2009年11月29日

●10年一区切り (FC東京×ヴィッセル神戸)


昨日の夕方は、味の素スタジアムでJ1第33節。FC東京 1-0 ヴィッセル神戸。今月初めのナビスコ杯制覇後、激戦の反動と相次ぐ怪我人・出場停止に悩まされて3連敗中の我らが東京。ホーム最終戦は、退団するベテラン2人を良い雰囲気で送り出すため、そして良い流れで来季へつなぐためにぜひとも勝ちたいところであった。試合は、内容的にはかなり低調ではあったが、終了間際に飛び出した「宴会部長」のヘッド一発で東京がからくも勝利。
 
 
試合前、今季限りでの退団・引退が決まっている藤山と浅利を送り出すため、ゴール裏とバックスタンドには青赤の中に「8」と「7」が浮かび上がる人文字が。非常に規模の大きな仕掛けであり、ビジュアル的にも、その行為で示された気持ちも、実に素晴らしく思えた。
 
 
キックオフ。やはり梶山・平山の不在は痛く、立ち上がりの東京は攻撃の組み立てに苦労。2分、クロスのはね返りを拾った金のミドルシュートがゴール左上をきわどく抜け、その直後には大久保の鋭いミドルシュートを権田がキャッチ。ただし神戸も中盤のパス回しが拙く、東京の守備ブロックをパスワークで崩すような場面はほとんどなかった。どちらも裏を狙うFWへの縦のボールが多い。6分、ボックス手前での奪い合いから鈴木がシュートするもバーの上。

続きを読む "10年一区切り (FC東京×ヴィッセル神戸)"

2009年11月25日

●ヒミコとユキヒコの旅(発動篇)


日曜日。7時半くらいに起床して身支度し、バイキングの朝食(良いホテルに泊まる醍醐味はこれですよ!!)を山盛り食ってからチェックアウト。雨模様の中、路面電車に乗って浦上まで北上し、「長崎西洋館」というラ○ホチックな建物近くの坂を上って原爆関係施設へ。以前広島の同じ趣旨の施設には行ったことがあるのだが、やはりこっちも見なきゃ、ということで。

まずは「長崎爆死没者追悼平和記念館」。展示施設とは別に、最近(?)追悼のための場所を設けたのは広島と同じ。地上には直径29mの水盤と、2つの大きなガラスケース(爆心地の方向を向いている)が。施設全体を水が流れる設計になっているのは、当時被爆した方の多くが水を求めたからだという。この辺も広島の追悼施設と同様だ。地下では静謐かつ荘厳な空間の中に、亡くなった方々の名簿が安置してある。さすがの僕もここではひたすら黙祷。

続きを読む "ヒミコとユキヒコの旅(発動篇)"

2009年11月23日

●ヒミコとユキヒコの旅(接触篇)


三連休の土日は九州に行ってきた。佐藤由紀彦ファンのカミさんがV・ファーレン長崎の試合を観に行くので、そのお供である。日曜の千葉×東京@フクアリにも(去年のアレもあったし)後ろ髪を引かれたのだが、何しろ今回の長崎の対戦相手はアマラオのいるFC刈谷なんである。つまり「由紀彦×アマラオ」(笑)。ただ、いくら何でもJFL観戦だけではアレなので、ついでに吉野ヶ里遺跡見学を兼ねてみようと。カミさん曰く「目的はヒミコとユキヒコ」だって。
 
 
土曜の朝、8時前の羽田発スカイマークで福岡空港へ。博多から長崎線急行「シーサイドライナー」に乗って鳥栖で各駅停車に乗り換え、11時半過ぎに吉野ヶ里公園駅到着。飛行機がかなり遅れたのでこの時間になったが、それがなければ3時間ちょっとで着きそうな感じ。カシマスタジアムより近いな(笑)。福岡空港ではレベルファイブスタジアムが、鳥栖駅ではベストアメニティスタジアムがすぐ目の前に見えた。アウェイファンには実に嬉しい立地だわなー。

続きを読む "ヒミコとユキヒコの旅(接触篇)"

2009年11月16日

●あと3試合

天皇杯4回戦@丸亀競技場 FC東京 0-3 ベガルタ仙台 (FC東京公式)
 
 
カップ戦というのは常にそういうものだけど、まあ何ともあっけない、というか。

試合全体については観られなかったので何とも言えない。ただ、NHKのダイジェストや公式ウェブサイトのレポート、あと現地に行かれた方のブログなどを観る限りは内容的にも完敗だったようである。シュート数でも7対10と負けており、失点場面の他にも中島の鋭いミドルシュートを横っ跳びで弾き出すなど、権田の好セーブに救われた場面があったようだ。

草津戦の記事にも書いたけど、こちらは激戦・遠征続きの「お疲れ」状態、かつ「既に昇格を決めて勢いに乗っている」相手だったのだから、驚くべき結果ではないのかもしれない。3失点は予想外だったが、最初の2点はこぼれ球に対して東京守備陣の足が出ないところ、仙台FWに思い切りの良いシュートを決められたもの。まあ、連携以前の問題で限界だったのだろう。

ということで、今シーズン残されたタイトルはあとリーグ戦のみ。東京としては優勝はもはや絶望的で、目標となるのはACL出場圏内(3位、もしくは4位)ということになる。千葉戦・神戸戦では梶山が出場停止となることもあって苦しい戦いが続くが、ぜひとも昨年と同じように最後まで目標を追うことのできるよう頑張ってほしいものである。藤山と浅利もあと3試合か。

あと、公式サイトに乗っている権田のコメントはいいな、と思った。負けずぎらいむき出しで。未来を感じさせる若者の言葉だよね。……つーか、こういう一ファンのエラそうな物言い自体、彼の目に止まったらものすごく怒られちゃいそうだけど(笑)。
 

2009年11月13日

●バーレーンの実況が日本語にしか聞こえない件

【空耳MAD】バーレーンの実況が日本語にしか聞こえない件 (YouTube)
 
 
とあるところで、ついさっき知った超傑作動画。ニコニコ動画にはけっこう前にアップされてたみたいだから、僕が知らなかっただけで全然既出なのかもしれないけど……。

元映像は、9月に行われたW杯アジア予選プレーオフのサウジアラビア×バーレーン。バーレーンでの1stレグを0-0で引き分けて迎えた、サウジホームの2ndレグ。1-1で後半ロスタイムに入り、アウェイゴールでバーレーン勝ち抜けかと思ったところでサウジが起死回生のゴールを決め、劇的なサヨナラ勝ち……と誰もが思ったのだがまだ時間が残っており、なんと終了間際ギリギリにバーレーンが2点目を決めて「再逆転」!というとんでもない試合だ。

まず、そもそもこの試合の現地動画をチェックしているのが凄い。次にこの空耳具合に気づいたのが凄い。そして日本語を数分間に渡ってしつこく当てはめた(チョイスがまたいいんだ)のも凄い。さらに丁寧な字幕の付けぶりも凄いっつーか何つーか……いやー、面白い。いくら超劇的な展開だったとはいえ、実況アナの興奮具合の突き抜けぶりも笑えるし、あまりの感極まりぶりには感動すら覚えてしまう。どこかの民放のざーとらしい絶叫とはわけが違うよな。

続きを読む "バーレーンの実況が日本語にしか聞こえない件"

2009年11月12日

●国見パワー炸裂 ('09-'10天皇杯3回戦 テレビ観戦)

昨日の夜は、NHK-BSで天皇杯3回戦@長崎県立総合運動公園。FC東京 3-2 ザスパ草津。ナビスコ杯決勝のために日程変更となっていた一戦は、リーグ戦優勝が絶望的になったチームにとっては「2冠」への夢をつなぐ大切なゲームであり、国見高校出身の平山・中村北斗にとっては「凱旋試合」であった。草津の積極果敢なサッカーと強風に苦しめられる展開となったが、国見コンビのゴールなどで得点を重ねた東京が接戦をものにし、4回戦進出。
 
 
強風が吹きつける中でキックオフ。立ち上がりからペースを握ったのは草津だった。前目からの積極的なチェイスと、小気味よくつなぎながら前がかる攻撃。やや雑なプレーはあるものの、気後れは見られない。13分、ボックス右手前のFK、MF熊林のシュートがポストを叩く。一方、リーグ戦に比べて半分ほどメンバーを変えてきた東京は守備はそれなりに安定しているものの、攻撃ではフォローや動き直しの鈍さが目立ち、風上ながらなかなか前に進めない。

草津の攻撃の中心はやはり都倉賢。高さと攻撃性に柔らかさも加えたFWはこの日も存在感を発揮し、ゴール前では佐原と互角に渡り合う。29分には松下のクロスに対して佐原を振り切ってヘッダー、ポストのわずか左を抜けた。東京の側では攻撃陣の連携が悪い中で田邉が悪目立ちしている感じで、中途半端なドリブルをしてはボールを失っていた。23分、偶然はねたボールに反応した平山がDFライン裏に飛び出すが、有薗が気迫のカバーリングで防ぐ。

続きを読む "国見パワー炸裂 ('09-'10天皇杯3回戦 テレビ観戦)"

2009年11月09日

●来年残しの宿題が、まず一つ (FC東京×浦和レッズ)


昨日の午後は、味の素スタジアムでJ1第31節。FC東京 0-1 浦和レッズ。2004年以来5年ぶり2度目のナビスコカップ制覇を成し遂げ、次の目標「ACL圏内」へ向かって突き進みたい我らが東京。今回はなんとその04年以来勝っていない苦手・レッズが相手であった。試合は、ホーム東京が組織守備の完成度などにものを言わせて優位に進めるも、一瞬の隙を突かれて先制点を許し、最後は守りを固める10人の相手を突き崩せずまたも敗戦。
 
 
序盤は東京がボールを支配し、じっくり回して機会をうかがう展開。4分、左サイドから今野がクロス、闘莉王を背負った平山が反転シュートで狙うもGK山岸がキャッチ。7分には右へ開いた平山から内側を追い越す鈴木へラストパスが通りかけるが、坪井が懸命のクリア。浦和も以前に比べるとポゼッション指向でつなごうとするのだが、まだまだな感じ。後ろで回していても結局は大きく蹴ってしまう場面が多い。10分、闘莉王が直接狙ったFKはバーのはるか上。

続きを読む "来年残しの宿題が、まず一つ (FC東京×浦和レッズ)"

2009年11月04日

●すでに「ニューヒーロー」どころじゃないっス ('09ナビスコ杯決勝)


昨日の午後は、国立競技場でナビスコカップ決勝。FC東京 2-0 川崎フロンターレ。いよいよやってきた5年ぶりのファイナル。会場は聖地霞ヶ丘、相手は宿敵フロンターレ、スタンドは大入り満員と、東京にとって目標とする「タイトル獲得」に向けて願ってもないシチュエーションとなった。試合は、川崎の攻勢を受けて東京がしのぎ続ける展開となるが、「ニューヒーロー」米本の値千金シュートと鮮やかなカウンター攻撃が決まり、東京が会心の勝利を収めた。
 
 
この日の国立上空は昨年と同様、雲ひとつない青空が広がっていた。「フロンターレのチームカラーだな」などと不吉な考えが頭をよぎったのは内緒である(笑)。試合前、大型ビジョンに両チーム作成の盛り上げビデオが流される。川崎は遊び心に溢れたホームゲームの時とは異なり、真面目一徹という感じの内容。対する東京はいきなり五輪招致失敗ネタが飛び出して大笑い。この間まで「応援してます」とか言ってたくせに早くもネタにするか、という。いいぞー。

続きを読む "すでに「ニューヒーロー」どころじゃないっス ('09ナビスコ杯決勝)"

2009年11月02日

●決戦前日に、つらつらと

日付も変わって、いよいよ明日がナビスコカップ決勝である。会場は聖地・国立競技場。相手は宿敵・川崎フロンターレ。そしてチケットは発売即日で完売。FC東京にとって、これ以上はないシチュエーションに恵まれた「決戦」と言えるだろう。
 
 
僕は、今までナビスコカップの決勝を現地で4度観ている。

初観戦は1998年、ジュビロ磐田 4-0 ジェフユナイテッド市原。フランスW杯における負傷で中山を欠く磐田が、川口・高原という若い2トップの大活躍でジェフを粉砕。敗れた市原は中盤に野々村・江尻(現監督)・マスロバルらを揃えていた。2度目は翌99年、柏レイソル 2-2(PK5-4) 鹿島アントラーズ。西野監督の下でステディな好チームを作り上げた柏がJ初タイトルを獲得。終了間際の渡辺毅の同点ゴール、PK戦でのGK吉田の活躍が印象深い。

飛んで3度目は2007年。川崎フロンターレ 0-1 ガンバ大阪。「ベストメンバー問題」や我那覇への処分など理不尽な苦境の中で初栄冠を目指す川崎が、安田理大の果敢な攻撃参加にしてやられた試合。川崎ファンはその悔しさを忘れていないはずだ。そして昨年は大分トリニータ 2-0 清水エスパルス。雲ひとつない青い空、ウェズレイのサイドチェンジ、金崎の技巧、エジミウソンの闘志、そしてニータンの笑顔と大分ファンの涙。最高のファイナルだった。

続きを読む "決戦前日に、つらつらと"

2009年11月01日

●W杯決勝を10年先取りできたのかも (ブレディスローカップ NZ×豪州)


昨日の夕方は、国立霞ヶ丘競技場でニッスイ東京2009ブレディスローカップ。ニュージーランド代表 32-19 オーストラリア代表。「ブレディスローカップ」とは80年近い歴史を誇るNZ代表と豪州代表の定期戦のことで、昨年の香港に続く2度目の「海外開催」とのこと。まさかオールブラックスとワラビーズのガチンコ勝負が日本国内で観られるとは……日本ラグビーにとっては、2019年ワールドカップ招致成功に続く快挙と言ってもいいのかもしれない。
 
 
試合の1時間ほど前、大江戸線「国立競技場前」駅に到着。駅構内は既に大量の黒衣ニュージーランダー&カンガルー軍団に占領されていた(笑)。もともとラグビーはサッカーあたりに比べてゴツイ体型の観客が明らかに多いのだが、この日はまたデカい人が多くて……つーか、こんなに多くの南半球人が日本にいるとは思えないので、わざわざ来日した人もいるのだろう。スタジアムに入場すると、さっそく売店のビール売場には大行列ができていたのはさすが。

続きを読む "W杯決勝を10年先取りできたのかも (ブレディスローカップ NZ×豪州)"