2009年08月30日

●ニータンには頑張ってほしい (FC東京×大分トリニータ)


昨日の晩は、味の素スタジアムでJ1第24節を観戦。FC東京 2-0 大分トリニータ。7月下旬以降リーグ5戦勝ちなしの不調で、中位(定位置とも言う)に埋没しつつある我らが東京、今回は最下位に低迷する大分をホームに迎えた。勝ちきれないチーム同士の対戦だけに前半は膠着した展開となったが、後半途中から大分のスタミナ切れに乗じて攻勢に出た東京が若手選手の活躍で2点を奪取。実に40数日ぶりの勝利を収めたのであった。
 
 
キックオフ。今回はポポヴィッチ体制になってからは初の対戦となったが、大分の変化は一目瞭然だった。布陣こそ3-5-2で変わらないものの、守備ボール保持にこだわらないシャムスカ時代とは異なり、とにかくボールを大事によくつなぐ印象である。東京も現在はパスサッカー指向が強いだけに、大ざっぱに言えば「似たもの同士」の対戦にも見えた。2分、左サイドを駆け上がる藤田が中へ折り返し、フェルナンジーニョの反転シュートがポスト右を抜ける。

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2009年08月24日

●とおい、とお~い、鹿島~ (鹿島アントラーズ×FC東京)


昨日の晩は、カシマサッカースタジアムでJ1第23節。鹿島アントラーズ 3-1 FC東京。8月に入って1分2敗、ここ5試合での得点がわずかに「2」とスランプに突入した東京。その苦しい状況の中で今回はJ王者・アントラーズとの対戦を迎えることになってしまった。試合は早い時間帯に2点を先制した鹿島が試合をコントロール、後半の東京の反撃を1点に抑え、さらに駄目押しの3点目を加えて堂々と逃げ切った。東京は8月に入って未だ勝ちなし。
 
 
ここ2年と同様、京王観光の応援ツアーで現地へ。専用列車は(少々ボロいのが難点だが)やはり楽で良い。今回から生ビールの車内販売も始まったので、次回は是非利用したい。到着は開始2時間ほど前。いつも通り国道沿いの屋台村で焼鳥とビールをいただいて、さらに入場してから牛串と厚焼きベーコンとビール。このベーコンが実に美味。ボランティアの方々の対応の良さも含め、このスタジアムのホスピタリティの良さは何かの陰謀かと思うくらいだ(笑)。

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2009年08月20日

●なくしてわかる、勝利の貴重さよ (モンテディオ山形×FC東京 テレビ観戦)

昨日の晩は、スカパー!e2の中継でJ1第22節。モンテディオ山形 1-0 FC東京。8連勝した初夏の勢いはどこへやら、公式戦ここ4試合勝ちなしとやや息切れ気味の東京。今節は主力3人が復帰したものの、中2日でのアウェイという厳しい条件での戦いとなった。ポゼッションで優位に立つ東京が前半から優位に試合を進めるも、なかなか得点が奪えず、逆に後半残りわずかとなったところで山形に先制されてヒジョーに悔しい(理由は後述)敗戦。
 
 
キックオフ直後、山形はまだ落ち着かない東京DFの脇を突いてSB小林が攻撃参加からクロス、ゴール前で長谷川がボレーで叩くも権田が弾き出す。その後は東京がボールを支配。復帰した梶山・ブルーノを中心に丁寧にパスを回して前進していく。3分、右サイドから平山が折り返し、羽生のシュートをGK清水が防ぐ。4分、今度は左サイドから平山がえぐって決定的なクロスを入れた場面は、詰めたカボレがなぜか押し込めず。これは決めたかった。

この日は平山がバイタルエリアのスペースに入り込んでボールを持つ場面が多く、彼を中心に東京はいい形を作る。ただ、アタッキングサードに運んでからの詰めがイマイチなのは相変わらずで、2度あった平山のシュートは当たりが弱く清水がキャッチ。22分に鈴木のクロスを平山が折り返した場面も、羽生のシュートは清水の正面。逆に33分、右CKの場面で平山が権田の視界を塞いでしまい、石川のインスイングのクロスを危うく弾き出してヒヤリ。

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2009年08月18日

●『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』


やっとこさ観たぞ、新宿ミラノ座で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を。言わずと知れた庵野秀明総監督の大人気シリーズ「再映画化」第2弾。事前の情報管制や公開後の好調な動員が話題になっていた作品だが、実際に観てみると「おおおおお!これは……うーむ……」と唸らされる映画に仕上がっていた。大げさでなく、見終わった後はしばし絶句。
 
 
美麗な映像と迫力の音響、計算し尽くされたエヴァと使徒の動き。巧みに構成されたアクション・シーンについては「序」以上に鬼気迫るものがあり、「アニメーション」という概念の枠内でこれを超えるのは不可能ではないかと思うくらい。架空の、しかしリアルに作り込まれた都市の中をエヴァが縦横無尽に走り、跳び、叫び、引きちぎる。特に空中投下された弐号機が空気抵抗を受けて浮かび上がるシーンと、使徒の落下点に向けて疾走する初号機には驚いたヨ。

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2009年08月17日

●「充実の秋」を迎えるために (FC東京×横浜Fマリノス)


昨晩は、味の素スタジアムでJ1第21節。FC東京 0-0 横浜Fマリノス。「JOMOカップ」なる意味不明瞭な大会による中断が明け、2週間ぶりのリーグ戦。多摩川クラシコで悔しい逆転負けを喫した東京としては心機一転好スタートを切りたいところだったが、そんな折りの欠場者続出……試合は良く言えば均衡した、悪く言えば見せ場の少ない膠着した展開となり、ついに最後まで両チームともゴールを割ることができずスコアレスドローに終わった。
 
 
この日の東京は石川が負傷で、梶山が累積警告で、長友が虫垂炎で、ブルーノが一時帰国による調整不足で欠場というピンチ状態。田邉・金沢・椋原・茂庭が穴を埋めるべく先発した。横浜の方はお馴染みの「純国産」布陣。2週間空いて休養がとれた効果なのか、立ち上がりから8月の試合にしては動きが軽快に見える。1分、右サイドを田邉と徳永が持ち上がり、カボレのシュートをGK飯倉がキャッチ。2分には山瀬のミドルシュートがDFに当たって枠外へ。

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2009年08月14日

●『意志の勝利』、そして75年後


先日、渋谷のシアターNでレネ・リーフェンシュタール監督『意志の勝利』を観た。ヒトラーの命令で作られた、1934年ニュルンベルクでのナチス党第6回全国大会の模様を記録した作品。あまりの出来の良さが仇となって忌まわしきプロパガンダ映画として歴史に名を残し、監督は映画界から追放、作品もほぼ封印状態にあるという「呪われた映画」である。おそらく本格的な公開は本邦初ということで、「この上映を逃してはならない」と足を運んでみた。
 
 
まず度肝を抜かれたのは、冒頭の美麗な空撮画面である。75年前にはさぞ神々しい景色に見えたに違いない。飛行機は雄大に広がる雲をなめて飛び、古都ニュルンベルクの美しい街並みを存分に映してから飛行場に着陸。片手を伸ばして「ハイル!」と叫ぶ群衆の最中、タラップから降り立ったのはもちろんアドルフ・ヒトラー!この劇的なオープニングからして凡庸な映画ではあり得なかろう。ヒトラーは大歓声の中、自信満々の表情で会場へ進んでいく。

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2009年08月11日

●『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』


金曜日、貨幣博物館に寄る前、竹橋の国立近代美術館で「ゴーギャン展」を観た。後期印象派から出発しながら西洋文明に背を向けて新たな表現を目指し、南国タヒチを本拠地にプリミティヴィズム(原始主義)の先駆けとなった画家、ポール・ゴーギャンの個展。目玉は日本初公開となるボストン美術館所蔵の代表作『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』である。実は、僕もこの作品の謎めいたタイトルに引き寄せられたのだ。
 
 
今回の展覧会はさすが国立近美、幅広いゴーギャン作品が集められており、展示は年代順。最初の1枚は思いっきり印象派というか、造詣の浅い僕なんぞが見ると「モネと同じじゃん」という感じの作品であった。その後徐々に「いかにもゴーギャン」風の、どぎつい色彩で平坦に塗られた画に変容していく過程はなかなかに楽しい。『純血の喪失』なんて既にヨーロッパの絵とは思えないような雰囲気だし、タヒチに行く前からこんなだったんだねえ、みたいな。

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2009年08月09日

●うまねんの社会科見学(「貨幣博物館」編)


先週の金曜は休みだったので、電車を乗り継いで都内をブラブラと。品川の食肉市場場内「一休食堂」で激ウマの煮込み定食を食べ、京橋の警察博物館を見学し、竹橋の国立近代美術館でゴーギャン展を観て、日本橋の貨幣博物館を見学し、上野の東京都美術館で「トリノ・エジプト展」を観て、アメ横脇の立ち飲み屋「カドクラ」でホッピーを飲んだ。なんか、社会科見学の小学生と美大生とアル中オヤジがちゃんぽんになったようなラインナップではあるな……。
 
 
どこもなかなか楽しかったが、特に(というか意外と)面白かったのは貨幣博物館だ。

この博物館、日本銀行が創立100周年(1982年)を記念して作ったもので、同銀行本店の隣にある「金融研究所」の2階に設置されている。収蔵・展示されている資料はもちろん日銀が自ら収集したものがメインだが、田中啓文さんという戦前の大貨幣コレクターが戦禍を避けるため、太平洋戦争末期に寄贈してくれた資料もかなりのボリュームを占めているという。1人の「もの好き」の情熱が後世に貴重な資産を残したというのは、ちょっといい話である。

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2009年08月02日

●しかし最大のライバルがこんだけ強いってのは幸せなことなんだろうな (川崎フロンターレ×FC東京)


昨日の夕方は、等々力陸上競技場でJ1第20節。川崎フロンターレ 2-1 FC東京。16回目を迎えた「多摩川クラシコ」は、わずか勝点差1の4位と5位が激突する重要な対戦となった。5月の同カードで敗れている(そしてその後リーグでは負けていない)東京としては雪辱を果たしたいところだったが……試合はスリリングな攻め合いとなり、東京が得点王・石川のゴールで先制するも、後半シフトチェンジして攻勢に出た川崎が終了間際に劇的な逆転勝利。
 
 
この日の試合前は実に良い雰囲気だった。スタンドは満員の観衆で埋まり、川崎港振興協会「JOWSランド」イルカ喰われてるじゃん(笑))と前座の「多摩川子ラシコ」が特別ムードを醸し出す。歓迎アナウンスが「(翌日、東京U18が出場する)クラブユース選手権、がんばってください!」と言ってくれたのもうれしかった。川崎の運営は本当に気が利いてるよね。23日の山形戦に来場した方はバナナが1本、じゃなくて1房(!)もらえるそうな。

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