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2006年08月02日

●蔚山現代×ジェフ千葉


夜、国立競技場でA3チャンピオンズカップ第1戦。蔚山現代 2-3 ジェフユナイテッド千葉。ACLとかぶるんだかかぶらないんだか相変わらずよく意義の分からない大会だが、今回はJリーグを中断までしただけあって、少なくともジェフは本気モードのようである。攻撃的で楽しい「オシムサッカー」が炸裂し、見事Kリーグ王者に快勝。

正直なところこの大会、さほど興味があったわけでもなく、「土曜日のソウルにも行けないし、せっかく国立でやるんだから観てみっか。チケット安いし」とすっかり高みの見物モード。が、試合前、高円宮妃殿下とともにチョン・モンジュン氏が現れたのを見て一気に反韓モード(サッカー限定)に突入。気がつけば「いてもうたれや、巻!」などと叫んでいたのだった(笑)。

 
試合は、立ち上がりからジェフが優勢。前へ出る守備から、選手たちの絶えぬフォローやオーバーラップとタッチの少ないパス回しで攻め込んでいく。特にサイドにおいては完全に優位に立っていた。21分、CKから中島がヘディングを叩き込んで先制。相手がKリーグの強豪だろうと、そしてナイトゲームとはいえ真夏の試合でも、全く変わらぬ戦いぶりに感心させられた。

しかし、前半半ば頃から現代も個々の強さを発揮。局面局面で現代の選手が当たり勝ち、あるいは走り勝つ姿が目立つようになった。千葉はさほど厚い守備を敷くチームではないので、受け身に回ると脆い部分もある。24分にチェ・サンクが切り返しからトゥキック(?)でGK立石を抜き、さらに42分にはイ・チョンスに逆転ゴールを決められた。やはり、クラブレベルだと日本は苦しいのか?

ところがその直後。右サイドからゴール方向へ巻くクロス、飛び込んだ巻が右足アウトで合わせてGKの脇を抜く同点ゴール。走り込む角度といいキックのコースといい、「これしかない」という感じの技巧的なシュートだった。すげーFWになってきてるなコイツ、みたいな。そして、さらにその直後、速攻からゴール前で佐藤(?)が倒れながらつなぎ、走り込んだ羽生がゲット。なんと鮮やかな逆転劇か。

後半になっても、ジェフ優勢で試合が進む。テンポの良いパス攻撃から何度も決定的シュートが放たれた。だが、現代のGKキム・ジヒョクの好セーブもあり、それらのシュートがことごとく決まらない。僕はジェフ側のバック寄りコーナー付近で観戦していたのだが、目の前で黄色いユニ姿の人々が「やった!」と立ち上がりかけては頭を抱える光景が続く。そうこうしているうちに時計は進み、85分を経過。

ここで決定的な場面が。現代が前線に楔を入れた場面でジェフDFがFWに接触、レフリーは即座に笛を吹き、ペナルティスポットを指し示す。全くファウルには見えなかったのだが……もしかして、これが「アジアの壁」ってやつですか。それともチョン・モンジュン効果か(笑)。まあ、PKを立石が止めたから笑い事で済んだのだが、よく考えたら恐ろしい判定である。結局、このピンチを何とか防いだジェフがそのまま1点差を守りきって勝利。


ジェフ千葉の素晴らしいところは、「よく走り、速くボールを動かす」ことに加え、その時々の状況に応じてチームの意思統一がとれていることだろう。いや、意思統一がとれているからこそムービングフットボールが実現できていると言うべきか。さすがは名将オシムが3年以上かけて作り上げてきたチーム、そう易々とは落ちないだろうな。ジェフの戦いぶりを目にして、代表の試合も早く観たくなってきた。

それと、やはりこの3年余りの成功体験のせいか、サポーターも他チーム以上にしっかりしているようである。先日の気の毒な監督交代騒動が少しは影響しているかと思ったら、それはない様子で、自分たちのサッカーに自信を持ち、応援にも迷いがないように感じられた。ほんの数年前は低迷とチーム不信(今や不動の評価を得ているGMも「ウバ害」って呼ばれてたな)でグチャグチャだったのにね。

いや、率直な感想として、羨ましかったですわ(笑)。

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