●'06ジロ・デ・イタリア第７～第１０ステージ
さて、ジロも序盤戦から中盤戦に差しかかり、山岳ステージもチラホラと現れてきた。ペタッキのリタイアによりスプリントははマキュワン独走態勢なので、早々と山岳に入ってくれるのはいいね（というより、そういうコース設定だからこそスプリンターがあまり出ていないのだが）。まだ数人だけの勝負、というほどではないけれども、タイム差はついてきた。
第７ステージ。最初の山岳。序盤からシェイリングス（コフィディス）が逃げ、数人の追走集団が追いかける展開。シェイリングスは追走集団に呑み込まれたものの、ペースアップしたメイン集団が後方に迫った残り数ｋｍで同じコフィディスのヴェルブルッヘが爆発的なアタック。一気に逃げ切って見事ステージ優勝をものにした。勇気のある仕掛けは気持ち良し。ゴール前の急坂を１人「おいしょおいしょ」とこぐ姿には思わず拳を握りしめてしまった。おめでとう！
そして、ベッティーニは終始後方のままで１３分遅れ。ミルラム勢と一緒にゴールしたところから見ても、おそらく狙いはポイント賞ということなんだろうけど、平坦ではマキュワンがダントツで強いからこういうコースで稼いでおかないといけないはずなんだが…。もしやマキュワンは完走できないと睨んでるのか？
第８ステージ。このレースは面白かった。起伏の激しいコース設定、最高１４名もの逃げ集団が形成される予断を許さない展開、そして終盤の有力者たちのつばぜり合い。実に見応えがあった。「いや、総合に関してはここから本当の戦いが始まるのだ」とワクワクしてきたよ。
最後の上りに入り、クネゴ（ランプレ）が機先を制するアタック。しかし、それを見て、満を持して仕掛けたのがバッソ。慌てず騒がずクネゴに追いつき、あっさりと追い越し、力強い走りでグングン引き離す。差が１０秒２０秒……強い！段違いの安定した推進力。結局、クネゴに３０秒、シモーニには１分１５秒もの差をつけて優勝。総合でも堂々たるトップである。ＣＳＣはサストレらアシストの働きも見事だったし、これは早くも「本命」確定、ということなのだろうか。
第９ステージ。小ぶりな峠はあったものの、わずか１２７ｋｍの短いコースらしくゴール・スプリントに。積極的に引くクイックステップが狙うのはもちろんベッティーニの勝利。峠で遅れ気味だったマキュワンがやや失速気味なのに対し、ベッティーニはミルラム勢（もうペタッキいないのに列車を作らずにおれない姿に哀感が漂う）も利用して万全の仕掛け。大接戦だったが、ゴールインの瞬間にベッティーニのガッツポーズ。「今度こそ勝ったか！？」。ところが、写真を見ると優勝は推定２ｃｍの差でヴァイクス（ＡＧ２ｒ）。パオロ……勘違いかよ……（涙）。
第１０ステージ。美しい海岸線を見下ろしながら、くねくねと曲がる稜線をたどっていく。視覚的に楽しめるコースだった。総合優勝争いは一旦お休み。２０人以上の先行集団がステージ制覇を目指して駆け引きを続け、残り十数ｋｍからはメルクス（フォナック）が単騎抜け出す。メルクス、ほとんど後ろを振り向かないイケイケの逃げを見せ、最後の上りで背後まで詰められてもよく粘ったが…あと１００ｍで力尽きた。もうちょっとで『アンダルシアの夏』状態だったけどねえ。彼の親父さんは伝説の名選手らしいが、長嶋一茂みたいな存在なんだろうか？
つーことで、明日が最後のお休みで、残りはひたすらＴＴと山岳が続く地獄の連戦である。選手は死ぬほど大変だろうが、僕たちとしてはエライ楽しみ。みんな頑張りや～！
コメント
メルクス最後までけっこう粘ったのですが、残念でしたね。
ゴール後インタビューされている場面（結局一言も話さなかったようですが。。。）は、なんともいえない光景でした。
親父さん（エディ・メルクス）は、ツール/ジロをそれぞれ5勝している偉大なロードレーサだったようです。
本日ジロは休みですが、ナビ杯浦和戦 and CL決勝か。。。
Posted by: coldroom | 2006年05月17日 15:34
メルクス、ホント、あと一歩というところでしたよね。悔しかったろうな…。メルクスの逃げについても、テレビの前で拳を握ってしまいました。応援しがいがあるのは、やっぱ逃げかな。
>親父さん（エディ・メルクス）は、ツール/ジロをそれぞれ5勝している偉大なロードレーサ
それはすごいですね。グラン・ツールを計１０勝ですか。それはある意味ランスよりすごいかも。
では、やっぱり息子のメルクス君は一茂ということで（笑）。
Posted by: murata | 2006年05月18日 00:48