2010年03月28日

●黄色でよかったのに (大宮アルディージャ×FC東京)


今日の午後は、NACK5スタジアム大宮でJ1第4節。大宮アルディージャ 0−2 FC東京。開幕戦を勝利で飾りながらイマイチな戦いぶりの続くチーム同士の対決は、前半の内に2人の退場者を出した大宮が東京の攻勢にひたすら耐え続ける展開となったが、後半に2ゴールを奪った東京が勝点3をものにした。ひいきチームの勝利と新たな才能を目撃する喜びの一方で、数的不利の相手を袋叩きにする後味の悪さもあり、複雑な心境にさせられる試合だった。
 
 
立ち上がりはほぼ互角の展開。どちらも4−4−2のフォーメーションでパスをつなぎながら主導権を探る。攻撃の軸ラファエルを怪我で欠く大宮に対して東京は左MFに中村北斗を置く新布陣。高めに位置どる左SB村上の背後を突く形でチャンスを作っていく。開始直後に赤嶺の浮き球で石川が右サイドを突破、クロスを収めた北斗が切り込んでシュートするもGK北野がキャッチ。大宮も6分、橋本のサイドチェンジを内田がダイレクトボレーで狙うが長友がブロック。

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2010年03月26日

●『サッカーを100倍楽しむための審判入門』

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あれはもう2ヶ月余り前になるのか、FC東京新体制発表会の日に新宿で飲んでいてfct-fan氏に「読め!」と突きつけられた(実話)、松崎康弘著『サッカーを100倍楽しむための審判入門』(講談社)をようやく読んだ。日本サッカー協会審判委員長が自ら著した、知っているようで知らなかった審判に関する画期的な一冊。
 
タイトルにも「審判入門」とあるとおり、この本はサッカーの審判に関する諸々の知識のうち初歩的なものから(ファンにとっては)やや高度なレベルのものまでをわかりすく説明したもの。構成的には第1章は近年のJリーグで物議を醸した判定の例、第2章は審判の歴史、第3章と第4章は日本における審判制度と具体的な試合日の流れ、第5章は特に重要な「ゲームコントロール」というテーマ、そして第6章は審判になるための道筋について、それぞれ解説している。

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2010年03月23日

●『インビクタス ー負けざる者たちー』

土曜日(珍しく)カミさんと一緒に、銀座シネパトスでクリント・イーストウッド監督『インビクタス −負けざる者たち−』を(やっとこさ)観た。1995年ラグビーワールドカップにおける実話を元に、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ大統領(モーガン・フリーマン)と同国代表「スプリングボクス」のフランソワ・ピナール主将(マット・デイモン)がアパルトヘイト廃止直後の人種対立を乗り越えながら、世界一に向かって邁進していく姿を描いた作品。
 
 
全体的な印象としては、いかにも「職人」イーストウッド監督らしく、過剰さを廃して訥々と描いているな、と。でも、だからといって映画の感動が削がれているかと言えばむしろ逆で、もともと奇跡的な実話だけに映像化すれば変にエモーショナルになったりわざとらしくなったりしがちなところ、丁寧に細かいエピソードを積み上げていくことで過不足ないところに落とし込んでいるように思えた。興ざめを上手に回避しつつ、でも淡泊になっていはいない、という。

例えば、マンデラの依頼によって黒人居住地でラグビー教室が開かれる場面。初めは嫌々だったスプリングボクスの面々が子供たちの笑顔に引き込まれて夢中で教えるようになるんだけど、群がる子供たちに向かって選手の1人がポン!とボールを蹴った瞬間、高い位置のカメラに切り替わってパッと広く視界が開ける演出などは見事だった。「あ、この瞬間に何かが変わったんだ」という感覚。正攻法極まるカメラワークではあるんだけど、それだけに隙はない。

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2010年03月22日

●浮上のきっかけはどこだ (FC東京×セレッソ大阪)


一昨日の夜は、味の素スタジアムでJ1第3節。FC東京 0−0 セレッソ大阪。開幕横浜戦を劇的な勝利で飾ったものの、前節は鬼門埼玉で浦和に敗戦を喫した東京。ホーム連勝で弾みをつけたい今回の相手は、J2からの昇格組であり今シーズン初勝利を目指すセレッソであった。味スタ今季初のナイトゲームは双方ともに様々な問題を露呈する内容の乏しい試合となり、2万観客のため息とブーイングと沈黙の交錯する中でスコアレスドローに終わってしまった。
 
 
立ち上がりはセレッソ攻撃陣の意欲的な動きが目立った。3−6−1の布陣で1トップのアドリアーノを狙った縦パスと、香川・乾の変幻パス交換を交えて攻勢に出ようとする。しかし、先にチャンスを作ったのは東京。6分、フェイントでDFをかわした平山のシュートがポストわずか左を抜ける。直後には平山のパスから赤嶺がシュート、GKキムがキャッチ。8分には茂庭が石川を倒してボックス左でFKとなり、クロスに平松が飛び込むもキムがきわどくクリア。

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2010年03月20日

●地下鉄サリン事件15周年

癒えぬ傷 消せぬ記憶 地下鉄サリン15年 (東京新聞)
 
 
ニュースを見るまで忘れていたのだが、今日は地下鉄サリン事件15周年の日だったそうな。

あれは今思い出しても衝撃的な事件だった。社会的にも個人的にもインパクトは絶大なものがあった。僕個人の事を書くと、当時は大学2年生。ちょうど大学の教養課程が終わりかけて正直暇を持て余している状態で、地下鉄サリン事件やその後のオウムの諸々を追っかける時間は充分にあったし、実際にけっこう情報をかき集めたりしていた。

何より、当時住んでいた高樹町の実家の2軒隣がオウム真理教の東京総本部(1階は謎のパソコンショップ)だったのだ。その少し前から既に松本サリン事件などについてもオウムの関与は噂され始めていたから、地下鉄サリン事件が起こった時にはそりゃあもう心中穏やかではなかったというか慌てたというか……。

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2010年03月15日

●「負け慣れ」厳禁 (浦和レッズ×FC東京)


昨日の午後は、埼玉スタジアム2002でJ1第2節。浦和レッズ 1−0 FC東京。東京は新生横浜相手に劇的な勝利、浦和は王者鹿島に完敗と対照的なスタートを切った両チーム。浦和にしてみれば開幕からの連敗は是非とも避けたいところであったろう。試合は、序盤快調に試合を進めた東京があっけない失点と退場による数的不利で自滅気味の展開となり、後半反撃を見せるも得点を奪えず僅差の敗戦。これで東京は浦和に対して泥沼の7連敗となった。
 
 
立ち上がり、意外なことに試合を優勢に進めたのはアウェイの東京だった。やや覚束ない浦和のパス回しを寸断し、羽生のパスさばきから攻めたてる。4分、中村北斗のミドルシュートがバーをわずかに越える。5分、ショートカウンターで右サイドを抜けた北斗から鈴木達也へ送ったラストパスはやや長く逸機。8分、鋭いターンで坪井の裏をとった達也が持ち上がるが、惜しくもシュートできず。9分には森重が上がった後の穴を田中達也が突くも、椋原がナイスカバー。

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2010年03月14日

●東京都青少年健全育成条例改正問題

都条例「非実在青少年」規制問題について (たけくまメモ)

野放しの漫画児童ポルノを規制へ 都条例改正案、反対論も (47NEWS)

都の青少年育成条例案に事業者・有識者ら反対 「ネット規制」 (日本経済新聞)

東京都条例で「非実在青少年・創作物規制」の動きが加速 (保坂展人のどこどこ日記)

東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例 (東京都公式)
 
 
忙しさにかまけて……というか、それを自分への言い訳にして情報を追うのが遅れてしまったけど、東京都の「青少年健全育成」とやらが凄いことになっているようです。

こうした動きへの賛否については、上記リンクや、それを手掛かりにした検索情報などを元に皆様ご自身で判断されると良いかと思います。ただ、問題なのは、こうした条例改正の内容はおろか、そもそも東京都がそうした動きをしている事について知らない人が多すぎることかと。

なので、とりあえず、いくつかリンクをはってみました。

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2010年03月13日

●栄枯盛衰の赤黒対決 ('09-'10欧州CLベスト16)

ヨーロッパチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦2ndレグを今日になってようやく録画観戦した。マンチェスターU 4−0 ACミラン。いきなり1回戦で実現した名門ビッグクラブ同士の対戦(マスコミ的に言うと「ベッカムダービー」かな(笑))は、1stレグに引き続いてユナイテッドが決定力の違いを見せつけ、世代交代半ばのミランから4点を奪う大勝。ここ数年における両チームの充実度の差が如実に表れたような試合となったのであった。
 
 
8万近い観客で膨れあがったオールド・トラッフォード。既に第1戦で3ゴールを奪っているユナイテッドには相手を呑んでかかる勢いがあった。ルーニーへの楔をスイッチに次々アタッカーが攻め上がり、ルーニーやフレッチャーの強烈なシュートがミランゴールを脅かす。ミランもピルロのパスさばきから反撃を試みるが、若いFWにはユナイテッドのブロック守備を脅かすだけの迫力がなく、ロナウジーニョのトリッキーなヘディングシュートもポスト右に外れ。

そして13分、前線に1人で張っていたルーニーがネヴィルの上げたアーリークロスを頭で叩き、ゴール左にゲット。あまりにもあっけなく、あまりにも大きいユナイテッドの先制点。右後方から低く速く飛んでくるクロスに対してDFを完全に置き去りにし、かつ反転の力でボールを加速して枠に飛ばす素晴らしいシュートだった。その後はミランが攻勢に出るが、ユナイテッドは全く慌てることがない。ファン・デル・サールの好セーブもあって決定機には至らない。

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2010年03月11日

●『イースタン・プロミス』

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WOWOWの録画で、デヴィット・クローネンバーグ監督『イースタン・プロミス』。ロンドンのとある病院で働く助産師のアンナ(ナオミ・ワッツ)のもとに、身元不明のロシア人少女が運び込まれ、赤ん坊を残して死亡する。アンナは少女の日記を手掛かりに身元をたどろうとするが、日記にはロシアン・マフィアの秘密が記されていた。知らず知らずのうちに恐ろしいマフィアの縄張りへ足を踏み入れてしまったアンナの前に謎めいた男(ヴィゴ・モーテンセン)が現れ……。
 
 
とてもよくできた映画。達者な役者陣、謎めいた筋立てをうまくさばきながら適度に情緒を織り交ぜた脚本、巧みなサスペンスの演出、美麗な映像……etc。いや、何しろクローネンバーグ監督なので、いつズルズルグチョグチョになったり(『ヴィデオドローム』『イグジステンズ』)狂気と妄想に踏み込んだり(『クラッシュ』『スパイダー』)するかと気が気でなかったのだけれど(笑)、そんな心配は不要だった。ため息が出るくらいにバランスの良い作品だと思った。

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2010年03月07日

●開幕戦は「ここから」くらいが丁度良い (FC東京×横浜Fマリノス)


昨日の午後は、味の素スタジアムでJ1第1節。FC東京 1−0 横浜Fマリノス。さて、待ちに待った、というと言い過ぎかもしれないけど(笑)、いよいよJリーグ開幕だ。我らがFC東京、初戦の相手は木村和司監督就任・中村俊輔復帰で何かと注目を集める横浜Fマリノスであった。悪コンディションの中で行われた試合は、双方調整不足を露呈するミスの多い内容となったが、後半に怪我明けの主力を投入した東京が終了間際の得点で幸先の良いスタートを切った。
 
 
今年の開幕イベントは女子柔道48kg級で目下世界最強の(谷亮子より強い!)福見友子選手によるゲストスピーチ。まあ、率直に言って「地味だなあ」という感じは否めないのだが、しかしそもそも開幕戦だからといって派手な「イベント」で無理に盛り上げる必要があるのかいな、という気もするので、こんなもんでいいっしょ。
 
 
キックオフ。この日は朝から降り続く雨によりピッチ状態は悪く、選手たちは滑る足下やボールの転がりの不規則さに苦労しながらのプレーとなった。東京は怪我明けの石川・梶山がベンチスタートで、もちろん米本もいないためMFは松下・中村北斗・羽生・徳永。いかにも苦し紛れの布陣だが、DFの森重・椋原と合わせてとりあえずイケメンは総動員したメンバーと言えよう(笑)。対する横浜は渡邉・長谷川の2トップで山瀬と狩野が前目に張る4−4−2。

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2010年03月04日

●うまねん的2010開幕プレビュー(後編)

前編の続き)
 
 
というわけで開幕戦プレビュー、前回でほとんど書きたいことは書いてしまったような気がしないでもないが(笑)、後編は我らがFC東京の方に注目してみてみよう。
 
 
【4】チームの仕上がりと新戦力のフィットぶり

何といっても真っ先に注目すべきはチームの仕上がり具合だろう。監督交代初年度はともかく、昨年は期待の大きさに反してスタートダッシュに失敗。守備システムが機能せず、連敗後の山形戦からチームを作り直すような形になってしまったのは記憶に新しい。夏・秋の好成績を考えても開幕直後の足踏みは実にもったいなかった。今季は3〜5月に味スタや東京近郊の試合が多く、日程的には春恵まれていそう。ぜひ良い成績で弾みをつけてほしいものだ。

チームの仕上がりと特に密接に関わってくるのは、新戦力のフィット具合である。松下と森重は実力やチーム状況からしておそらく開幕からスタメンだろう。松下はプレー精度が高くて周りも生かせるタイプの攻撃的MF。森重の方はセンスがあり、高い戦術眼で攻撃にも貢献できるDFだ。どちらも従来の東京に新たな武器を加えてくれそうな選手だけにとても楽しみ。加えて2人ともイケメンでもある……佐原・ブルーノを失った今季はこれも大事なのだ(笑)!

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2010年03月03日

●うまねん的2010開幕プレビュー(前編)

ということで、2010年のJリーグ開幕までいよいよあと3日に迫った水曜日である。たまには、というか少なくとも今シーズンは二度とないかもしれないけど(笑)、ここらでひとつ試合のプレビューでも書いてみようかと。今回は前編として、対戦相手である横浜Fマリノスにスポットライトを当てる形で見どころを並べてみよう。
 
 
【1】10年ぶりの開幕横浜戦

横浜Fマリノスは、2部時代からのFC東京ファンにとっては様々なエピソードを思い出す対戦相手である。たとえば1999年のナビスコカップ準々決勝1stレグ。アウェイの地で東京がJ1の強豪たる横浜を3-0と蹴散らした試合は鮮烈だった。ホーム側スタンドを静まりかえらせる電光石火のゴールラッシュ。カブ、コバ、カブ!!東京は続く2ndレグでも0-2と持ちこたえ、J2チームながら見事準決勝進出の快挙を成し遂げたのだった。

そしてその翌年。J1に昇格した東京が初戦で当たったのもまた横浜だった。巨大な横浜国際総合競技場、暗闇に花火がドカンと光る派手な開幕セレモニー。しかしゴージャス(笑)な雰囲気にもひるまず東京は大健闘を見せる。さすがにボール支配では劣ったものの、土肥・サンドロ・小峯・藤山・浅利らDF陣が粘り強く食らいつき、アマラオ・ツゥット・由紀彦らが逆襲の牙をむく。そして85分、アマが獲得したPKをツゥットが決めて1−0の勝利!

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2010年03月02日

●気がつけばあと数日

最近の週末は酔っぱらって帰ってベットにバタンキュー、気がつけばもう翌朝、というパターンが多いのだけど、それでも夢を見ることがある。

この週末、「Jリーグ開幕の日をうっかり忘れてしまい、3月6日に昼間っから飲みに行って開幕戦を見逃してしまう」という夢を見た。しかも夢の中で「ま、いっか」とか言ってやんの俺(笑)。

ということで、気がつけばもう開幕のFマリノス戦まであと5日しかないではないの。しかもいつの間にか3月とかになっちゃってるし!!今年は(というか今年も)正月明けからラグビーばっか観てたからな……「フットボール二毛作」も農閑期が全くないと切り替えがキツいっす。

つーか、責任転嫁(?)するわけではないが、今年はプレシーズンマッチもないし、事前の盛り上げも少し地味な気がするのである。金曜日に都庁でやってた写真展観に行ったら、まだ15時前なのに撤収始めてやんの。せっかく都合つけて行ったのにー(と思ってたら、公式サイトには14時までと書かれていた。スイマセン……)。

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