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2005年03月01日

●NEC×トヨタ ('05ラグビー日本選手権決勝)

JSPORTSの録画でラグビー日本選手権決勝。NEC 17-13 トヨタ。いい試合だった。胸が熱くなった。今シーズンのベスト・ゲームは、最後の最後で待ち構えていたのであった。

前半はNECの狙いどおり(?)割と地味な展開。7-6でNECリード。後半に入ってすぐNECが3点追加するものの、そこからトヨタが大攻勢に出る。鋭い突進の連続からFL菅原が右隅に飛び込んでトライ。廣瀬のコンバージョンも鮮やかに決まって10-13。さらに続くトヨタの攻撃。SH麻田がテンポ良くボールを出し、後方からアタッカーが次々に飛び出していく。連続、連続、また連続。

しかし、ここでNECが信じられない粘りを見せる。トヨタFWの突進に押されながらもタックルで食らいつき、インゴールではボールの下に体を回り込ませてトライを防ぐ。キックでは思うように陣地を回復できず、頼みのSOヤコの調子も今ひとつ。それでも、NECは崩れなかった。絶体絶命の連続が15分ほど続いただろうか?勝因は、間違いなくこの時間帯耐えきったことだ。タックルだ。

そして28分、ゴール前のモールでボールキャリアーの動きが一瞬止まったその時、箕内の万力のような両腕が伸びた。慌ててしがみつくトヨタの選手を引きづりながらボールをもぎ取る。「そうか、こういうビッグプレーもあるのだ」と気づかせてくれた、日本代表主将の怪力。そこからキックの応酬になり、トヨタBKの処理にミスが出る。久しぶり、解放感さえ感じさせるNECの攻勢。左サイドへ展開、ヤコのスルーがトヨタDFを幻惑させ、WTB田中が抜けた。ミニパントをFLマーシュが拾って中央にトライ。17-13。

ロスタイムの攻防も凄かった。あきらめないトヨタが再び突進の連続。じりじりゴール前まで押されながら、崩れないNECのDF。あと一歩、あとボールひと出し、というところでトヨタのハーフがラックへ間に合わず、ヤコのキックが間一髪チャージをかわしてタッチの外へ。ノーサイド。一方は膝をついてうなだれ、もう一方は抱き合って歓喜を爆発させる。しかし、両方とも「出し尽くした」ことでは同じだったろう。真っ先に握手を求めた、トヨタNO8ティアティアの立派な態度が試合の印象をさらに素晴らしいものにした。

これだから、観るのをやめられないのだ。ラグビーは。

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