2015年11月23日

●またしても(FC東京×サガン鳥栖)

FC東京 0−0 サガン鳥栖 (J1第34節 味の素スタジアム)

前節の柏戦勝利により再び3位に浮上した我らが東京、いよいよレギュラーシーズン最終戦である。勝てば文句無しでチャンピオンシップとACLの出場権を獲得、引き分けor負けならガンバの結果次第。これまでタナボタ得意を標榜してきたチームにとっては正念場の一戦だったのだが……。


試合前。なんか変な芸人みたいなのが出てきたな、と思ったら、東京のレジェンド(笑)ことアマラオ氏であった。いやーアマも老けたなー。髪の毛真っ白やん(って、現役の頃からずっと「おじいちゃん」あるいは「ジジイ」呼ばわりしているわけだが)。「アイシテル〜」のヘンテコなイントネーションは相変わらずだったけれども。


キックオフ。立ち上がりは鳥栖がロングボールとサイド攻撃で攻勢に出たものの、東京は森重を中心に落ち着いてはね返し、次第にボールを支配していく。9分、ボックス左でパスを受けた東がドリブルでDFをぶち抜いて切れ込み、折り返しを橋本がシュートするがバーの上。23分、速いリスタートから右へ展開し、徳永のクロスを逆サイドで収めた河野がシュートするもDFがブロックしてゴールならず。

速いパスワークで先制点を狙う東京に対し、鳥栖は後ろに厚い陣形でタイトに守り続け、なかなか崩れる隙を見せない。30分、縦パス一発で水沼がCBの間を抜けるピンチとなったが、フォローした早坂のシュートはわずかにバーを越えてくれた。終了間際には東京が逆襲速攻の形を作り、橋本のラストパスから米本がシュートするも、またもDFがブロック。じれったいムードのままハーフタイムへ。

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2015年11月05日

●ジャパンの「3勝1敗」が残したもの

ラグビーワールドカップ2015が閉幕して間もなく1週間。日本代表の最終戦(対アメリカ)からも3週間がたち、南アフリカ戦勝利に始まった「ジャパンブーム」もさすがに落ち着きを見せ……たかと思いきや、ハロウィンの日には五郎丸のコスプレをした若者たちが渋谷の街を闊歩したりするのだから油断がならない(笑)。今回は、ジャパンの戦いがもたらしたものを振り返ってみよう。


今回のW杯で日本代表が残した成績は疑いなく素晴らしいものだ。なにしろ、それまでの7大会でわずか1勝、24年間無勝利だったのが1大会だけで3勝。グループリーグ終了時にメディアで何度も繰り返されたように、3勝を挙げて決勝トーナメントに進出できないチームは史上初めてだった。前回大会で準優勝したフランスなんて、グループ戦ではNZとトンガに敗れて2敗でギリギリ突破したチームだったのに。

しかもうち1つは、南アフリカ相手の金星であった。南アといえばNZに次ぐ南半球の巨人であり、世界の楕円球界を見渡しても確実に五指に入る「格」のチーム。日本が南アに勝つなどと予想した人間はこの世に何人もいなかったに違いない。ヘスケスの決勝トライが決まるまでは南アの選手たちだって(「PGを狙え!」と叫んだジョーンズHCだって)そんな事が現実になるなど信じられなかったはずだ。

そんな日本の「3勝1敗」は、とてつもなく大きなインパクトをもたらした。

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2015年11月03日

●釜石シーウェイブスが熱い! (日野自動車×釜石シーウェイブス)



日野自動車 11−16 釜石シーウェイブスRFC (ラグビートップイーストリーグ)

W杯の決勝戦と同じ土曜日の昼間、秩父宮ラグビー場でトップイーストリーグ1部の試合を観戦してきた。


トップイーストは要するに2部リーグ。それをわざわざ観に行ったのは、ジャパンの活躍ですっかりラグビー熱が高じてトップリーグ開幕が待ちきれなかったのと、豪州代表のスコット・ファーディー(元シーウェイブス)が東日本大震災の際に釜石に残留してボランティアで活躍してくれた、という新聞記事が心に引っかかっていたから。あと、元日本代表の伊藤剛臣さんが釜石に所属しているというのも大きな理由であった。

試合前にシーウェイブスのテントに行ってみると、マスコットの「なかぴー」と「なかりん」がお出迎え。なんで虎やねん、とか色々とツッコミどころはありそうだが、お付きのお兄さん(顔全体に虎のペイント)ともどもなかなか愛想の良い2匹であった。応援グッズは当然のごとく大漁旗。釜石といえばそりゃあ大漁旗だよ、キミぃ。昔は毎年成人の日に国立競技場のスタンドででっかい大漁旗が振られてな……。

あと、入場門の前でキョロキョロしながら歩いていたら、やたらデカくて姿勢のいい背広の男性にぶつかりそうになって、慌てて避けながら顔を見たら桜庭吉彦ディビジョンマネージャーであった。さすが元日本代表ロック(W杯出場3回!)、カッチョいいのう。というか、そんな凄い人がそこらに普通にいるのがラグビー。

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2015年11月01日

●最強オールブラックス連覇(ニュージーランド代表×オーストラリア代表)


ニュージーランド代表 34−17 オーストラリア代表 (ラグビーワールドカップ2015 決勝)

1ヶ月半に渡って熱戦が繰り広げられてきたラグビーW杯もいよいよ大詰め、決勝戦である。史上2回目の南半球同士の対決、世界ランク1位と2位とのまさに頂上決戦は、王者NZオールブラックスが無類の完成度と強さを見せ、宿敵ワラビーズに快勝。3度目の優勝、そして史上初の連覇を達成した。


試合は、序盤から引き締まった攻防が延々と続く展開となった。攻勢に出たのはNZ。持ち前の正確無比なパス展開と個々人の強靭さが一体となったアタックが次々と襲い掛かる。しかしワラビーズもじりじり後退しつつも粘り腰のタックルで破綻はせず、一方豪州の攻撃に対してはオールブラックスの水も漏らさぬDFラインがほとんど前進を許さない。なかなか得点の入らない時間帯が続いた。

そんな展開でものを言うのはキックの正確さ。NZのSOダン・カーターは完璧な出来を披露し、8分、27分、36分とPGを刻んでいく。豪州はSOフォーリーが1本決めて9-3。そして39分、NZは一段ギアを上げたかのように速く細かいパスをたて続けに通して豪州のDFを翻弄し、最後はSHスミス→FLマコウ→WTBミルナースカッダーと電光石火のパスをつないでトライ。16-3とリードを広げて前半終了となった。

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