、ゲームプラン(平尾総監督のたてる「策」ね)が通用しなかったり何らかのアクシデントがあったりした時に、ちょっと脆すぎるような。若い選手も多いチームだからある程度は仕方がないのかな?

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