●28年目のラグビーワールドカップ (後編)
(中編からつづく)
第6回(2007年)はフランス大会。南アフリカが豪州に続く2度目の優勝を飾り、日本は豪州、フィジー、ウェールズ、カナダを相手に1分け3敗の成績だった。
日本代表は2004年以降の迷走からチームを立て直し、ヘッドコーチにNZの英雄ジョン・カーワンを迎えて臨んだ。4試合の過密日程を乗り切るためにターンオーバー制を採用してフィジー戦・カナダ戦に注力したジャパンだったが、フィジーには4点差の惜敗。カナダには後半ロスタイムのCTB平のトライとSO大西の劇的なコンバージョン成功で引き分けに持ち込んだものの、「あと一歩」の印象が残る大会だった。
この時はチーム全体としてはかなり地力が上がっていて、「2勝は行けるのでは」という雰囲気はあったように思う。特にフィジー戦は惜しかった。後半、小野澤が投入されてDFを切り裂くランを見せた時、テレビ解説の清宮克幸さんが「ああ、これで小野澤が勝負を決めるんですね」みたいなことをつぶやいたのを覚えている。結果的には届かなかったのだが……有賀やニコラスもいていいチームだったんだがなあ。
優勝した南アは、何というか、非常にバランスの良いチームだった。FWのフィジカルに頼りすぎず、NO8モンゴメリーのプレースキックとWTBハバナの快足で仕留めるスタイルは完成度が高かった。あと、HCジェイク・ホワイトの襟の高いヘンテコな洋服ね(笑)。準優勝のイングランドもピークは過ぎたチームだったけれど、ウィルキンソンのPGで僅差を制するしぶとさに唸らされた。ウィルコはやっぱり凄いよ。