10月31日(木)

 ビデオで、デレク・ジャーマン監督『ラスト・オブ・イングランド』。ストーリーはほとんどなく、「終末」と「退廃」のイメージのみでひたすら勝負した映像作品。核戦争の示唆とか特殊部隊とか廃墟とか処刑場面とか黒煙の中踊る女性とかなかなかいい感じで楽しめるのだが、男の裸がやたら出てくるのだけはちょっと勘弁してほしかった(笑)。

 

 夜、録画でスペインリーグ。レアル・ソシエダ 2−1 ラシン。前節マドリーを破って好調のラシンに対し、ソシエダが逆転勝ちで首位浮上。チャンスは両チームとも非常に多く勝敗はどちらに転んでもおかしくはなかったが、最後はソシエダのアタッカーの多様さが効いた感じ。重戦車のようなコバチェビッチ、素軽いカルピン、テクニックのあるデ・ペドロ、スピードのあるニハト。そして、それを組織的にまとめ上げるコーチング。ベティスやマドリーがちょっと調子を落とした隙にこんなチームが飛び出してくるのだから、リーガ・エスパニョーラは目が離せない。


10月30日(水)

 ビデオで、ヴィム・ヴェンダース監督『ベルリン 天使の詩』。天使(霊?)2人がベルリンの人々の過去と現在を観察する冒頭、そのうち片割れがサーカスの踊り子に恋をして人間になり、ついに彼女と結ばれるまでの顛末を描く。もちろん主人公が天使であるからこういうタイトルになっているわけだが、監督の視線もまた天使のような優しさをたたえているのが印象的。前半はやや退屈、そして後半の恋物語はいささか都合が良すぎるような気もするのだが、しかし「コロンボ」の馬鹿馬鹿しい(←ほめ言葉)エピソードが物語を救っており、見終わった時笑みをたたえてしまうような映画だった。

 

 巨人の圧勝に終わった日本シリーズについて一言。巨人の呆れるほどの強さが目立つ一方で、レギュラーシーズンでは盤石だった西武の戦い方に「ぶれ」と「粗さ」が見られる4試合でもあった。特に、1戦目と4戦目でいずれも裏目に出た松坂起用については多くの批判が予想されるところだ。ただ、僕はあの采配については、決して間違いだとは思っていない。おそらく伊原監督は彼我の戦力差について誰よりも熟知しており、その上であのような博打を打ったのではないだろうか。「普通に」戦えば「普通に」実力差が出て叩き伏せられる可能性が大きいだろう。となれば、明らかに強大な敵を相手にする以上は、「普通でない」戦い方をして勝負しなければならない。昨年のワールドシリーズ第7戦のランディ・ジョンソン連投を思い出してもらいたい。Max以上の力を出そうと策を打ち、それが当たれば劇的な勝利が、外れれば惨めな敗北が待っている。勝負事とはそういうものだ。


10月29日(火)

 夕方、JスカイスポーツでJ2。アルビレックス新潟 1−1 サガン鳥栖。後半半ばくらいから、数的優位にあるはずの新潟がひたすら楔のボールを入れて、当然鳥栖DFはそれを読んでいるから後ろから足を入れてあっさりはね返して、という場面が何度となく続いた。「サイドだ!サイドから崩せ!!」とテレビの前でいくら叫んでも届かない(笑)。やはり「勝点3とらねば」という焦りが悪い方に出てしまったのだろう。もうこの時期になると、「普通に戦う」ということこそが最も実行困難な課題になってくるのだ。

 これで大分はだいたい昇格決まり。3度目の正直おめでとう(棒読み)。で、あと1チームはセレッソか新潟か……がんばれ、新潟

 

 夜中、テレビ朝日でU20アジア選手権準決勝。日本 1−1(PK4−2) ウズベキスタン。前半から飛ばしまくった日本が後半途中でばて、さらにウズベクの悪質ファウル(とそれを罰しない主審)にも苦しんで緊迫感たっぷりの勝負に。延長戦ではもうクリアボールがハーフェーラインを越えないほどのフラフラ状態ながらなんとかしのぎ、若い衆には酷なPK戦。試合中は相手GKに比べて技量で劣るようにも見えた川島が、後のない一対一の状況ではものすごい集中力を発揮、4本のシュートを全て読み切って2本止める。日本は5人目、延長でパスミスを連発していた永田が落ち着いてGKの逆をとり、決勝進出決定。何だかんだいってスゴイわ、こいつら。

 今日の大熊監督はいつにも増してどなりっぱなし。「レフェリー!!」と叫ぶ声、何回マイクに入ったことやら(笑)。個人的には、苦しい時間帯に「○○(前線の選手の名前)、がんばれ!がんばれ!!」と連呼するシーンが燃える。

 ちなみに、解説はセルジオ越後。このオッサンもなかなかトンチンカンなことをしゃべったりするのだが、先日の川添と比べてみると、さすがに冷静で素晴らしい解説に聞こえてしまう。相対評価とは恐ろしいものだ(笑)。


10月28日(月)

 夜、西新宿のうどん屋「三国一」でメシ。鴨ねぎそばを食べたのだが、やはりビールとそばは相性が悪いような。

 

 ビデオで、村川透監督『最も危険な遊戯』。優作アニキの、埠頭でマグナム構える立ち姿の格好良さと、早朝の渋谷をドタバタと駆ける姿の格好悪さ。この映画の魅力はその2点に尽きる。物語はややありきたりではあるが、シリーズのヒーローもの第1作なんてのはそれで充分だろう。女性がキーキー騒ぎすぎなのが玉にキズかな。


10月27日(日)

 早起きしてトヨタカップのチケット取りに挑むも、全く電話がつながらずに惨敗。そして固定電話・iモード・ネットを駆使して挑戦したつれも大敗。うーん、ドリームチーム恐るべし。

 気を取り直して、秋の天皇賞(G1)。今年は中山開催なのを直前に思い出し、慌てて予想をやり直す。本命はシンボリクリスエス−エアシャカールだ!………うーむ、岡部が中山のコース特性を読み切った絶妙の騎乗を見せたところまでは予想通りだったのだが、外から強襲してくるはずのエアが全然飛んでこなかった。武豊は何で内の狭いところへ入れたんだろう。元々ストライドの大きい馬だし、外外で回した方が勝機があったんではないかと。快進撃が止まった瞬間ガタッとリズム悪くなるのが、この男のくせなのだろうか。

 スカパーの録画でプレミアリーグ。リバプール 2−1 トテナム。先制して追いつかれる苦しい展開、ペナルティエリア脇から猛スピードで直角に切り込んだオーウェンのドリブルがPKを呼び込んで決勝点。FWとは、「ゴール目がけて勝負する人」のことだ!

 夕方、NHK−BSをつけたらちょうど鹿島×札幌の延長戦が始まったところだった。小倉の孤軍奮闘むなしく、最後は札幌の守備が乱れてVゴール。コンサドーレ、2度目の降格決定。がっくりと肩を落としうつむく札幌イレブンの中、小倉だけはしっかり顔を上げて前を見据えていた。清原が依然として清原であるように、小倉もやはりまだあの小倉である、ということなのだろう。あの男、東京にほしい。

 

 DVDで、ヴィム・ヴェンダース監督『パリ、テキサス』。なんてやさしい肌触りのロードムービーなんだろう。確かに長いと言えば長いのだが、旅の中、あるいは旅に出る前「少しずつ、少しずつ」のエピソードの積み重ねが「どこかへたどり着く予感」をもたらし、次第に長さそれ自体が不快とは感じられなくなってくる。いわば旅の趣とはそんなものであって、ダラダラまったりした時間に浸って見るのがこういう映画の正しい鑑賞法なんだろう。長距離線旅客機の機内で流したりすると、ピッタリはまりそうだ(逆に、入れ込んで見ようとすると辛くなるかも)。

 

 夜、スカパーで俊輔応援。レッジーナ 2−1 トリノ。レッジーナ大奮闘、逆転で初勝利。特に俊輔の働きはめざましく、前半は正確なCK・FKでトリノゴールを脅かし続け、後半味方が逆転するや今度は敵陣を駆け回って相手のパスの出所にプレッシャーをかけ、様々な面でチームに貢献。労をいとわぬ奮闘ぶりがある意味俊輔らしくなく、ちょっと驚かされた。ま、試合終了後に速やかにロッカールームに引き上げてしまい、あわててスタンド前に連れ戻されるズレぶりは俊輔らしかったが(笑)。


10月26日(土)

 昼間、NHK総合で横浜×磐田を前半だけ。高原の、もはや疑いようもなく日本一の決定力が炸裂し、ジュビロがあっさり2得点。今年のJリーグMVPは間違いなく彼のものだろう。今さら言うまでもないが、ついに現れた本格派和製ストライカー。
 ハーフタイムで家を出る時間になったのでウィルの衝撃的「奥蹴り」(笑)シーンは見られなかったのだが、まあ間違いなくクビですわな。既に期待された分くらいは働いたような気もするし。

 

 で、夕方一時雨が上がった時間帯に京王線に乗り、東京スタジアムへ。FC東京 2−0 ベガルタ仙台完勝。終始ペースを握り続け、仙台GKノリオの不出来とマルコスのおバカな退場もあって、今シーズンで一番安心して観ることができた。嬉しかったのは、後半に右由紀彦−左石川のフォーメーションが見られたこと。惜しいところで点にはならなかったもののチャンスはそれなりに作り、先々この形が定着するようであれば大いに夢が見られそうな気がする。

 観戦記は、こちら

 

 夜、赤坂の「魚民」でささやかな飲み会。この店は以前店員があまりに少なく、注文取りに来ねえわビールは出て来ねえわつまみなんて全然出て来ねえわそのくせ人数多いと「コースでお願いします」とかぬかしやがるわというひどさで、「年に1回魚民の駄目さ加減を確認しに行く」飲み会(笑)を開催していたほどだが、この日は非常にテキパキした対応だった。元々の期待水準が低かっただけに、よけい感動したような(笑)。店のおねいちゃんきれいだったし(笑)。
 キンキンに冷えたビールをおいしくいただきながら、飲み仲間の交通事故の話を聞く。ノンブレーキのトラックに後ろから突っ込まれてしかも前にもトラックがいて車全損で人に大した怪我なしって、あなた幸運すぎでんがな。つーか、1年分くらいの運は余裕で使っただろうから、少なくとも今年中は極力おとなしくしているのが良いかと(笑)。

 日本シリーズ、清原は年取っても怪我しても太っても嫁さんもらって子供こさえても、やはり「あの」清原なのであった。


10月25日(金)

 僕のことを、意味もなく「腰ふり陽二」とか呼ぶのはやめていただきたい(笑)。

 夜、アジアユース選手権準々決勝を後半から観る。日本 3−0 UAE。試合は、ヤングジャパン(笑)君たちが危なげなく勝ってワールドユース出場権を獲得。いやあよかったよかった…………っつーか、うるせえよ、川添!テレビ朝日の放送はまたしても偏差値ゼロの大バカ中継で、UAEのラフプレーの200倍は気にさわったぞ。現地で見ているにも関わらずピッチ全体で何が起こっているか全く伝えられないアナウンサーも駄目だったが、もっと酷いのは「解説」の川添。「いい球だ!」「ナイスキーパー!」「菊池、グー!!」って、お前はスタンドで観戦しているただの親父ファンか?いちいち日本選手のプレーを絶賛する(そしてたいていはその直後にミスする)ところとか、「この最低ぶりは松木に似ているなあ」と思いながら見ていたら、試合後のスタジオ(「日本サッカー応援宣言!!」とかいうロゴが死ぬほど気恥ずかしい)の「解説」は松木なのであった。おバカ解説ツートップ状態


10月24日(木)

 ビデオで、北野武監督『BROTHER』。アメリカを舞台としたせいか、「指つめ」「腹切り」といったヤクザ世界の様式をやたら強調したりテンポの悪い黒人スラングが飛び出したりと、いささか力みすぎが目立つ感じ。しかしそれでも北野映画の良さは随所に出ていて、暴力の凄惨さも人間関係の濃密さも風景の美しさも心うたれる情景(ビルの窓から舞い落ちる紙飛行機!)も、いつもと同じで素晴らしい。見る前はてっきりたけしと真木蔵人の兄弟を中心とする物語なのかと思っていたのだが、2人の関係がクローズアップされるのは導入部だけで、むしろ他人同士の「アニキ=舎弟」関係が絡み合いながら人が死んで死んで死にまくり、涙もののラストへと至るお話であった。たった1人でも生き残りさえすれば、仲間たちの生き様は受け継がれ、そして人生は続いていくのである。


10月23日(水)

 平日としてはひっさしぶりに早く帰って、爆睡。この世の中で昼寝ほど気持ちの良いものはない。

 

 夜、スカパーでJリーグ。京都パープルサンガ 0−1 FC東京。いやーー、心臓に悪い試合でしたなー(笑)!今日は途中まで中盤でのボールの取り方がよく、攻撃に移ってもダイレクトにつないでいく意識が強かった。そしてやや押し込まれながらも先制点を奪取し、アウェイとしては非常にいい展開。後半になってから追加点が取れればおそらく最高の勝ち方ができただろう。が、しかし。トラップやパスに雑さが出て2点目には届かず、さらに前半終了間際と後半の多くで守備がバタバタしてしまって苦戦に。最後はペナルティエリアに押し込まれてひたすら京都のシュートをはね返すだけになり、土肥ちゃんの好セーブで何とか逃げ切ったものの、決して手放しでは喜べない内容であった。

 前半東京が優位に試合を進められたのは前のゾーンでの守備が機能していたからだが、そこでボールを取れなくなって、京都が両サイド主体に攻めるようになってからの守備陣の不安定さには参った。浅利はスペースがある時にはきれいにボールを散らして攻撃の組み立てに貢献していたけど、相手に寄せられた場面での弱さが出てしまった。それは藤山も同様。あと後半加地を代えたことは正しかったと思うのだが、入った伊藤が判断の悪いプレーを連発、おまけにスピードで鈴木にやられて何度もピンチを招いていた。あそこは茂庭(ポカもあったが、強さと落ち着きを見せていた)と伊藤の配置が逆だったかもしれないし、もっと言うとサブとしては小峯(ペナルティエリア内ではチーム最強)の方が適任のように思える。

 それと、これはテレビの前で実際に叫んでしまったことだが、大西鐵之祐先生風に言うと「福田、無駄走りせい!!」。ケリーが前向いてボール持っても裏狙ったスタート切らないし、かといって相手のバックラインがボール持っている時に詰めるわけでもなし、彼は途中出場していったい何をやっていたのだろう。押し込まれた時間帯、FWが大きく貢献できるのはこの2つくらいなんだから、しっかりやってほしいと思った。いいじゃん、オフサイドにかかりまくろうとパスでかわされようと。今のプレーぶりでは一生戸田に勝てないぞ。

 終了間際の最大のピンチで、土肥ちゃんが見せた横っ飛びのスーパーセーブは素晴らしかった。何しろ、シュート打ったのがあの中払だったからな。

 まあ、ともあれこれで3連勝である。アウェイだったから、内容はともかく勝点3を取れたことはとても大きい。次のホーム仙台戦ですっきり勝って、セカンドステージ3位争いには顔を出したいし、J1での年間最多勝点「44」も狙いたいところだ。ちょっと気になるのは、イエロー累積2枚の選手が増えてきていることかな。

 

 チャンネルを切り替えたら、BSで神戸×横浜の延長戦が始まるところだった。神戸の方はほとんど引き分け狙いの戦い方だったが、延長後半アリソンのヘディングシュートが枠をかすめて「あ〜、勝点3のチャンスが!」と頭を抱えた直後、逆に久永に叩き込まれてVゴール負け、取得勝点0。ま、そんなもんよね。


10月22日(火)

 夜、野村ビル50階で中華のコース料理。高い店といえどもボリュームありすぎなのは中華の性か、3人前でも普通の人なら楽々5人は満足できそうな量が出てきた。ちょっとずつでいいのになあ、と思いながらも全部食べて非常に苦しい。こちらは食いしん坊の性か(笑)。

 

 帰ってから、ビデオでデイビッド・クローネンバーグ監督『ラビット』観る。『シーバース』と同様、冷徹な展開とエロチックな演出が微妙に融合し、独特の味を醸し出している作品。つーか、マリリン・チェンバースを使った時点で「こ〜の、エロ親父が!」とクローネンバーグにツッコミを入れたくなるような。あれではどの男もやりたい一心でチェンバースに近づき、結果的に殺られてしまう(笑)のも仕方あるまい。ラストはちょっとロメロ(『ザ・クレイジーズ』と『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』)風だったけど、意識してやってるのかな?


10月21日(月)

 歯の詰め物の脇がちょっと欠けて隙間ができているのに気がついて、夕方歯医者へ。案の定そこから虫歯になっており、麻酔を打って削ってもらう。歯医者で治療を受けるたびに少しずつ「自分の歯」が少なくなっていくのはどうにも嫌な感じなのだが、しかし詰め物の下は文字通りボロボロの状態になっていて、もう少し発見が遅かったら歯一本丸ごと失っていたかもしれないと考えるとむしろ幸運と言うべきか。
 麻酔でしびれた状態でうがいをしようとしたら、唇の端から水が飛び出してしまうので困った。わしゃテッポウウオか(笑)。

 神戸戦の観戦記をUP。麻酔のせいか、何となくボーっとした頭で書いたので、既述の正確性(特に人名)には自信なし(笑)。


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