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2015年10月18日

● 足りないものは何だろう(FC東京×湘南ベルマーレ)

FC東京 1−2 湘南ベルマーレ (J1第31節 味の素スタジアム)

僕がラグビーに入れ込んでいる間も(笑)東京はゼロウノウノゼロウノゼロと勝点を重ね、年間総合・2ndステージともに3位の好位置につけたまま早くも残り4試合。9位湘南と対戦した今節は、優勝を狙うならば決して負けられない一戦だったが、少ない決定機をものにされて悔しい敗戦となってしまった。


前半の立ち上がりは東京の組織守備が機能。湘南の攻撃を分断し、珍しくボールを支配する展開となった。一方攻撃の方は、湘南の逆襲速攻を警戒してかパスで中盤を組み立てることはほとんどなく、バーンズや前田を狙う縦の浮き球を多用。こぼれ球からクロスを入れる場面は幾つかあるも、湘南DFの素早い寄せもあってなかなかシュートに持ち込めない。ともにチャンスの少ない地味なムードで試合が進んでいった。

22分、菊池と接触した場面で森重が太ももを負傷。プレーを続行するも次第に守備の粗が目立ちだし、湘南ペースとなっていく。36分、転倒した森重と入れ替わってキリノがボックスへ突入した場面は、丸山が懸命のカバーで防ぐ。39分には湘南のショートコーナーのクロスに菊池俊介がダイビングヘッドで合わせるも、左に外れ。東京は集中力を欠いたプレーも出るようになり、何とか0-0で終えたいところだったが……。

追加タイムに入った46分、走れない森重がキリノを倒して右サイドで湘南のFK。永木が狙った強烈なロングシュートはアブラモフが横っ飛びで弾き出すも、逆サイドで拾った遠藤が折り返し、なぜかどフリーになっていた古林があっさりとゲット。0-1。さらに永木のシュートの時点で倒れ込んでいた森重が負傷を悪化させて吉本に交代。東京は最悪の雰囲気でハーフタイムへ突入することになってしまった。


後半頭から東京はバーンズに替えて中島を投入。これは効果てきめんで、中島のテンポ良いボールタッチと変幻自在の動きが攻撃を活性化。そして50分、ボックス付近のパス回しから徳永が浮き球を入れ、こぼれたボールを拾った東がボレーシュートを右隅へ突き刺した。GK秋元が一歩も動けぬ豪快な一撃。1-1。さらに54分には右から仕掛けた中島がきわどいクロッシュートを撃つ場面もあり、東京が流れを掴むかに思われた。

ところが、55分。湘南は速攻から右サイドに展開して藤田が速いクロスを入れ、反応しきれない東京DFを尻目に菊池大介がゴール上に蹴り込んだ。得点直後のあっけない失点。1-2。勢いをせかれる形になった東京だが、62分、左コーナー付近での東のキープから太田がクロスを入れ、中島がヒールでシュート。これは秋元に弾き出されたもののスタンドは沸き、東京はさらにカンフル剤役の三田も投入して攻勢を継続する。

だが、東京は何度も攻め込んではクロスを上げ、CKを獲得するものの、高さのある選手が少ないことに加えて秋元の堅実なセーブもあり、決定機に至らない。84分、高橋の縦パスを東が折り返し、走り込んだ三田がシュートするがポスト左。89分には中島のキープから三田がゴールライン際をえぐり、DFの間に速いクロスを通すも逆サイドの高橋はミートできず。結局そのまま試合終了となった。東京、無念の今季8敗目である。

なんというか、思うにまかせぬ試合展開を眺めながら考え込んでしまった。まだまだ足りないんだなあ、でも何が足りないだろうなあ、と。優勝争いのライバル(だった)広島や鹿島が同時刻にともに苦戦を制していただけに、なおさら。

序盤のジリジリした展開は、ゲームプランの範囲内というか、想定内だったと思う。攻撃は散発的でチャンスは少なかったが、湘南の攻撃はきっちり封じていた。前半0-0なら御の字だったろう。だが、そこで森重の負傷もあって失点を喫してしまう。後半は中島投入で一転攻撃モードにシフトし、早速東のボレーで追いついたものの、すぐにまたあっけない失点。で、後は延々と押しながら、守りきられてタイムアップ。

決定的に何かが駄目というわけでもないんだけど、大事な試合で残念な形で勝ちきれない。主力の怪我という不運もあったにせよ、試合下手っちゅーか何ちゅーか。少なくともこれではリーグ戦は勝てないよなあ、という印象を改めて持ってしまった。とはいっても単に選手たちの気持ち云々の話ではないのはもちろんである。

この試合については、一番の誤算は森重のアクシデントだったろう。時間が経つにつれ足を引きずってパフォーマンスが低下していき、失点場面でも座り込んでしまっていた。で、最後は怪我を悪化させて担架での退場。責任感の強い選手だけにリーグ戦の勝負所で退場したくはなかったのだろうが、結果的に強行出場が敗因の一つとなってしまった。難しいところだけど、僕は本人に早めの交代を訴えてほしいと思った。

後半は東京が押す形になっていたけれど、あれは相手がやや引いて(湘南にしては)守りに入ったというのもあるだろうし、いざ攻め込んでからは湘南の密度の高い守備と寄せの速さにあまりいい攻撃ができなかった。中島と東の連携、高橋の楔のパスには可能性を感じたんだが……本来大きな武器となるはずの太田は精彩を欠いていたし、その太田の守備の拙さもあって悪い時間帯に失点したのはいかにも残念であった。

結局、何が足りないかといえば、まだまだ力が足りないということになるのだろうか。身も蓋もない結論だけど(笑)。別に相手が下位だから勝てると思ってた訳ではないけれど、もう少し(とにかく結果を出す方向での)いいサッカーをしてほしかった。

まあ、とはいえ、年間順位ではまだ3位。年間1位やステージ優勝は厳しくなったものの、チャンピオンシップの出場権もACLの出場権も依然として圏内にとどまっており、悲観する状況では全くない。残り3試合のうち2試合をホームで戦えるのも好材料だ。まずは次の浦和戦。おそらく味スタは満員になるだろう。年間1位がかかった相手だけに厳しい試合になるのは間違いなく、正念場である。是非とも勝利をつかんでほしい。


[付記]

湘南ベルマーレはコンセプトがはっきりしていて、惜しみなく走って寄せて思い切って前へ出る好チームだと思うんだけど、ちょっとコンタクトが激しすぎる印象なんだよなあ……福島主審は上半身の接触にかなり寛容な感じで、やや湘南向きのレフェリングだったかもしれない(もちろん言い訳にはできないんだが)。先制点につながるFKを蹴った永木も、あの変な腕の絡みとかがなければ本当に素晴らしい選手なんだけどな。


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コメント

湘南に負けたチームのサポさんは、必ずと言っていいほど「湘南は荒い」「激しすぎる」「ラグビーじゃねぇんだぞ」的なことを言われますね。

>通りすがりの湘南サポさん

どうもコメントありがとうございます。

いやあ「必ずと言っていいほど言われ」るんですねえ。なるほど納得です(笑)。

もちろん負け惜しみというのもあるし、勝った時は同じことを思っていても気分がいいもんだからあえて口に出さない、というのもあるのでしょう。

ご期待にお応えして、次に湘南に勝った時には、もっと盛大に言おうと思います。

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