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2005年04月06日

●『スリーピー・ホロウ』

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WOWOWの録画でティム・バートン監督『スリーピー・ホロウ』観る。バートン監督が真正面から取り組んだゴシック調ホラー。18世紀末、とある村で起こった「首なし騎士」による連続首切り殺人事件に、NY市警の捜査官イカポッド・クレーン(ジョニー・デップ)が挑む。

「ゴシック調ホラー」と書いたが、過去の傑作ゴシックホラー作のような重みはこの作品にはない。そこはバートン風味というやつで、主人公をはじめとするエキセントリックな人物造形、首が次々にはね飛ぶ残酷さ、人の情念の重み、そして「首なし騎士」の巣の不気味な造形といったものによって独特の雰囲気がかもし出されている。加えて、さすがアカデミー美術賞を受賞しただけあって、セットや背景、「画」全般は文句のつけようがない質の高さ。

ただ、物語の展開がちょっと。見応えはそれなりにあるし、飽きないのは確か。でも、せっかくの雰囲気を味わうにしては少々慌ただしすぎるし、アクションに偏りすぎかもしれない。せっかくの理系主人公なのに、クライマックスでやたら体育会的、あるいはアクロバティックな格闘を見せてしまうのには違和感を感じた。「首なし騎士」の正体も早々にばれ、登場人物もバタバタ簡単に死んでいって……もう少し焦らし気味に物語を進めていればもっと良くなったと思うのだが。

とてもきれいにできている良作である。でも、ややテンションを上げすぎたせいで、かえって突き抜けられなかったのがちょっとだけ残念。

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