2015年10月15日

●セルフパロディ的、でも面白い(『孤独のグルメ2』)

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久住昌之原作・谷口ジロー作画『孤独のグルメ2』(扶桑社)を読了。ご存知、井之頭五郎が日本各地のA級〜C級グルメを食べ歩く……と書くとちょっとニュアンスが違うな(笑)。ダンディなのに中年くさい七三分け背広姿の主人公が、とにかく何処へ行っても腹が減ってしまって何かを食べまくる人気漫画の第2巻。


最初の連載が始まってから20年以上経っている本作だが、谷口さん作画の緻密さも久住さんの独特の語りも変わらず健在。テレビドラマ化もされてすっかり有名になった作品だけに完全に「型」が確立されていて、今回も静岡のおでん屋からパリの多国籍食堂まで色々な題材が取り上げられているにも関わらず、五郎さんが食べる限り全て同じ話のように見えてしまうのは強みというべきかマンネリというべきか。

つーか、ところどころやり過ぎ狙いすぎで、ほとんどセルフリメイクというかある種のパロディにさえ見えてしまうのであった。妙な駄洒落連発とか「俺は腹が減ってるだけなんだ」とかアームロック(笑)とか。まあ、僕を含めてファンが求めているのはそういった部分には違いないし、読んでみるとやっぱり面白いから全然いいんだけど。とにかく美味そうだし。

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