●土肥さん、お疲れ様っす
土肥洋一選手引退ならびに育成GKコーチ就任のお知らせ(東京ヴェルディ公式)
もう何年も前にFC東京を離れた選手ではあるけれど、やっぱりクるものがあるな、土肥ちゃんの引退ともなれば。
土肥が東京に移籍してきたのは2000年のシーズン。昇格したばかりの、まだまだ小さなクラブだった東京はJ1定着を目指し、浅野や神野、内藤、喜名といった「J1上位チームではレギュラーに足りない」選手を何人か補強した。柏レイソルで前年3試合出場にとどまっていた土肥もその方針の中で、JFL時代の東京の「不動の守護神」堀池の大怪我もあって加入した選手だった。
当時の土肥は守備範囲が決して広くなく、ミスも多くて、キックは制御不能。常にハラハラしながら見なければならない選手だった。ハイボール処理は「猫パンチ」などと揶揄されたものである。しかし、不安定さの一方でシュートに対する反応の鋭さはピカイチだった。ゴールマウスに飛ぶボールをビシバシはね返すその姿は東京ファンの興奮を呼び、マリノスを、グランパスを、ジュビロを破っていくうち、僕たちの彼に対する信頼はどんどん増していったのだった。