●'06ツール・ド・フランス序盤戦
せっかくの「ポスト・ランス」の年だというのに、ウルリッヒ・バッソ・ヴィノクロフを欠く寂しいメンツのツール・ド・フランス。でも、何だかんだ言って、家に帰ればやっぱりJSPORTSの中継に見入ってしまうのであった(笑)。まあ、中毒ですから。さすがに今回は全部は観られなそうだし。
プロローグはなんとハスホフトが優勝。これは意外な…。「スプリンター」に分類される選手なのにね。ただ、彼の場合は逃げも上りもスプリントも器用にこなせる代わりに爆発力に欠けるところがあるから(マイヨ・ヴェールを獲った去年もステージ優勝は無し)、「短いTT」なる中途半端な条件で勝ったのは、言われてみれば「なるへそ」かも。
第1ステージ。真っ平らなコース、逃げがお約束通り捕まっての大スプリント大会。となれば、さあボーネンの出番だ!ゴール前、いい位置につけてるぞ、行け!!…って、早くトップに立ちすぎて失速してやんの(泣)。1人有力選手とは違うコース取りをしたコフィディスのカスペールが「あら勝っちった」てな感じで無欲の(?)優勝。2位マキュワン3位ツァベルはさすが。
驚いたのは、ハスホフトがゴール前で沿道の観客の持ち物(「緑の手」)に接触し、腕から大量出血して救急車で運ばれていったこと。血にまみれたマイヨ・ジョーヌ……まあ、確かに公道競技には付きもののトラブルなのかもしれんけど、何だか今回の「波乱の大会」を象徴しているような。3針縫ったらしいが、大事に至らなくて本当に良かった。
第2ステージ。スプリントPと山岳Pが交互にやってくるような、微妙に起伏のあるコース設定。各ポイントでの局地戦が盛り上がったレースだった。
山岳Pは、逃げてポイント連取したデラフエンテを水玉ジャージのウェグマンが猛追、最終山岳P前できっちり捉えてトップ奪還。ここで、そのポイントを2位通過すればまだ再逆転できるデラフエンテだったが、もう息も絶え絶えの状態で…しかし、力量的にここを逃せばおそらく2度とチャンスはない。白戸さんも思わず声援、その脇で「なんか脱穀機みたいになってますよ」と笑う栗村さん(笑)。結局、デラフエンテはヨレヨレながら2位をゲットして水玉ジャージ獲得。よかったなあ~。
スプリントの方は、ハスホフト(怪我は大丈夫?)とボーネンが集団の頭を巡ってバトルを展開。ボーネン、ハスホフト、ボーネンと取って、あとはどちらがゴール・スプリントを制すか……と思ったら、優勝したのはマキュワン。やっぱりかすめとったか(笑)。ゴール前、マキュワンに進路を遮られたハスホフトの左足がペダルから抜けてしまう場面もあったが、炎の片足こぎで3位確保。よろけた彼の煽りをくったボーネンもしっかり2着入線。この3人の争いはムチャクチャ面白い。
で、去年のオグレディに続いてマキュワンの被害(笑)に遭ったハスホフトだが、ゴール直後にはガッツポーズするマキュワンの後ろで指さして抗議していたものの、片足こぎの甲斐あって見事マイヨ・ジョーヌ奪還。表彰式の後には笑顔でマキュワンと握手もしていた。彼は「好漢」だね。ちょっと応援したくなってきたかも。
第3ステージ。なんとバルベルデが落車、リタイア…。ウルリッヒの逆襲もバッソのダブル・ツールもなくなってしまった今年、彼が「強い80年生まれ」(ボーネン、ウェグマン、シュレック、カンチェラーラetc)の総合王者として名乗りを挙げてくれるのが楽しみだったのに。これで開幕前に言われていた「優勝候補」はほぼ全滅状態(泣)。となると、総合優勝はヒンカピーあたりか。「ポスト・ランス」の年にランスの7連覇を支えたアシストが勝つ、というシナリオは悪くないが…。
優勝したのはケスラー。残り2kmからのロングスパートが見事決まった。ボーネンはまたも勝ちパターンに持ち込めず、4位。けれども、マキュワンもハスホフトも着外だったためにポイントと総合の両方でトップに立つ結果に。今回のボーネンはなかなか勝てないけれど、元々春のクラシックで勝ってるくらいだからハスホフトに負けないくらいの万能性を持っているわけで、最後までしぶとくポイントを拾っていけばマイヨ・ヴェールは行けるのでは。
やっぱり、個人的には今回はマイヨ・ジョーヌよりマイヨ・ヴェール争いが楽しみ。
コメント
初めまして!!
いつも拝見させていただいています★
アメブロで新たにブログを開設したので
良かったら遊びに来て下さい!!
Posted by: 青赤19 | 2006年07月05日 22:08