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2005年05月26日

●リヴァプール×ACミラン(欧州CL決勝)

JSPORTSで欧州チャンピオンズリーグ決勝。リヴァプール 3-3(PK3-2) ACミラン。なんという驚愕の、なんという劇的な、なんとも凄まじく、そしてなんとも信じがたい試合。こんなことがあり得るのか、と。

開始直後にミランが望外の先制点を得て、その後も圧倒的優勢が続く。前に出るリヴァプールMFの後ろを巧みに突き、カウンターからクレスポが鮮やかに2得点を追加。この時点でミランの勝利を疑った人間がいたとしたら、むしろその正気を疑うべきだろう。ところが後半に入って突如リヴァプールが反撃、わずか6分間で怒濤の3得点。ジェラードを前に出す攻撃的采配はあったものの、特にミランDFにミスはなかったように見えたのだが…。その後は熱いサポーターの声援の中でギリギリの攻防が続き、勝負はPK戦へ。最後はなんと、あのシェフチェンコが外して決着。ミランの選手たちはなぜこの結末に至ったのか、まったく信じられない思いだろう。

だけど、リヴァプールというのは、もしかしたらそもそもこういうチームなのかもしれない。普段は堅守速攻のスタイルを貫きながら、一発勝負での強さと爆発力をどこかに秘めている存在。2001年のUEFA杯決勝、解説の原さんが思わず涙したあの5-4のアラベス戦を観た人間ならば、(あの頃とはだいぶ選手が入れ替わっているとはいえ)この試合の展開や結果も「さもありなん」と納得することができるのではないだろうか。

この試合のリヴァプールは「取り返す」ことを積み重ねて勝利をつかんだ。チームとして3点差を取り返したのはもちろんだが、ジェラードは反撃の口火を切るヘディングシュートで序盤の存在感のなさを取り返し、トラオレは前半の度重なるミスを後半ゴール寸前のスーパークリアで取り返し、デゥデクは後半の不安定なプレーを延長とPK戦のスーパースーパーセーブで取り返した。前半の一方的なやられっぷりにリーグ戦での駄目駄目な姿が重なって見えただけに、反撃に転じてからの戦いっぷりはより一層際立ち、観ている者に大きな感動を与えてくれたように思う。いや、見直したよ、リヴァプール。

まあ、結果だけをちょっと斜に構えて見れば、国内リーグでイマイチ続き、プレミアシップで1度も勝ったことのないリヴァプールが優勝する「チャンピオンズ」リーグってのはどうなのよ、とツッコミを入れられないこともない。だけど、この試合を観た人間にとってはそんなことはどうでもいいよね、きっと。足を痛めたギャラガーが次のプレイで顔を真っ赤にしながら宙を飛んでクロスをカットした場面、そしてショッキングな敗戦の直後にも関わらず表彰式で立派な立ち振る舞いを見せたマルディーニ。胸が詰まった。素晴らしい試合だった。

まったく、フットボールって、なんて素敵なんだろう。

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コメント

murataさん、こんにちは。
ハーフタイム時に、三点ビハインドの状況ながら You'll never walk alone. を歌うサポーターの姿や、反撃の一点目となるゴールを決めたジェラードが両腕をグルグル回してスタンドのファンを鼓舞する様子に感動しました。
今年のリヴァプールはユーベに勝ち、クリスタル・パレスに負けた後、チェルシーに勝つという振幅の激しい戦いぶりでしたが、そもそもそういうチームなのかもしれないという意見に賛成です。プレミアで下位チーム相手にキッチリ勝つけど、チャンピオンズ・リーグでは期待される程の結果が出せないアーセナルとは好対照だなあと思いました。

>点ビハインドの状況ながら You'll never walk alone. を歌うサポ
>ーターの姿や、反撃の一点目となるゴールを決めたジェラードが両腕
>をグルグル回してスタンドのファンを鼓舞する様子
そうですね。フットボールにおけるエモーショナルな要素の力を再確認させられたというか。ジェラードも、勝因の第一に「最もクレージーな12番目の選手」としてサポーターの力を挙げていたようです。

あと、本文中にも書きましたが、負傷しながら歯を食いしばってボールに食らいつき、PK戦ではデュデクを叱咤激励してあの「奇妙な踊り」もサゼッションしたギャラガー。私が選ぶならMVPは彼ですな。

いや、ホント、私も感動しましたよ。

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