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2005年01月27日

●『Game of people-アジアカップ&ユーロ2004超観戦記』

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西部謙司著『Game of people-アジアカップ&ユーロ2004超観戦記』(双葉社)読了。タイトルにもある通り、2004年に行われた2つの国際サッカー大会を追いかけた観戦記。個々の試合の描写はやや抑えめにし、大会の流れや各国の現況、大会中の街や人の様子、さらにはそれらから見える国民性といったところまで突っ込んでいるのが特徴だ。

前半のパートでは、「分析力・洞察力はあるがコーチングはしない」ジーコの下でいい意味での鈍感さ(ある種のタフさ)を身につけた日本代表が、前回とは全く異なる戦いぶりでアジアカップ連覇を成し遂げる過程が描かれている。

ジーコに関しては僕は以前「中はカラっぽ」と評した事があったんだけど、この本を読む限りではどうもそれは言いすぎで、「鍵の壊れた書庫」(いい本があるのに取り出せない!)くらいが適当だったかもしれん(笑)。でも、やっぱり、「監督は理想の状態を言うだけで過程を何も示さず、選手が創意工夫と経験で何とか乗りきっている」というのは危険な状況ではあるまいか。

後半部分はユーロ出場国1つ1つにスポットを当てた内容。おとなしいポルトガル人の微笑ましい熱狂、同じ事を繰り返すイングランド人、オランダの迷走、ヘタウマゲルマン軍団、予め敗れていたイタリアとスペイン、一つの時代が終わったフランス、そしてギリシャひと夏の(?)輝き。

どれも実に素敵に描かれており、読んだ人はサッカーとは「Game of people」なんだということがよくわかるだろう。あと、オランダ×チェコの戦術的駆け引きの高度さは、最近の日本代表に慣れてきている身としては目がくらみそうになったな(笑)。

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