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2005年08月08日

●『戦国野郎』

WOWOWの録画で、岡本喜八監督『戦国野郎』。魅力的な設定、楽しいキャラクター、娯楽性を重視した演出、芸達者な役者たち。必要なものは全部揃っているはずなのに、観た後どうにも物足さが残ってしまう作品。う~ん、なぜだろう。

映画を構成する人物や場面はとてもいい感じ。加山雄三・中谷一郎演ずるはみ出し者の忍者と武士、冷徹だが誇り高い追っ手忍者(中丸忠雄)、勝ち気だけど可愛いヒロイン(星由里子)、人を食った羽柴秀吉(佐藤允)、荒々しいが真っ直ぐな馬借たち。いかにも岡本作品らしいキャラクター造形。アクションシーンも派手すぎないし、主人公(加山)に対して素直になれないヒロインの女心、なんてのも微笑ましく楽しい。

でも、そうしたパーツに比べると物語の展開とか、ラストの締め方が少し弱いかな、と。主人公の相方だったはずの中谷が一旦消えちゃって何の脈絡もなく戻ってきたり、秀吉の行動がいくらなんでも悪辣過ぎたり(それはそれで一つの論理だ、というのが伝わってこない)。あと、「若い半人前の忍者」の成長物語でもあるはずなのに、主人公は良くも悪くも一貫して青臭くて真っ直ぐで、ちっとも成長した感じがしないんだよね。そういった部分により、どうにも見終わって釈然としない感じが残ってしまうのだろう。

個人的には、登場シーンは少ないながら、天本英世さん演ずる弓の達人がお気に入り。最初いかにも怪しい感じで出てきて「こいつ敵の追っ手じゃねえの」なんて思わせておいて、でも実は頼りになるいいヤツだった、という。

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