« W杯欧州予選ラス前 | メイン | アイルランド×スイス(W杯予選) »

2005年10月12日

●ウクライナ×日本

夜、「サッカー愛0の局」テレビ朝日で日本代表東欧遠征。ウクライナ 1-0 日本。W杯欧州予選のことを大いに「高みの見物」しているのと同時期に、実は我らが代表チームもドイツへ向けて貴重な親善試合をこなしているのであった。雨にぬかるむピッチとキビシー判定。アウェイの厳しさを存分に味わった試合であった。

そもそも今回は、せっかくの国際マッチデーなのにフルメンバーが揃わないという噴飯ものの遠征であったし、ラトビア戦もジーコの不思議采配(松井OUTと坪井・三都主IN…)で勝ち試合を落としていたし、正直なところTVのスイッチを入れる指は重かった。が、実際観てみると、案外試合は熱いものとなり(決して空疎な実況と解説のおかげではない)、「経験を積む」という意味では意外と悪くなかったかも、と思わないではないこともなくはない。

悪コンディションの中、日本は中田英・中村・稲本・中田浩で構成された中盤がよくパスをつなぎ、ボール保持力ではウクライナを上回る。おかげで負担が減ったということか守備の危なっかしさもさほどなく、落ち着いて観ていられる展開だった。ただ、高原へのボールの収まりが異様に悪かった(途中交代は妥当)のと、両サイドの押し上げがきかなかった(これは布陣的に仕方ないか?)せいで攻撃はぶつ切りになりがちでもあった。前半はスコアレス。

盛り上がったのは後半の早い時間、中田浩が突如一発退場になってから。この判定はちょっと理不尽だったと思う。親善試合というのに、レフリーいくら何でもホーム贔屓すぎるだろ、という感じ。むしろウクライナの方が、貴重な強化試合が台無しになりかけて焦ったのではないかとちょっと心配になった(笑)。

この危機に本領を発揮したのが、「ピッチ内の監督」中田英。厳しく周りに指示をとばしてバランスをとろうとし、力強いドリブルで態勢を立て直す時間を稼ぐ。これほど懸命な中田選手も久しぶりに見たような。やはり、欧州にいる彼にとっても、この大事な強化の機会に目立った成果もなしではたまらん、ということなのだろう(ついでに言うと、ラトビア戦の不機嫌さはその貴重な時期にベストメンバーが揃わなかったことへの苛立ちもあったかもね)。しまいにゃカウンター意識の低い三都主を突き飛ばすシーンまで。「監督」にダメだしされた三都主は、哀れ交代となったのであった(笑)。

中田の奮闘の甲斐あって日本代表は残りの時間で少ないながらもチャンスは作り、初出場箕輪の惜しいヘディングシュート(空振り)もあった。しかし点は奪えない。途中出場選手のうち、松井はこのシチュエーションでは今度はコネコネが目立ってしまい、村井は攻撃では効いていたが守備がちょっとアレだった。ウクライナの決定的な3連続シュートも神仏の加護でしのぎ、「よし、分けならボチボチやろ」と思い始めた終了間際。箕輪がクリアの際にFWを腕で押さえてしまってPK。うーむ、これも厳しい判定…。

まあ、1分1敗という成績はともかく、この遠征で何を得られて何を得られなかったかという分析は必要だろう。現地集合ならば欧州組がそれなりにやれることは再確認できた。松井や茂庭や土肥もそれなりにいい経験を積むことができた。ただ、ラトビア戦といいこの試合といい、「中澤と今野(あるいは福西でもいいや)がいればな…」とは思ってしまうよな、やっぱり。こういうことをやっていて、まさか本番の後に「時間が足りなかった」とは言わないよね?協会も監督も。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://umanen.org/mt/mt-tb.cgi/393

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)