7月10日(木)
じめじめしてるのはキライである。
関根勤・江戸木純著『シネマ十番勝負』(富士見書房)読了。なんか企画意図に2人のトークが全然マッチしてないというか。「これでどうだ!」って感じの勝負にならず、「ああ、そんな映画もあったね」っていう思い出話に終始しちゃってるね(笑)。まあ、それでもディープな方向にどんどん行くんで面白いことは面白いんだけど。
長崎県の4歳の男の子の殺害事件は、容疑者が12歳少年という衝撃的な展開になってきた。確かに(特に関係者は)冷静さを失ってもやむを得ない状況ではある。が、しかしだね、まだ少年が本当に犯人かどうか(これについては厳密な検証もなされぬまま本人の供述を元に既成事実化されるだろうけど)も動機(面白半分なのか、好奇心からか、それとも性的なものか?)も、ましてやこの少年のケースが一般的な少年凶悪犯罪増加と因果関係を一にするかどうかも不確実な状態で、よくもまあ「少年法改正が必要だ」とか「メディアの残虐表現の影響だ」とかいうコメントが出てくるもんだと思う。中にはまともな記事もあるけどね。
あと、まだ事件について全容解明も済ませていない段階で、記者会見において両親からの手紙を読み上げた長崎県警。被害者の感情を世間にアピール、と言えばまだ聞こえはいいが、最後の「少年法改正が必要です」のくだりこそあんたたちにとって必要だったんじゃないかね。
もし仮に今回のケースがいたずら目的だったとして、そういう欲求に駆られた人間が「俺はまだ12歳だから大丈夫」とかそういう判断で犯罪の可否を決心するものなのだろうか。はなはだ疑問に思う。刑事責任を問うのが14歳で皆が不満というなら、12歳まで下げたって別にかまわないだろう。そういう事柄について絶対的・客観的な基準などないのだから。でも、例えば12歳まで下げたとして、今度は8歳の子が人を殺したらどうする?
被害者のご両親は少年法改正による厳罰化を言っているようだ。でも、少年法が改正されたら、それで被害者が苦しむことがなくなるんだろうか。遺族の方は気の毒としか言いようがないけれども、刑罰、あるいは犯罪者を扱うシステムは遺族や世間にカタルシスをあたえるためだけにあるわけではない(もちろん、「気が済む」ようにするのも一つの社会的な機能ではあるが)。
厳罰化をやりたいならやればいい。でも、それが抑止として有効かどうかも立ち止まって考えなければならない。少年犯罪抑止に特効薬はない。人の心を操作するのは許されないのだから。成年であろうと少年であろうと、ある程度の確率でヤバい性向を持つ人間が出てくるのはやむを得ない。我々にできるのは、外部環境を操作して(警察官を増やすとかね)犯罪を起こすことのできる機会を減らすこと、それと同時に様々な機会を子供たちに与えて、彼らの抱えている「ヤバい部分」を拡散ないし逃がし、それらによってリスクを少しでも減らすしかない。例えば、容疑者の少年も(警察のリークが全て正しいとして)彼の性欲を満たすような情報(ショタ趣味ってやつですか?)に接する機会があったら生身の子供に手を出さずにすんだ可能性だってあるだろう。今の厳罰化やら道徳教育やらは、かえって子供・少年を狭い方狭い方へ追い込んで、犯罪の原因になりかねないストレスをためることになるかもしれないぞ。
二代目チェアマン、さすがはファンの声をちゃんと聞いて延長戦廃止してくれたお人だけのことはある。前任者とは違うぜ。
ラグビー日本代表発表。岩淵も村田も月田もいなくなって、どうやって「ジャパンの試合」を見せられるというのか…。防御強化の人選?ミラーの復帰に賭けた?いずれにしろ、一番大事な部分を切り捨ててしまったような気がしてしまう。残念だ。
今日は仕事も休み。外出せずに読書にいそしむ。『カムイ伝』とか。
ビデオで、深作欣二監督『魔界転生』。言うまでもなく、先日公開された同名映画(平山秀幸監督)のリメイク元。平山版に比べると、魔界衆の転生した理由・柳生十兵衛が戦いに身を投じる動機づけが丁寧に描かれていて、物語としてはより筋の通ったものになっている。ただ、肝心の、十兵衛vs魔界衆のバトルに突入する後半がちょっと(いや、かなり)トホホ気味であった。オリジナルキャラの霧丸とか村正とか、いらない部分が多すぎて決闘のボリュームが小さくなりすぎているのだ(何しろ、十兵衛が殺す敵がたったの3人)。劫火に包まれる江戸城内での十兵衛×但馬守の対決だけは見物だが、盛り上がったところですぐ終わってしまうのが消化不良。情念と役者の「顔出し」にこだわって醍醐味が減殺されてしまった感じ。原作の雰囲気に近いのは絶対に深作版だが、一個の映画としては平山版の方が面白かったように思う。
しかし、ラストシーンの後、あの猛火では十兵衛脱出できなかったんじゃなかろうか(笑)。
7月7日(月)
夜、新宿の多国籍(韓国風?)居酒屋「自然洞」で仕事場の歓送迎会。刺身はすげえうまかったし焼肉のない韓国料理も悪くないが、やっぱり少しくらい肉があった方が…という感じ。テーブル3つに分かれて、僕が先に座っていたところだけなぜか女性が1人も来なくてオヤジばかりのむさい席になったんだけど、どういうことよ(笑)。ということで2時間下品トーク漬け。
2次会(店忘れた)、3次会(「和民」)と続いて、ここのところゆっくり休みもとっていなかったせいでかなりヘロヘロになった。「明日は休み」と思うとなおさら歯止めがきかない。いかんいかん。終電で何とか家にたどり着けたのはよかったけど。
午後、国立競技場でイングランド来日シリーズ第2戦。日本 20−55 イングランド。彼我の(本質的な)差は体格の差などではない。明らかな差があるのは「一つ一つのプレーを高い精度でこなし続ける技術」と「多様な状況への対応力」だ。チャンスでの信じがたい凡ミス、得点後のプレーでの単純ミス、試合の流れにそぐわないプレー選択。箕内が突破してあと外側のフォロワーに通せばトライというところでのパスミスや、PG直後に斉藤がノックオンしたシーンが典型。「よーし!」っていう場面で浮き足立っちゃうのはなんでなんだろう…。この問いに対する答えを見つけない限り、結局は善戦止まりの状態が永遠に続くだろう。
もちろん、課題は選手の能力だけにあるわけではない。1戦目ではとにかく「守りを固めてキックを多用、後半アタッカーを投入して勝負」という作戦があった(ように見えた)のだが、今回はそこから特に前進することもないまま、「こないだ点取れなかったんで今度は小野澤入れてみました」で普通に戦って負けたという感じか。この記者会見なんか見てて不安になるのは、監督・キャプテンあたりがある程度満足しちゃってるんだよね。課題を持って試合に臨んで、全部とはいかないまでもそれなりにできました、みたいな。それでは駄目だ。結局「具体的に目の前の相手に勝ちに行く」ということができていないということではないか。本番(W杯)ではちゃんとやるということなのかもしれないが、今までやっていなかったことを突然きちんとできるのだろうか。宿沢氏のコメントは相変わらず正しいし、林雅人氏がフル代表のスタッフを外れたのが未だに心に引っかかる。
この試合では、「黄金バックスリー」の小野澤・栗原・大畑を3人とも揃えてしまうと守備力が大きく低下することも再確認できた。2人までだな、少なくともスタメンで起用するのは。栗原がイングランドのSHにあっさり振り切られたシーンを見るとそう判断せざるを得ないだろう。それと、パーキンソンの突破って、本当に強豪にも通用するものなのだろうか(元木を代えてからガクッと守備が弱くなったような気がしたが…)。ミラーを使えない時にもSHは苑田でいいのか。あと、今の攻撃ラインは浅すぎて、相手DFよりもむしろパスをつなぐ日本のアタッカーの方にプレッシャーがかかっているように見えるのだが、どうだろう。
強い敵と当たって、いっそう明確になった事柄は大いにある。それを修正して試す場がないのが本当に惜しまれるが、もうぶっつけでやるしかない。あと3ヶ月、総決算の力を出せる準備をしてくれるよう祈るのみだ。応援する方も「どうせ全敗だよ」なんて言っていては戦う前から負けているに等しいしね。頼む、頼むぞ!!
試合後、表参道まで歩いてから渋谷マークシティの「Food Show」で夕食を買い込み、井の頭〜京王線でいざ飛田給へ。いよいよリーグ戦再開だ。
昨日上位が(磐田を除いて)順調に星を伸ばしただけに、大事な試合だった。FC東京 2−0 ベガルタ仙台。「東京、奇跡の逆転優勝への五番勝負その一」は、宮沢のスーパーFK炸裂で東京が快勝。後半やや押されたのは仙台が明らかに前がかりになったからと暑さゆえのペースダウンなんでしょう、多分。戸田の投入から一気に反撃に出た、あの加速感がすごく心地よかった。初スタメンの徳永もすんばらしい出来(加地、頑張らないとポジションなくすぞ(笑))。「もう1点くらい取れた」という印象が残ったし、相手が主力を欠いたことに助けられたのは間違いないが、しかし概ね満足の行く試合であった。ちょっと心配なのは、やっぱりアマラオかな……。
しかし、試合後に発煙筒投げ込んだヤツ、何考えてるんだろう。東京側から、しかも勝った試合で投げ込まれたというのがいよいよ信じがたい。どうも最近、試合の流れとか場の雰囲気に関係なく何か叫んだりやらかしたりする馬鹿が多いような気がする。斜め後ろに座っていた女も「ナオー、ナオー!」ってやかましかったしな(密かに「ナオブス」と命名)。いや、その人、石川を応援するのはいいんだけど、阿部が嫌いらしくて、ボールを懸命に追いかける姿を見て「阿部この野郎、走れよ、バカ!」(走ってるよ)と罵倒したりとか、長すぎるパスがゴールラインを割った時に「何で今の追いつかねーの、信じらんねー!!」(信じられんのはお前の距離感だ)とか叫んだりしてるんだよね。ああいう人には東京のレプリカを着てほしくないな、と思う。迷惑な人の近くには座らなければいいのだが、バックスタンドは自由席とはいえ、周りの人間を全部確認してから座るほどの余裕はないからなあ。
観戦記は、こちら。
帰り、渋谷駅前でまつげさん夫妻と待ち合わせ、婚姻届の証人欄に署名・押印。平らな場所がなかったんで案内地図の上で婚姻届を広げる。地図を見に来た人は驚いたかもしれんな(笑)。
ミネさんの推測と感想に、私も一票投じたい。
7月5日(土)
今日は高校の後輩まつげさんの結婚式ということで、昼前から出かける。赤坂日枝神社で披露宴。あいさつはほぼアドリブだったが、まあまあの出来だったな。冒頭の「えー、『雨降って地固まる』と申しまして、今日はあいにく素晴らしい晴天となりました」っつーつかみのウケが悪かったのは痛かったけど(笑)。
二次会は赤坂の「Bill’s Bar」で。「幹事」とは名ばかり、実は偉そうにウロウロしているだけ。でもまあそれなりに疲れた。腰が痛くなった。
三次会は赤坂見附の「つぼ八」。爆睡してたので、ほとんど覚えてませんが(笑)。
夜中、録画でJリーグ。鹿島アントラーズ 5−2 ジュビロ磐田。開始から15分で鹿島が3得点。こんなにダメダメなジュビロを見るのは初めて。この大事な試合でどうしてDFに若い上本を起用したかね?彼のミスからあっさり先制されて、チーム全体が一気に鹿島国独特の雰囲気に呑み込まれてしまったように見えた。で、ヴァン=ズワムがまるで川口能活のようなミス(笑)で一発退場になって、GK代わりしなのFKをフェルナンドが叩きこんで勝負あり。あとは点を取りあった後、最後は「ヤナギ向こうでも頑張ってねショー」になってしまったとさ。フェルナンドのFKは壁の中に入った味方選手が屈んだスペースをきれいに抜いたもので、ああいう場面で精密なプレーをピタッと決めるあたりはさすが鹿島と言うしかない。
なんで何も悪いことしてないのに、社会的制裁なんか受けなきゃいかんのだ、この馬鹿「キャプテン」め!んなこと言っといて「協会としてらく印を押すことはない」だあ?何様だね、キミは。
柱谷幸一監督の不倫報道が「FRIDAY」に載ったとかで、モンテディオ山形が監督休養の発表。なんたること!!今のところ球団筋からは「本人が事実を大筋で認めた」という情報が流れる一方、サポーター系のBBSに本人名義で否定の書き込みがなされたりと、真偽のほどははっきりしない様子。だが、率直な疑問として思うのだが、仮に報道が事実だとして、不倫してたからって何で監督やめにゃあかんの?例えば契約条項にその旨の記載があったとしたら、仕方がなかろう。また、普段から柱谷さんが説教くさく「不倫はいけません」などと語っていたならばやっぱり咎められるべきではあるだろう。でも、そうでない限りはプライベートの出来事と監督としての適格がどうしてそんなにストレートに結びつけられてしまうのか、僕の感覚では理解に苦しむ。「反社会的行為」だあ?別に(マスコミがほじくり返さない限りは)誰に迷惑かけていた訳でもあるまいし。「フェアプレー」と個人的な倫理とは全く別の次元の話である(だって、「公」と「私」は別問題でしょ)。ま、山形というチームは公益法人で、自治体からの補助金で成り立っている部分が大きいので、確かにイメージ的に問題ではあるんだろう。役所ってのは物事を一面的にしか捉えられないからね。でも、だとしたって、何でこんな不確実な状況で山形サッカーの大功労者をあっさり断罪してしまうのだろうか。釈明の場すら与えずに。ああ何ともったいないとも思うし、このまま処理しちゃったらただの馬鹿だぜ、山形。
幸いBBSの掲示板等では柱谷監督支持の方が多いみたいだけど、中にはやっぱり非難の声もあるみたいだ。どうして現在の情報だけで非難できるのか全く理解できないのだが(「裏切られました」って、柱谷さんはキミたちに「不倫しない」っつー約束でもしてたのか(笑)?)、頼むから山形サポーターは柱谷さんを支えるべく頑張ってほしいと思う。モンテディオの背後にいる役所なるものは苦情なるものにひっじょーに弱い。多分「子供たちに悪影響を与える」というような、「善良な」県民から電話・メールも届いているのだろう。どんな形でもいい、何らかの声を上げないと、闘うことを知らない(多数派の)お役人さんたちは山形サッカー云々の事など考えず人1人を切って早く事を収めようとしてしまうだろう。
いや、別に山形でなくともかまわないのだ(と書くと山形のサッカーファンは怒るかな)。とにかく彼がこんな事で日本サッカー界の表舞台から消えてしまわないでほしいと思う。小さいクラブ、あるいは若い選手にとって、あんないい指導者他におらんぞ。
近頃TVや新聞でニュースを見ると、強姦を肯定の文脈で語る議員が国会で与党の席に座り、女性を家畜としかみなしていない議員が「首相の後見人」などと言って胸を張っている。で、彼らに支えられた総理大臣は自ら汗をかくことないまま空虚(有害)な法律・施策を次々に垂れ流して格好をつけ、そんな首相を国民の半数近くが支持している。ああいう連中がいつまでものさばる一方で、大きな夢を真剣に語れる数少ない人材が不倫「疑惑」「ごとき」で表舞台から引きずり下ろされようとしている。腐ってるな、この状況は。この国は。
夜、録画でリベルタドーレス決勝2ndレグ。サントス 1−3 ボカ・ジュニオルス。結局、この2試合は一貫してボカの思うつぼにゲームが動いたのだった。予想されていたサントスの猛攻を人数をかけた守備でしのぎきり、相手のパスミスからたった3人でワンタッチのパスをつないで先制。で、後半も「しっかり守ってカウンター」。一旦は追いつかれたものの、終盤裏をとって2点を追加。明らかなペナルティをレフェリーが見逃してくれた(逆にサントスGKの正当なタックルはPK(笑))のも味方して、終わって見れば完勝の試合となった。サントスファンには不満だろうが、しかし勝つという目的に対して非常に効率よく戦ったということでボカの方が上だったと思う。いや、両者の特徴が良く出た、面白いシリーズだった。
夕方、味の素スタジアムでラグビーイングランド代表来日シリーズ第1戦。日本代表 10−37 イングランド代表。まずはよく頑張った。今の力では、これが精一杯だろうと思う。
前半はとにかくタックルがばしばしと決まりまくった。イングランドの攻めに工夫とダイナミズムが欠けていたせいもあるが、しかしタックルを「外される」率がこれほど低く、かつ防御時の集中が途切れないジャパンは久しぶりに見る。それでもボールキープ力の差はいかんともしがたく、自然ボールを奪えばDFラインの背後を狙うキックが多くなったものの、その一つを大畑がきれいにドリブルしてジャパンが先にトライ。この時のスタンドの盛り上がりようはハンパじゃなかった。その後もほとんど防御は崩れなかったが、しかし日本はマイボールラインアウトをキープできない上にパス攻撃の精度も低く、追加点を奪えない。PGの応酬を経てロスタイムにはSH苑田がSOへのパスを焦って相手に渡してしまい、そのままトライ。10−11で前半終了。
後半になると、イングランドも選手を代えつつシザーズ等を交えたSO・CTBのスピードある突破でゲインを切る回数が増える(体も前半より動くようになった?)。日本のDFは崩壊はしないもののジリジリと押し込まれて1つ、2つ、3つとトライを奪われる。そこで活を入れるいうことか、松田に代えて小野澤投入・苑田に代えて村田投入も、日本のFWはイングランドFWと歩調を合わせるように運動量が落ち、バックスは勝負しては次々と孤立。終盤の猛攻も実らず、後半無得点のまま終わってしまった。後半ロスタイムに攻め込んだところでもカウンターでやられ、最終スコアは27点差。ま、いずれにせよ「予想していたよりはよくやった」というのが正直な感想だった。
ジャパンの先発はハーフ〜CTBに廣瀬・元木・難波とハードタックラーが並び、FBには小野澤でなく松田。向井監督の腹づもりとしては、とにかく失点を抑えて接戦にもちこみ、後半相手がバテたところで小野澤・村田を投入して勝負をかけたかったのかもしれない。しかしうす寒い雨模様というイングランドに有利なコンディションになってしまい、さらに防御に奮闘し続けたジャパンFWにボールキャリアーをフォローする余力は残っていなかった。それでも、「具体的に目の前の相手に勝ちに行く」試合を明確な形で見せられたのは向井ジャパンとしてはおそらく初めてのことで、それは素直に評価したいと思う。
イングランドの選手は特に前半、いかにも体が重そうで、攻撃でもボールの動きは少なく小さかった。キックに対するカウンターも豪州Aあたりに比べると組織化されておらず、そういう意味では現状の日本の力を発揮するにはおあつらえ向きの相手と言えたかもしれない。ま、どう考えても彼らの本来の力はこんなもんじゃないとは思うのだけれども。
さて、第2戦はわずか3日後。ジャパンの選手と来日直後できつい試合をしたイングランドの選手と、はたしてどちらにより多くのダメージが残っているか。もしイングランドが今日くらい、あるいはより悪い出来で、さらに気温が上がってくれればまさに「歴史を作る」チャンスとなるかもしれないし、逆にきっちり修正したイングランドの力を見せつけられる可能性だってある(というかその方が大きい)。ともかく、日本はホームであっても純粋なチャレンジャーだ。ひたむきなタックルを繰り返し繰り返し、その中でわずかな勝機を見出すしかないだろう。
7月2日(水)
夕方、上野から常磐線に乗って柏へ、ナビスコカップ第5節の遠征。駅から「レイソルロード」をさっさか歩いて柏サッカー場に到着。間近なピッチ、親切なボランティアのおっちゃんたち、「心より歓迎します!」のアナウンス、そしてビールはサッポロ黒ラベル。スタンドが仮設だろうが屋根がなかろうが、ここは何度来てもいいスタジアムだと思う。
そんな感じで楽しみにしていた日立台だが、試合の方はイマイチすっきりしない結果となった。柏レイソル 0−0 FC東京。勝っていれば予選突破はほぼ決まりだったのだが…。観戦記はこちら。
予選最終節は逆転を賭けたベガルタとの直接対決となってしまった。むろん勝ってくれるとは思うけれども(いや、引き分けでもいいんだぞ(笑))、次は応援に行けないのでネットで速報を見ながらハラハラか。柏×横浜は消化試合だしね。
今日は昨日来の雨も上がり、どう考えても暑いと思って半袖を着て行ったら、意外なことに風が強くて肌寒かった。ハナが垂れそうでしたよ(笑)。つれが「寒いから」と言って、雨も降っていないのに、しかも周りに柏ファンがうようよいるバックスタンドで東京の合羽を堂々と着て観戦しだしたのには、感動のあまり背筋に震えが来た(笑)。
帰ってからニュースステーションでベッカムの入団記者会見を見て、あまりのケーハクさにぶっ倒れそうになった(笑)。「サッカーこそ私のすべて」とか言ってる人間が、「マイケル・ジョーダンの番号」ということで(本当っすか?)「23」を選ぶかね、しかし。その後練習場でファンに初お目見えのベッカム様。殺到して金網を揺らすマドリードのベッカムファン(本当っすか(笑)?)。なんだかなあ。
7月1日(火)
録画で、ツーロン国際フットボール大会日本 1−0 ポルトガル。まさに星を「拾った」という感じの、幸運な勝利だった。ポルトガルが決定機でことごとく外してくれたというのもあるし、ロスタイムも冷静に引き分けを狙われていたら手も足も出なかっただろう。まあ、アジアユースの時からそうだけど、劣勢になっても押し切られないねばり強さはあるよね、このチーム。規郎の絶妙クロスから茂木がボレーでぶち込んだ決勝点は文句なく素晴らしかったし。
この試合は特に後半、ポルトガルのアタッカーがドリブル主体にガンガン攻めてきて、受け身になった日本は5バック+ボランチがベッタリ後ろに張りついてロングボールばかりの薄い攻めになってしまった。この大会はこれだけしか見ていないし、3試合目の疲労・キープ力ある相手ということもあるかもしれないけど、あれでは1試合に1点くらいしか取れないサッカーだろう。片側だけでもいいからサイドへの展開を増やすか、あるいはポストプレーヤーが粘るかして、押し上げの時間を稼がないとワールドユースではもっと苦しくなるのでは。右の徳永は特性的にも下がり気味でいいとして、左の規郎はもっと高い位置で勝負させてあげないと起用する意味がないだろう。