2011年08月18日

●ブルーレイの威力、『ブレードランナー』の魅力

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少し前の話だけど、Amazonでパイオニアのブルーレイプレーヤーが定価の7割引き(笑)くらいになっているのを見つけて衝動買いしてしまった。初めてのブルーレイプレーヤー。せっかくだからまずは高画質を堪能しようと『2001年宇宙の旅』『ブレードランナー ファイナルカット』のブルーレイ版も購入した。
 
 
で、さっそく観てみたのだが……ちょっとビックリしたっつーか、想像以上の凄さだった。我が家の26インチテレビ(コンポーネント接続)でもDVDより段違いに画質が良いのがよくわかる。

例えば『2001年〜』なら、「人類の夜明け」のアフリカの大平原や吸い込まれるような星空の中を進んでいくディスカバリー号。『ブレード〜』なら、タイレル社ビルの巨大壁面をはじめとして、未来のロサンゼルスをなめるように描いた空撮シーン。いずれも肉眼じゃ追い切れないんじゃないかと思うくらいに精細で、息を飲むほど美しい。

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2011年08月15日

●『地には平和を』

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先日亡くなった小松左京さんのSF実質デビュー作『地には平和を』を読み直した。文庫は全て絶版になっているようだが、同作が収録されているハルキ文庫「時の顔」の中古をアマゾンで見つけたのですかさず購入。


『地には平和を』のストーリーはこんな感じだ。舞台は1945年10月末、広島に投下された原爆が不発に終わり、8月15日のクーデターが成功して本土決戦へ突入した日本。少年兵ばかりの「黒桜隊」に所属する15歳の河野康夫は、押し寄せる米軍に追われながら天皇が立て籠もる信州目指して逃亡を続けていた。ある日康夫はついに米軍の銃火を浴び爆発で投げ出されて瀕死の状態に陥るが、そこに「Tマン」と名乗る謎の金髪男が現れて……。

粗筋からわかるように、これはパラレル・ワールドものにタイムトラベルの要素を組み合わせた正統派のSF小説だ。日本の本土決戦は未来からやってきた狂人が引き起こした「時間犯罪」だった。無謀な戦いが引き起こす膨大な悲劇を横目に見ながらタイムパトロールは懸命の捜索を続け、ついに犯人を逮捕する。そして1945年秋の「間違った歴史」が消去されるまでの僅かな間、パトロールの一員であるTマンは康夫に「本当の歴史」を見せてやるのだった。

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2011年08月14日

●ガマン比べは、東京の勝ち(FC東京×ザスパ草津)


FC東京 1−0 ザスパ草津 (J2第24節 味の素スタジアム)
 
 
東京8月唯一のホームゲームは、前回正田醤油スタジアムで敗れているザスパとの対戦。蒸し暑さの残るお盆の夕べ、味スタで生観戦した。

開始直後、森重の背後をとって快走したアレックスのシュートを塩田が弾き出す。草津はFWもフォアチェックに意欲を見せ、意外と積極的な印象だった。だが、森重・今野らが落ち着いたパス回しでプレスをいなすと、すぐに東京がボールを支配するように。5分、田邉→梶山→ゴール前の羽生へ縦につながるが、オフサイド。その直後にはセザーの強引なドリブルシュートがポスト右を抜けた。

主導権を奪われた草津は無理せず、引いて守りを固める形に。東京ファンにとっては最近見慣れた「ハーフコートゲーム」となった。14分、攻撃参加した徳永の丁寧な折り返しがボックス内の梶山に通るが、トラップ失敗で逸機。17分、ポストに入った羽生とのワンツーから田邉がミドルシュート、GK北がキャッチした。分厚い守備に気温の高さも加わっていつも以上のスローペースだが、動き自体は悪くない。草津の数少ないカウンターも森重・今野がシャットアウト。

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2011年08月12日

●絶望に次ぐ絶望、だが / 『戦場のピアニスト』

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これもHDDレコーダーの底に眠っていたもの。ロマン・ポランスキー監督『戦場のピアニスト』

ポーランドに住むピアニスト、シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)とその家族の生活はナチス・ドイツの侵攻によって一変した。彼らを含むユダヤ人はゲットー(ユダヤ人隔離居住区)で様々な迫害に晒されながら強制労働に従事させられ、さらに絶滅収容所へ移送されていく。1人難を逃れたシュピルマンはレジスタンスにかくまわれながらワルシャワ市内で逃亡生活を続けるが……。
 
 
観る前からわかっちゃいたけど、とても重たい、「腹の底に来る」作品だった。

映画の前半は、シュピルマンと家族の視点からナチスのユダヤ人迫害が描かれる。これが、いきなり最悪の状況に陥るわけでなく、徐々に段階を踏んで追い込まれる感じで、ジワーッと恐ろしいんだな。まず街を支配され、次に財産を没収され、腕章の着用を強制され、ゲットーに移動させられ、時には街で侮辱されたり暴力をふるわれながら強制労働させられ、反抗するものは射殺され……。

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2011年08月11日

●民主主義の神髄 / 『十二人の怒れる男』

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先日、HDDレコーダーを整理したついでに、何年も前にWOWOWで録ったままになっていたシドニー・ルメット監督『十二人の怒れる男』を久しぶりに(大学生の頃以来か?)観てみた。

17歳少年が父親を殺した(とされる)事件の審理が終わった直後のニューヨークの法廷。証拠の状況から全陪審員一致での死刑評決は間違いないと思われた。だが、その決定に疑問を呈する陪審員がただ1人いた。「8番」と呼ばれる彼(ヘンリー・フォンダ)は他の陪審員の反発を受けながらも、固定観念を排して証拠を再検討することを熱心に提案するのだが……。
 
 
改めて観直してみると、本当によくできた映画だな、と。

まず第一に、登場人物の造形の豊かさが凄い。集まった陪審員は体育教師やセールスマンに建築士、会社経営者、工場労働者など職業や境遇がバラバラの12人(時代的に女性や黒人は入っていないが)。性格も頑迷だったり弱気だったり理知的だったり様々で、個性豊かな12人が時には罵り合い、時には意気に感じ、時には流されたりする様は実に見応えがある。12人という数も良かった。それより多いと個性の判別が難しくなり、少なすぎれば単調になったかもしれない。

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2011年08月09日

●とにかく大きく羽ばたいてほしい! — 大竹選手の移籍について

大竹洋平選手 セレッソ大阪へ期限付き移籍決定のお知らせ (FC東京公式)
 
 
うーん、実に残念だ。大竹はピカイチの攻撃センスを感じさせてくれる僕好みの選手で、今の東京では森重・田邉と並ぶ大のお気に入りだった。しかもユース上がりだったし、彼の才能が青赤のユニフォームの下で満開に花開く姿を見られなかったのは、本当に残念なことだ。
 
 
大竹が最初にその才能の片鱗を見せたのは、2008年春の多摩川クラシコだった。途中出場した大竹はDFに囲まれながら川島の頭上を抜く超絶ループシュートで決勝点を挙げ、さらに流れるパスワークの中で今野に見事なスルーパスを通して駄目押し点をアシスト。新人の目を見張る大活躍に味スタは「スタア誕生」の雰囲気に包まれた。城福東京1年目の勢いを象徴する選手でもあった。
 
その後も、大竹の歩みは順調に見えた。スーパーサブとして「大竹スイッチ」と呼ばれる攻撃を加速させる役割を果たし、札幌戦鹿島戦では勝利に貢献する貴重な得点を挙げた。特にセットプレーの精度は素晴らしく、奪ったCKは全てチャンスとなった。大宮戦では直接FKでやはり決勝ゴールを奪って見せた。城福東京のムービングフットボールとともに、彼の未来は明るいように思えた。

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