4月15日(月)

 朝、TBSでプロゴルフマスターズ最終日。ライバルが自滅していく中、鉄より堅いプレーを見せたタイガー・ウッズ。一番身体能力があって、一番うまくて、精神的にも一番強くて、それでいて「勝ち方」もしっかりわきまえているのだから手がつけられない。メジャー最多勝記録なんぞとっとと更新してもらいたい。

 

 夜、DVDで佐藤寿保監督『秘蜜の花園』。佐藤監督は先月の『映画秘宝』で紹介されていた「ピンク四天王」の1人で、つまりこれも18禁映画なのだが、しかし場末の人もまばらなピンク映画館でいきなりこれがかかったら客は逃げ出すんじゃないだろうか。少女を誘拐・監禁・拷問しては農薬を飲ませて殺すキチガイが1人の少女を殺しそこね、会話と情事を重ねるうち心が通じ合ったかに見えたのだが…。死体写真に囲まれた監禁部屋や少女たちが白い農薬の中に真っ赤な血を吹きながら死んでいくビジュアルも怖すぎるが、しかしクライマックス、主人公が突如裏切った少女に毒を盛られた際の台詞もまた残酷だ。

 「一緒にいるんじゃ……」
 「いらない。だって、これ(バイブレーター)があるもん」

女性を欲望の対象としか感じていなかった殺人鬼が、初めてそれ以上の存在と感じるようになったその相手に「物扱い」され、あっさり交換されてしまう結末。イタいよなあ。

 

 今度は原陽子さんの「疑惑」の追求ですか。こんなことをいつまで続けているのか、そんなにこの国は余裕あるのかよ、と思う。ニュース番組でしかめっ面したニュースキャスターが大真面目にこの手の話題を延々と論じて(というかお茶の間の人間の喜びそうな表現で特定の人間をくさして)いるのを見ると、本当に目の前が暗くなってくる。優先順位・価値の軽重を判断することすら放棄して、はたして「報道」と呼べるのか。


4月14日(日)

 午前中、BSで大リーグレンジャーズ×マリナーズ。伊良部はせっかくナイスピッチングだったのに、味方がリードして勝ち投手まであとちょっとになった5回に突然ガクッときてしまった。直球のスピードも全盛期より10kmほど遅いし、まずは痩せることから始めないと駄目なんじゃないだろうか。

 

 午後、BSでJリーグ仙台×浦和。黄色く染まった宮城スタジアム。サイドから理詰めの攻勢で崩す仙台と、エメルソン・トゥットの個人技で押す浦和の攻防はなかなか見応えがあった。チームの力そのものはやや仙台優位かとも見えたのだが(同点ゴールの構成は見事だった)、最後はエメルソン負傷で仙台DFがホッとした瞬間を見逃さなかった福田がVゴール。まあ、90分のうちで力を発揮する時間は短くとも、勝負どころでそれなりのプレーを見せてこそのベテランだからね。

 この試合スウェーデン人の主審だったのだが、接触に寛容な基準はお国柄ってやつですか。「これはいくらなんでも…」という判定がなかったわけではないし、カードが10枚も飛び交ったのはいかがなものかという気もしないでもないが、しかしピーピー神経質に吹いて試合をぶつ切りにする審判よりはずっとまし(選手は体力的にキツそうだったけど)。何より、基準が一貫しているのがよかった。

 あと、宮城スタジアムのバックスタンドアウェイ寄りに「VAMOS 東京」という青赤の横断幕が出ていたんだけど、あれはなんだったんだろう?

 

 皐月賞(G1)は伏兵ノーリーズンが優勝で5万馬券、か。不戦敗の僕としては、ブツブツと「やっぱりハイペースの混戦ならブライアンズタイム産駒を狙うしかないよな」などとつぶやくしかない。とほほ。

 

 ビデオでベルナルド・ベルトリッチ監督『暗殺の森』。体制(あるいは大勢)に従い続ける、という行動様式は卑怯とも言えるし、自ずから孤独という名の悲劇を招いてしまうものでもある。主人公の毅然とした風貌と実際の行動との落差、行き場のなくなったラストが悲しい。どこに行っても「あたしではダメなのね」。計算しつくした光と影、濡場は皆無ながら官能性たっぷりの映像美。

 この映画は黒沢清の傑作『蜘蛛の瞳』の元ネタでもあり、森の中での殺戮場面・女性の肌の美しさ・殺したはずの人間が実は生きていた展開など、そのまま流用したと思える要素も多い。しかし『暗殺の森』の主人公はあくまで確信犯(あるいは性)としての「体制順応主義者」であるのに対し、『蜘蛛の瞳』の主人公は心が虚無になってしまったが故に状況に流されて暗殺を繰り返す、という差異があった。このデフォルメは欧州と日本の社会風土の違い、あるいは歴史的にどれだけ体制選択という問題に直面してきたかの違いによるのだろうか。


4月13日(土)

 前の仕事場の助っ人で一日つぶれた。10時すぎまで仕事して、その後烏山の中華料理屋で飲む。店のTVからスタジアムの歓声が聞こえたので画面を見てみると、ちょうど磐田×鹿島戦での藤田のゴール場面が映っていた。「ああ、そういえば東京はどうなったんだ。せめて勝ち点1でも取れていれば良いが」と思ったその瞬間、その他の試合の結果一覧が映し出され……………そうっすか。0−5っすか。「コテンパン」ってやつですか。ま、次だ、次。

 その後、ものすご〜く酒が進んだのは言うまでもない。


4月12日(金)

 夜、DVDで石井聰亙監督『ELECTLIC DRAGON 80000V』。幼い頃の感電事故で電気人間となった男(浅野忠信)と電気と電波にはうるさいキチガイ分裂症男(永瀬正敏)の対決、というのはかなりそそられる設定なのだが、しかしそれを生かしきれていないのが惜しい。2人の対立に必然性が感じられず、またどーでもいいカット(街中でエレキギターかき鳴らす浅野とか)も多くて見ているこちらとしては「いーから早くぶつかっちまえよ、お前ら!」とイライラしてきてしまう。で、その割には決闘シーンが短すぎ。あと、登場人物の心の叫びを絶叫調のナレーションと手書きの文字で見せる演出もいささか気恥ずかしい。永瀬の無表情演技とか対決前に疾走する浅野の周りにバチバチ散る火花、永瀬が避雷針をバックにそびえ立つシーンといったビジュアル面はいい味出していると思うのだけれど。


4月11日(木)

 ビデオで、ジャン=リュック・ゴダール監督『勝手にしやがれ』。なんてったって、二枚目崩れのポール・ベルモントがいい。女たらしで純情で泥棒で人殺しで、惚れた女のデート場面を目撃してすねてみたり、屁理屈を山ほど並べてみたり、時には大胆に時には臆病に、斜に構えつつも行動は直線的、最後には全てがどーでもよくなってしまう。何だか、思いっきり感情移入してしまった。みっともない「最低」の姿だろうとも、最後に好きな人に見つめられながら笑っておどけて死んでいけるのは、とても素敵だと思う。

 この映画、「ゴダール」だから難しくて長ったらしいのかなと勝手に思い込んでたけど、実際に見てみたら1時間40分しかないんだね。映画ってのは本来これくらいがいいんだろうな。


4月10日(水)

 ビデオで六カ国対抗ラグビー。フランス 44−5 アイルランド。フランスは戦術的にそれほど目新しいことをやっている訳でもなさそうだし、選手の個人能力(特にFW)なら依然としてイングランドの方が上かもしれない。ただ、「とにかくパスとランで早く速く相手のギャップを突く」小気味の良い攻撃と「とにかくタックルを続ける」粘り強い防御でフィフティーン全員の意識(イメージ)が統一され、それが各選手の持つ潜在能力を最大限引き出しているように見える。もしかすると、平尾の目指していたラグビーってこんな感じだったのかもしれないね。

 まめさんの4/9付の日記。街の中にある記憶、記憶の中にある街。それらの感触。悲しかったり、嬉しかったり、懐かしかったり。胸がきゅっと締めつけられた。泣けた。


4月9日(火)

 ビデオでデヴィット・トゥーヒー監督『ピッチブラック』を観る。はじめは「なんか安っぽいなあ」という冷めた目で見ていたのだが、張り詰めた緊張感や「光に弱い」という怪物の特徴を生かした演出はなかなかのもので、「誰がどう殺され、誰が生き残るのか」と食い入るように見てしまった。実際、生き残りのメンツはちょっと予想外(あれでガキと女と殺人犯が生き残ったら、あまりにもありがちだ)。ラストシーン、「人殺し」の「生まれ変わった」顔も良かった。


4月8日(月)

 ビデオでリーガ・エスパニョーラ。レアル・マドリード 3−1 ヴァジェカーノ。チャンピオンズリーグも正念場にさしかかりつつあるマドリーが7分くらいの力で楽勝。もう観客も自信満々というか安心しきっていて、けっこう攻め込まれてヒヤッとしそうな場面でも場内シーンとしてやんの。あれではせっかく好セーブを見せていたGKセサルもやりがいがなかろう(笑)。


4月7日(日)

 日曜らしく、家でゴロゴロと過ごす。

 午後、NHK−BSで横浜Fマリノス×ガンバ大阪を観る。横浜のVゴール勝ち。両チームの力の差は明らかで、横浜にしてみれば90分で勝たなければならない試合だったろう。前に観戦記でも書いたとおり、今年の横浜の鍵はやはり勝点2ではなく3取るための得点力と、俊輔坊ちゃんの穴をどう埋めるかだわな。ガンバ大阪の方は現状の戦力からすれば決して悪いサッカーをしているわけではないけれども、マグロン・マルセリーニョの2人とその他のアタッカーの間に溝がありそうなのが気になるところ。
 この試合最大のポイントは、延長戦、ペナルティエリアすぐ外でのFKのボールをウィルに取り上げられた俊輔がメチャメチャ不服そうな表情を見せていた場面(笑)。そのFKはウィルが壁に当て、最後決着をつけたのは結局俊輔のシュートだった。
「見たか、デブ!!」くらい言ってやれば面白かったのに、普通に喜んでましたな(笑)。

 桜花賞、馬券買うのも見るのも忘れてた(笑)。ますますわかんなくなっちゃうなあ、競馬。


4月6日(土)

 夕方、国立競技場でFC東京×ジェフ市原。ガラガラ(というほどではなかったかもしれないが、昨年来初の少なさだったのは確か)のスタンド。なんだかのどかな雰囲気で始まった試合は、チームの要(由紀彦、ジャーン、ケリー)の相次ぐ負傷により東京が苦戦を強いられ、さらにとても1部リーグを吹く資格があるとは思えぬレベルの審判だったこともあって、見ている我々も疲れきるものだった。ま、でも、よく引き分けたと思うよ。宮沢の同点ゴールには、思わず絶叫してしまった。声もガラガラ。観戦記はこちら

 夕飯は青山一丁目の「麺屋 武蔵」。「とんがり飯」も味玉ラーメンも美味しかったけれど、その2つが一緒に出てきてくれるともっとうれしいなあ。

 夜中には赤坂の「さくら水産」で飲み会。後輩に議論をふっかけられる。そうか、「感覚に従うべき」か。そういう気持ち・考えを心のどこかに持っているべきではあるんだろうな。


4月5日(金)

 今日は前の仕事場と新しい仕事場の歓送迎会が重なってしまい、調整もつかず掛け持ちに。夜の新宿を何回も疾走する(「失踪」じゃないよ(笑))羽目になった。飲み会で筋肉痛になるっつーのも珍しいというか。3時すぎまで飲み、フラフラ。


4月4日(木)

 今日は早く帰れたのでTVでプロ野球中日×巨人なんぞ見たり。ドラゴンズの個々の選手の判断力のなさ(つまり頭の悪さ)がやたら目についたゲームだった。7回表に飛球を後逸した荒木(だったかな?)とか、終盤満塁のチャンスにピッチャーゴロ打ちやがった藤立(だっけ?)とか。「そこでそれだけはしちゃいけないだろう」というプレーが連続し、中日逆転負け。点差が詰まろうが1点差になろうが、逃げ切れればそれで良かったのに。


4月3日(水)

 夜、ビデオでプレミアリーグ。リーズ・ユナイテッド 3−4 マンチェスター・ユナイテッド。いかにもプレミアシップらしい、「攻撃勝負」のサッカーがたっぷり堪能できた。合計7点の得点が全てへこへこの点(バックパスミスとか、GKがクロスをかぶったとか)ではなく、スピーディーな攻撃でちゃんと崩して生まれているのが素晴らしい。「うおっ」と声を上げたくなるゴールが多かったということ。


4月2日(火)

 夜、ビデオでリーガエスパニョーラ。セビージャ 0−1 レアル・マドリー。マドリーは前半こそボールキープ率で圧倒的に上回ったものの、これがチャンピオンズリーグ・モードということなのか、後半はいかにも流した感じのサッカーでセビージャの反撃を許す。おまけにレフェリーが何ともまあセビージャ寄りなんだ、これが。DFがシュートを腕で防いでも吹かない。ペナルティエリアの外でGKがボールに手で触り、おまけにフェイントでかわしにかかったラウールに頭からタックルに入っても(笑)ノーホイッスル。しまいにゃ終了間際にジダンの後ろから思いっきり足を蹴り上げに行った超悪質なファウルにも、ついに赤いカードは出なかった。吹っ切れたセサルの好セーブでマドリーが逃げ切ったものの、なんとも後味の悪い試合。
 一方、スペインにおけるパスタの不味さの話題や現地取材の戸塚啓への無茶なリクエストで盛り上がる、実況倉敷・解説幸谷コンビの会話は試合自体とはまことに対照的(ずっとアッパー)で面白かった。地上波では流せないかもしれないが、悪名高いTBSの絶叫実況の58倍くらいは楽しめるぞ。


4月1日(月)

 本日から新宿の仕事場に移動。今年から2〜3年の間はむちゃくちゃ忙しくなる予定(特に夏場)で、泊り込んで仕事なんてのもあるかも。これまでのスポーツ享楽(笑)生活がどうなってしまうのかいささか心配ではある。土日のサッカーは何とか大丈夫そうだが(平日は無理っぽい)。まあ、自分で選んだ仕事なんだからある程度は仕方がないかな。テキトーに頑張りまっす。

 というわけで、このサイトも今後どうなってしまうのか、はっきり言ってよくわからない。更新が滞ったり日記が飛び飛びになったりしてしまうこともあるかもしれない。ま、内容・形式の変更なんかはそれなりに検討するとしても、何とか継続するつもりではある。行けるとこまで、行くだけだ。

 夜はさっそく新宿で飲み会。22歳の女性に「私いくつに見えます?」と訊かれ、「29歳くらいでしょうか」と答えてしまったのはやはり致命的なミスだっただろうか(笑)。とりかえし、つかないかも。だってホントに年上に見えたんだもーん(笑)。


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