9月30日(土)
午前中、シドニー五輪男子サッカー決勝。最後の最後で、こんな試合が待っていようとは。これだから、サッカーの神様は侮れない。
開始早々、チャビのFKでスペイン先制。直後にスペインがPKを得たことで試合の流れは一気に傾くかに思えたが、これをカメルーンGKがストップ。その後カメルーンが猛攻をかけるもスペインの守りは堅く、逆に前半ロスタイムカウンターから2−0。スペインの試合運びのうまさを考えればここで試合は決まったかにも思えたが、後半早々にエムボマのセンタリングがDFに当たってゴールに転がり込む幸運なゴールで1−2。その直後カメルーンがたたみかけて、なんとあっという間の2−2。さらにスペインはDFがレイトチャージで一発レッド、さらにさらに終了間際に頼みのFWホセマリがカメルーンゴール前のチャンスでダイブを取られて退場。一方的に攻めていたカメルーンからすれば、「この試合もらった」と確信したことだろう。ところが延長戦、案の定カメルーンは波状攻撃をかけたのだが、2人少なく疲れ切ったスペインは抜群の集中力を見せ、何とかしのいで結局2−2のままPK戦。こういうケースでは絶対にスペインの方が有利だろうと思ったのもつかの間、先にスペインの3人目が外し、逆にカメルーンはGKの動きを読み切った巧みなキックを見せて5人全員成功。5−3でカメルーンが2大会連続の金メダル。まーさーに、シーソーゲーム!
スペインはチームとしてよく統制がとれ、相手にスペースを与えない守備とカウンター主体の決定力ある攻撃が光った。2人少なくなってからも決してあきらめない不屈の精神力を見せた。PK戦ではGKが若さを見せてしまった(体重移動が早すぎる)しカメルーン5人目のキッカーの邪魔をした選手がいたのは見苦しかったが、メダルにはふさわしい良いチームだったと思う。日本からすれば、アメリカにきっちり勝ってこういう強いチームと戦っておきたかったと、至極残念に思う。もっとも、試合全般を見れば、そのスペインのチーム力をカメルーンの身体能力を生かしたパワフルなサッカーが完全に凌駕した形になった。カメルーンはチーム全員に高い身体能力があることを前提としており、バラバラに見えるがしかしゴール方向へ意識は統一されているという状態で、魅力的なイケイケ攻撃サッカーを展開した。日本人には絶対真似できないサッカーだね。エムボマも、ここ数年セリエAの「組織的」サッカーの中で彼特有の魅力が出てなかったのだが、こういうチームに入ると素晴らしい働きを見せる。ガンバ大阪在籍時の、圧倒的な迫力を思い出した。次のW杯では、いよいよアフリカ勢が上位進出か(って、アトランタの後もそんなことを言っていたような気もするが)?
それにしても、決勝戦でこういうレフェリングで、五輪サッカーは大丈夫かね?
夕方、五輪陸上。女子走り高跳び決勝、日本の太田選手は1m94(日本記録)をパスして果敢に1m96を狙うも、失敗。しかし、この大一番で入賞をかけて勝負に出るその度胸は全く素晴らしいと思う(どこぞのフランス人とは大違いである)。「1m90を跳んだときに足を痛めたので、のるかそるかでやるしかないと思いました」とレース後に語った時の笑顔は、とても素敵だった。
男子400mリレーでメダルを目指した日本は、6位。1走は川畑が突然の欠場で急遽代役の小島出場、レースでは2走の伊東から末続に渡るときにバトンリレーが詰まり失速、さらに末続が260m付近で肉離れとアクシデント続きの中、伊東と朝原のベテランコンビが快走を見せ、何とか6位をゲットした。本人たちは悔しかろうが、しかし困難の中最後まで諦めずしっかりと結果を残したのは必ずや次への財産となると思う。特に激痛の走る足で100mを走りきり、エース朝原につないだ末続は、リレー競技の「価値」を我々に見せてくれた。
女子やり投げを見ながら思ったのだが、なぜ投てき競技の選手はあれほど絶叫するのだろう。それも、投げる瞬間に叫ぶのならスポーツ科学的にも合理的だとは思うのだが、投げ終わった後に延々と「ウアアアアアアアアアアアアアアア!!!」とか叫んでいたりするのが不思議ではある。念動力で飛ばそうとしているのだろうか(笑)?まあ、気分(というか気合いの入りよう)の問題なんだろう。それはそれで、重要ではある。
今日のテレビ中継、トラック競技担当のアナウンサー(林さん、でしたっけ?)が酷かった。我々の知りたい情報(例えば、400mリレーの3着の記録と日本記録の差等)を全く伝えてくれず、レースをよく見ていないのか、長距離走中に発生した転倒などのアクシデントも全く把握していない。何か事前に用意したデータやフレーズを並べて絶叫しているような実況であった。こういう人はスポーツ実況をやめるか、それともNHKで5年くらい修行してください。
9月29日(金)
五輪終盤戦の目玉マリオン・ジョーンズは走り幅跳びで敗れ、史上初の女子五冠はならず。というか、大会前から苦手と言われてた走り幅跳び、素人目にもはっきり下手なのがわかった。助走で脚力の強さは見せるものの、そこから跳躍への力の伝わり方がいかにも効率悪そうで、今回はそれに加えてファウルの連発がぎこちなさに拍車をかけた。勝ったドレクスラーは35歳のベテランながら、金メダル経験者だけに大舞台にも臆せず現在の力を100%出した(今季自己ベスト)。トラック短距離と違い、走り幅跳びでのジョーンズは言葉は悪いがむしろ「一発屋」という感じであって、ドレクスラーの方がずっと貫禄があって「女王」の名ににふさわしいと言えよう。
男子リレーの日本チームは400mと1600mで明暗がはっきりと分かれた。400mは日本タイ記録をマークする快走で5位に入り、見事決勝進出。朝原がアンカーに控えているおかげで伊東を強豪揃いの2走に使えるのが大きい。各国がギリギリの勝負に出る決勝では引継等のミスも出やすく、日本は予選を上回る快走を見せれば思わぬメダルが転がり込んでくることもあり得るのではないだろうか。昨日ギリシア人選手が200mで金を取ったばかりでもあり、風は非黒人勢に吹いているようにも思えるのだ。一方、1600mは2走の小坂田がバトンを落とす痛恨のミス。バックストレートでセパレートからオープンレーンに移行する際に前を塞がれアウトからも寄せられ、次のコーナーでついに接触、バトンが手からインフィールドへ転がった。セパレートのレースでない以上、明らかな走路妨害などでない限りこうしたアクシデントは「付きもの」であり、ある意味仕方がない。仕方がないのだが……レース後突っ伏して泣き続ける小坂田選手の背中を見て、思わずもらい泣き。
シンクロナイズドスイミングは、やる前からわかっているような順位ですな、こりゃ(むろん採点の基準などに疑問を抱いているのであって、競技を行っている選手たちを馬鹿にする気は毛頭ありません)。
夕方、青山の『モンスーンカフェ』で夕食。生春巻き、海鮮ビーフン、中華風の香草入りチキンサラダなど。やっぱりメシはアジアだぜ。
9月28日(木)
五輪陸上男子200mは伏兵ゲンデリス(ギリシャ)が優勝。ジョンソンとグリーンの不在等によるレベルの低さが幸いしたとも言えるが、それでもこの大舞台でボルドンら実力者を抑え、さらに自己記録を0秒16縮めての優勝だけに立派なものだと思う。陸上短距離で非黒人選手が勝ったのは久しぶりでは?
バレーボールの中継をやってるのを見て、たまらなく寂しい気持ちになる。レベルの高い世界の強豪の試合を観戦するのもいいが、やっぱり「自分たちと同じ言葉を話し、自分たちと同じような場所に住み、自分たちと同じような考え方をする」日本選手が出ていないと、イマイチ熱心にはなれないんだよなあ。
スカパーでJ2の大一番、浦和×札幌を観戦。序盤札幌が先制するも、前半半ばから浦和が一方的に押し込む展開になり、後半25分過ぎでついに同点(札幌のキーパー、ハイボールの処理下手すぎ)。ホームの大観衆の前で追いつた浦和が一気に調子に乗るかと思われたが、浦和がいっそう前掛かりになったことで逆に札幌のカウンターがキレ始め、終了間際にはむしろ札幌が決定的なチャンスを多くつくってそのまま延長突入。最後は浦和DFのボール処理ミスからエメルソンが右サイドを縦に抜けてグラウンダーのセンタリング、アウミールがバーにあてたリバウンドをビジュが押し込んだ(ブラジルトリオの三段シュート!)。まあ、両チームがガリガリと削り合い、ボロボロのグラウンドに負けず劣らず荒れた試合になったが、最後はエメルソンの破壊力がものをいった。
一方、大分は甲府を4−1で順当に下し、これで2位浦和と3位大分の勝ち点差はなんと2。残り試合は8。浦和サポの皆さんは「こんなはずではなかった」とお思いでしょうが、これがJ2なんです。ここまで来たら、どっちもがんばれ。でも、浦和の選手はみんなヤンキーみたいでなんかヤだから、やっぱり大分がんばれ(笑)。
9月27日(水)
残り少なくなったオリンピック。まだまだ見るよーん。
まず、野球。日本は3位決定戦で韓国に敗れ、4位。松坂は相変わらず150qを超える剛速球を連発して7回までに10三振を奪ったが、8回に守備のミスも絡んで3失点。またしても好投は報われなかった。打線はコントロール抜群の相手投手に完璧に抑えられ、9回に1点返すのが精一杯。
この大会、何といっても敗因は打線だ。中軸には何とかプロ選手を揃えたものの、下位の弱さが目についた。アメリカはともかくキューバ・韓国のフルメンバーと比べれば、厚みで見劣りするのは否めない。また守備の面では、古田の不在がやはり痛かったのではないだろうか。鈴木は、有望株とは言ってもまだ中日でも控えキャッチャー。リードが単調になったところで直球を狙い打たれる場面が多かった。アメリカ相手に2失点、キューバ・韓国相手に3失点は上出来とも言えるが、黒木・松坂の出来を考えれば、これほど競り合いで負け続けたのは残念ではあった。いずれにしても、最強メンバーで臨めず、かつメダルを逃したのは痛恨としか言いようがない。
ただし、試合後の光景は次への希望を持たせてくれるものでもあった。プロ・アマ問わず、一様にうなだれる選手たち。鈴木はうつむいて涙を流し、中村・松坂も目を赤く腫らしている。「アマチュアチームに飛び入った助っ人」ではなく、まさに仲間とともに勝利を目指す「チームの一員」としての姿がそこにはあった。様々な垣根を超え果敢に「世界一」を目指した彼らに比べれば、サマランチの名を持ち出して五輪を罵倒し、思うままに形を変えた井の中でひたすらはしゃぐ某在京球団のオーナーが、なんとチンケな人間に見えることだろう。鈴木、アテネまでには日本一のキャッチャーとなっておけよ!!
陸上では、棒高跳びでセルゲイ・ブブカがなんと予選落ち。助走のスピードからして全盛期とは比べるべくもない感じだもんなあ。6m台の世界記録を思うままに出していたあのブブカが5m70に全く歯が立たないとは、時代も変わったものだ。それでも、「やれると信じる限り挑戦する」姿勢はスポーツ選手としてきわめて健全だとも思う。
今回の五輪は出番が少なかったガンバ大阪の宮本君、どうやらプレミアリーグのウエスト・ハムからオファーが来ているようだ。ガンバ大阪は2002年まで国内にとどまってほしい意向のようだしサポーターとしては気が気ではないかもしれないが、僕としてはぜひとも行ってもらいたいものだと思う。フィジカルの強い選手が揃うプレミア・リーグで知性派の宮本がどんなプレーを見せ、どのように成長していくかには非常に興味があるし、何よりも日本代表が数年前のフランス代表のように海外移籍選手を多く輩出することで急激に強くなってほしいと思うのだ。
9月26日(火)
五輪女子体操個人総合で優勝したルーマニアのラドゥカン、ドーピング反応で金メダル剥奪。報道に寄れば本人に全く悪意はなく、医師に処方された風邪薬を飲んだだけで、検出された禁止薬物も体操の競技力向上には役立たないとのこと。反ドーピング運動を展開するIOCが、今年に入って陸上等におけるドーピング処分の不充分さ(オッティやソトマイヨールのケース)に釘をさす意味もあってか、軽い違反に対しても厳格な態度を貫いた形になった。しかし、これはあまりにも人間味を欠いた処分ではないだろうか、と僕は思う。一皮むけば薬漬けとも言われる現代のトップアスリートの世界において、確かに「反ドーピング」は一つの大義であろう。だが、16歳の罪もない一人の女性を奈落の底に突き落としてまで、「反ドーピング」は貫かなければならないものなのか。弱いものを守れぬ大義に価値はあるのか。そして、そもそも競技力に関係のない範囲での薬物反応にまでヒステリックに反応する現在のドーピング規定が、はたして正常と言えるものなのか。僕は、はなはだ疑問に思うのだ。
女子ソフトボールは、宇津木のホームランで先制するも逃げ切りかなわず、延長戦の末アメリカに敗れて銀。最後は8回の裏、急に強く降り始めた雨がエース高山の球威を奪い、さらにレフトのエラーを誘発した形になった。不運ではあったし、本人たちもさぞかし悔しかろう。目を真っ赤に腫らした姿が痛々しい。でも、彼女たちは確かに「世界のてっぺん」を目の当たりにしたのだ。それは世界中の中でほんのわずかな選び抜かれた選手にしか許されないことだ。どうか、胸を張り、堂々と銀メダルをさげて帰ってきてほしい。
野球は、ジョニー黒木の熱投も空しく、0−3で完封負け。ああ、この強いキューバと本当の全日本の試合が見てみたい!!松井や高橋や上原はどう思っているのだろう?
夜、NHK五輪中継で「ガーラ」という、体操のエキシビジョンのようなものを見た。新種目のトランポリンを含め、各種目のチャンピオンたちがBGMとスポットライトの下でリラックスした演技を披露。皆、目標達成後とあって競技中とは正反対に実に楽しそうで、テレビの前の僕たちもハッピーな気分にさせられた。特に印象的だったのは中国の選手達のユーモア溢れる仕草だ。昔は共産圏の選手と言ったら使命感に満ちた険しい表情が四六時中張り付いている印象だったのだが、もうそんなイメージもなく、あん馬の上でおどける姿も実にほほえましい。閉会式以外でのこういう時間は、実に貴重で、素晴らしく、僕は大好きだ。
ところで、今回男子体操の中継で解説をつとめていた具志堅さん、この人は元世界チャンピオン・金メダリストなのに少しも偉ぶったところがなく、的確な技術的解説と選手の立場に立った話し方で非常に好感が持てるのだが、今日は最後の日で緊張感も解けたか、アナウンサーと二人でおやじギャグ攻撃をかましてくれた。最も印象的だったのは、「ガーラ」の終盤に世界チャンピオンたちが一斉に演技する場面で、男子平行棒の優勝者(中国の選手)がふざけて(?)女子用の段違い平行棒の前に立った時、「これは、勘違い平行棒ですね」……。何でも許せる、楽しい夜でした。
昨日僕はマイケル・ジョンソンについて「一時期ほどの圧倒的な強さは影を潜めてしまった印象」と書いた。着差はともかく4コーナーの迫力が全盛期ほどではないと感じたからだが、どうも彼は手を抜いていた(というか、記録狙いの走りをしなかった)らしい。今回は陸上競技、雨や寒さでコンディション悪いからねえ。しかし、全力でなくてあの楽勝かあ。前言撤回。やっぱり化け物です。
9月25日(月)
今日は平日ながら仕事は休み。
午前中表参道から渋谷までぶらぶらした後、銀座線で赤坂まで出て『じゃんがららあめん』で「ぼんしゃん味玉入りきくらげ多め」と「めんたいごはん」を食す。そこから地下鉄・JRと乗り継いで中野へ。久々(1年ぶりくらいか?)にブロードウェイへ足を運んでタコシェ等で買い物。で、JRで帰宅。この、特に意味のない時間の使い方が、実に贅沢でいい気分だ。
昨晩の劇的な幕切れにも関わらず、五輪に押されてか巨人の優勝はそれほど世間的な関心を集めていない様子。まあこの件についてはいろいろ思うところがあるので、近々コラムの方でまとめます。
五輪の方は、ついにソフトボールが決勝進出。相手は王者アメリカ。予選で勝っているとはいえ、全く油断のならない、というか未だはっきり格上の相手だ。個人的には野球の方は金メダルが苦しいと思っているので(準決勝の相手がキューバだし)、ぜひソフトボールの方で快挙を達成してもらいたい。他の競技に比べても決して恵まれない環境で苦労してきた選手たち。そして、アトランタではもう一歩のところで涙をのんだ(4位)選手たち。彼女たちの笑顔が見たい。
体操男子は、塚原直也が鉄棒で落下して日本は2大会連続のメダルなし。昨日のハンマー投げ室伏もそうだが、大会前の好調が嘘のようである。五輪独特の雰囲気・環境がそうさせるのか、それともコンディションのピーキングに失敗したのか。いずれにせよ、体操は日本人の体格が大きなハンデとならぬ数少ない競技だけに、世界との差をあきらめず縮めてほしいと思う。
陸上男子400mはマイケル・ジョンソンが史上初の連覇達成。一時期ほどの圧倒的な強さは影を潜めてしまった印象ではあるが、偉業には違いない。ただ、純金を用いたシューズの話がな…。それが素材として合理的とはいえ、どうしても裕福さをひけらかす印象がしてしまうんだよなあ。貧乏人のひがみでしょうか。女子400mは最終聖火ランナーだったフリーマンが優勝。ウイニングランでアボリジニの旗と豪州国旗を両手に持って走ったのはちょっと政治的なにおいもしてしまったのだが、どちらか一方というのも不自然なので仕方がない。いずれにせよ、パワフルなストライドからの加速によって、4コーナー回ってから一気に他を置き去りにした走りは素晴らしかった。
『Number』506号読了。藤島大による、キューバ選手団のレポートが秀逸。相も変わらぬ藤島節が響き渡っている文章だが、特に最後の一文はオリンピックというものの価値を正しく言い表しており、心に残る。また、マラソン女子選手の大会直前までの道程を追った増島みどりのレポートは、レースの後になって読むと……やっぱり五輪って残酷だね。当たり前の話だが、一人の勝者、三人のメダリストの周りには、願いかなわなかった無数の選手達のドラマがあるのだ。
9月24日(日)
二日酔いにもめげず、今日も朝から五輪観戦。
女子マラソンは日本の高橋尚子が世界の強豪相手に完勝。「序盤スローペース→中盤自分で抜け出してペースを握る→終盤のスパートで突き放す」という完璧な内容。これまで国際舞台での活躍が少なかったためにレース前の下馬評はロルーペやシモンよりも下だったが、実際のレースでその評価が間違いであることをはっきりと示した。タイムも23分台と上々で、文句なしの世界チャンピオン。三度のメダル獲得によって名コーチの座を不動のものにした小出監督ともども、皆に祝福されて笑顔笑顔のレース後でした。おめでとう。
2位に入ったシモンも、一旦は高橋に離されたものの、大阪国際の時と同様の驚異的な粘りを見せ、最後は50メートル差まで追い上げた。彼女の方が金メダルとったとしても、少しもおかしくない強さだった。7位に入った山口は高橋について行かずに自分のペースを守り、見事入賞。給水所での転倒もあったし体調自体も良くはなかったのかも知れないが、堅実なレース運びで結果を残した。入賞を逃した市橋も、抜け出すランナーをマークする自分なりのパターンのレースをした。というか、あそこで高橋についていかなかったら優勝はないわけだし、彼女は選考の経緯(これは本人の責任ではないけれど)からして金メダルを狙わなければならない立場だったのだから、勝負に行ったのは間違いでないし、結果については仕方がない。タイムだって、自己ベストと比べれば、決して悪かったわけではない。
それにしても、今日のマラソンコースは凄まじいものがあった。高速道路や橋をも利用したコースはアップダウン、特に登りが激しく、後半部分はまるで箱根駅伝の4〜7区を見ているようだった。そのタフなコースを好記録で走りきった後すぐにけろっとして笑顔を振りまいていた高橋は、やはり化け物である。
夜、女子マラソンの表彰式。高橋さんの笑顔って、愛嬌あるなあ。見ている方もにこにこしちゃうね。あと、レース中の沿道の応援・スタジアムでの大観衆を見た時も思ったが、オーストラリアの観客は他の国の選手にも暖かく、それなりのマナーをわきまえてる感じ(自国の選手が絡むと違うのかもしれないが)だ。勝者を讃える拍手はボリュームがあり、表彰後国歌が流れる時にはきちんと起立して静粛にする。1988年某国での五輪とは、えらい違いである。
その表彰式の前、ちょうど男子走り高跳びが行われている最中に、突然の豪雨がスタジアムを襲った。「中断するかな?」と思ってみていたのだが、大会規定によるものなのか、大雨の中競技を続行。滑る足元・霞む視界に能力を奪われたソトマイヨールら有力選手達は次々に失敗し、たまたま雨の直前に一人だけ2m35(これは五輪レベルでは平凡な記録)を跳んでいた選手が優勝。まさに、勝負は時の運。
昨日のサッカーについての報道を見ていると、今のところ中田へのバッシングも、酒井や高原への非難もそれほど大きくはないようである。
一晩明けて、今回の結果の評価について、あらためて難しいと感じる。確かに2勝をあげ、メキシコ五輪以来の決勝トーナメント進出は果たした。内容もまあまあ良かった。ブラジル相手にも一歩も引けを取らなかった(ブラジルが弱かっただけという説もあるが)。さらに最後の試合については審判の問題等、不運もあった。だが、4年前の西野ジャパンだって内容はともかく2勝をあげたのだし(むしろ予選の組み合わせは今回よりきつかった)、事前の準備などは今回の方がずっと恵まれていたと言える。むしろ単純に2つの五輪を比べた場合、「スカウティング重視で相手の弱点を突く」のか「自分の良さを徹底して押し出す」のかの手法の違いであって、目に見える結果として成し遂げたことは同じであったとさえ言えよう。今回の監督トルシエは、才能溢れる五輪代表を最初からメダルを目標とする「志が高い」チームに仕上げてきたのだが、それは4年前と現在の状況を比べれば当然の事であるし、試合中の指揮能力については西野監督と同様の問題を抱えているように見える。うーん、考えれば考えるほど「この4年間でポテンシャルは高くなり内容も向上したが、結果は変わらなかった」という結論に落ち着きそうだな。
さて、見た目とは違って気の小さい某フランス人監督のコメント。「選手たちは疲れているように見えなかった」って、おい!!トラップすら満足にできぬ高原、弱いパスをカットされては力無く天を仰ぐ中田、カバーリングに戻ることすら困難になった酒井と稲本。あの彼らの姿を見て、「疲れているようには見えなかった」だあ!?
へー、巨人優勝したんだ。ふーん。
9月23日(土)
柔道のフランス選手団長が「あれはまったく正しい判定だった」とのコメント。ふーん、やっぱりね。
今日も今日とて昼間っから五輪観戦。
サッカーでもそうだが、野球の日韓戦も時と場所を問わず名勝負になるねえ。1回韓国オールスター打線のいきなりの集中打と中村の反撃打、中盤立ち直った松坂の剛速球、7回ピンチの場面での日本のチーム一丸となった守り、9回鈴木の鋼鉄のブロックと韓国ライト炎の返球、10回表裏に見せた両チームの執念。野球というスポーツの魅力が存分に詰まった好ゲームだと思う。特に印象に残ったのは、7回表の中村の守備。2点差に突き放された勝負所、3塁側ファウルグランドに上がった小フライへ、大きな体を不器用に転がしながらも懸命に飛びついた。打席に立った姿の迫力と豪快な空振りといい、彼には人の心を揺さぶる何かがある。
競泳最終日、女子400mメドレーリレーで中村・田中・大西・源の日本チームがドイツとの接戦をコンマ16秒制して3位。ドラマティックなレース展開に加え、これまでプレッシャーの中苦労し続けた4人が目を真っ赤に腫らして喜び合う姿に、インタビュアー・実況アナ・そしてテレビの前の僕も皆声を詰まらせた。このレース、確かに4人とも素晴らしかったのだが、レース前の思惑からすれば中村・田中でそれなりのリードを奪わなければいけなかったはず。実際には第3泳者につないだ時点で5位という苦しい展開に。苦境のチームを救ったのは、最年長25歳、最も地味(失礼!)だった大西だった。素晴らしいペースで一気に3位浮上、4位に体半分ほどの差をつけた。長野五輪ジャンプの斉藤を連想させる活躍ぶり。これで多少なりとも余裕を持ってレースを作れるようになった源は、ドイツに抜かれても慌てずに残り15メートルからスパート、ゴール前でぶち抜いて見事銅メダルをゲットした。大会前にはいろいろあった競泳ですが、選手にはそんなことは関係ないはずで、心から祝福できる、本人たちにとっても周りにとっても幸せな結果だった。おめでとう。
男子サッカー準々決勝、日本 2−2 アメリカで、PK戦4−5で敗退。ああ、ここまでだった。結局、煮え切らないサッカーに戻って終わってしまった。負けた位置も非常に中途半端(ここさえ勝てば、あと2試合やれたのに)。
レフェリーと副審のひどさは言うに及ばず(DFが手を挙げたら即オフサイドなんて、そんなら審判いらないじゃん)、決定的なチャンスを外した中田・高原、よりによって後半終了間際に相手の肩に手をかけて引き倒した(ように見えてしまった)酒井、アメリカのアメリカらしからぬ粘着質のサッカー等、敗因はいくつも挙げられると思うが、僕が問題にしたいのはやはり采配である。結局、少なくとも今回に関してトルシエは、選手達を「別の地平」へ連れて行ってやることはできなかった。そして、彼自身のサッカースタイルを確立することも、やはりできなかった。ブラジル戦の前に公言していたように「日本人には引き分けの発想がな」く、あくまで彼が監督として「攻撃サッカー」を目指そうとするのなら、なぜそれを決勝トーナメントでも貫徹しない?今日の日本は中田の出来がいまいちで、かつ終盤・延長では疲労困狽の選手がたくさん出てきていた。なぜ、そこで選手交代を駆使して攻撃サッカーをとことん貫かないのだ?本山を出さなかった理由は?平瀬を用いなかった理由は?今日のトルシエの選手交代の内容・時間帯は全くおかしいものだと思う。世界大会に才能溢れる選手を擁して臨むことの緊張感に押しつぶされたのか?試合後のインタビュー、テレビカメラの前で伏し目がちなトルシエの姿を見て、サッカーファンはどう思ったのだろう。彼に2002年を任せられると、改めて思ったりしたのだろうか?ホント、何度も言うように、トルシエはコーチとしては一流でも、現場指揮官としては二流以下だね。
これで、五輪に対する興味関心が半減してしまった。
夜、赤坂で仲間とやけ酒。何を話したかよく覚えていないのだが(笑)。
ブラジルも準々決勝で敗退?あーあ。
9月22日(金)
男子柔道100s超級でフランスのドイエ、日本の篠原にインチキ勝ち。最も疑惑の場面(篠原が思わずガッツポーズした奴)、確かに先に技を仕掛けたのは相手だし体は両者ともに飛んでいるのだが、柔道って相手を背中から落とす競技でしょ。あれでドイエのポイントだったら、そんなの相撲じゃん。篠原が今まで十何年も(二十何年?)技と身のこなしを鍛えてきたのは何だったのだろう。もはや今回の判定が覆ることはないだろうし、相手がフランス人だけに今後もこの件が日本以外で問題になることもないのかもしれない。しかし、これから日本柔道関係者はあらゆる精力と知略を傾け、何が何でも国際審判のレベル向上(あるいは、審判の公正さを保証する仕組みづくり)を果たさねばならぬ。誰よりも、まず篠原のために。もはや、「潔く」などと言ってられません。
競泳は、女子背泳ぎで中尾が3位萩原が4位、男子バタフライで山本が5位(自己ベスト=日本新)。よーく頑張りました。
今日の民放五輪ダイジェストはTBSの番。モーニング娘のオープニングに続き、いきなり寺脇が「シドニーのヤ、ワ、ラ、ちゃ〜ん!」と田村亮子に振り、インタビュアーは小谷実可子(笑)。スポーツ中継番付5位(船越以下)相手に、もはや怒る気にもなれませんな。柔道のウソ判定をもう一度確認して、5分でチャンネルチェーンジ。
明日はサッカーの準々決勝。決勝トーナメント進出が決定した瞬間からテレビや新聞では楽観論が流れまくりで、それがかえって怖い。あまり戦ったことはないけど、アメリカってサッカー強いっすよ。特に今回はサイド攻撃が強力だと聞いているので(僕自身はあまり見てないけど)、日本の弱点−サイドハーフの後ろ−を突かれる危惧もある。恐れる必要はないが、油断はならん。なにしろ、強い相手とよく戦った試合の次こそが、一番怖いのだ。
9月21日(木)
男子柔道の井上、強すぎ。ダントツ。圧倒的。今現在100s級と100s超級の力関係がどうなっているのか知らないが、もしかしたらこの男が柔道で世界最強なのではないだろうか。とにかく技のキレと体格・パワーのバランスが素晴らしい。もし1国2人以上出れる無差別級があれば、さぞかし面白かろうに。
ソフトボールは強豪相手の連勝後、カナダにまさかの苦戦。打線は拙攻を繰り返し、ようやくリードした延長10回でも頼みの剛腕・高山が連投の疲れからかピンチを招き、ヒヤヒヤものの逃げ切りであった。
この試合、印象に残ったのは10回の裏、カナダ攻撃で2アウト2・3塁の場面。バッターはこれまで13打数1安打の成績で、高山からすれば難なく打ち取れる相手のように思え、速球を空振りさせて簡単に2−1のカウントに追い込んだ。日本からすれば、一気に押し切ってしまいたいところ。相手は苦し紛れにバッターボックスを外したが、むろんそれだけではゲームの空気は変わらない。「次の球でゲームセットか…」。だが、その相手がボックスに戻りかけて「さあ、三振とって終わりにしようぜ」という瞬間、日本のキャッチャーが立ち上がってマウンドの方に数歩進み、間をとってしまったのだ。キャッチャーは2アウトであることを確認し、味方を励まそうとしたのだが、そのタイミングは明らかに「間の悪い」ものだった。案の定、予想外に時間が稼げていささか余裕を取り戻したバッターは、次の高めの速球をファウル、さらにその次の速球を素晴らしい当たりではじき返したのだ。結局その打球はサード宇津木の好捕に阻まれて日本は逃げ切りに成功するのだが、もしあれがヒットだったら「一瞬の間が作り出した勝負のあや」ということになっていたのかも知れない。
ともかくも、僅差の勝負を続けてものにして日本チームは銅メダル以上が確定。野球も連勝を続けてはいるが、今、それ以上にソフトボールが熱く、面白い!!
9月20日(水)
祝!決勝トーナメント進出!!
というわけでサッカー日本五輪代表は敗れながらも(日本 0−1 ブラジル)、南アがスロヴァキアに1−2で敗れたためにグループ2位で決勝トーナメント進出決定。詳しくは観戦記で。いや、一時はどうなることかと思ったが、これでもうしばらく楽しい思いをできそうである。
この試合、BSで見ました(笑)。中田浩がひどいファウルをくらって負傷し、にもかかわらずカードが出なかったとき、解説の金田さんが広島弁丸出しで「何見とるんや」と審判批判していたのが印象に残った。解説も熱くなる、ホットな試合だったということだ。
同じく五輪のソフトボールは昨日の金星に続いて延長戦でオーストラリアを破り、日本4連勝。えてして金星の後というのはアトランタでのサッカー代表のように力が抜けて負けてしまうもので、今日の日本もなかなか得点できず苦戦。しかしまたしても剛腕高山のリリーフが素晴らしく、2日連続の延長戦をものにした。
ソフトボールといえば野球に比べて柔な印象のあるスポーツだが(学校の体育でよくやるせいもあるのだろう)、しかしオリンピックともなるとその迫力たるや凄まじいものがある。あんな速球、男の僕でも絶対打てないし、連係プレーも目が回るようなスピーディさだ。これまであまり興味のなかった人も、ぜひ一度見て欲しい。
柔道ってのも、もっとも番狂わせの起こりやすいスポーツの一つかもしれんね。
9月19日(火)
帰宅後、毎度毎度の五輪観戦。
男子柔道では「最も期待されていなかった男」瀧本誠が金。優勝インタビューで号泣しながらの「何だかわからないうちに勝ってました」は今大会屈指の名台詞だろう。女子の前田さんの方は、気合いが空回り。「どんなポイントをとられたか覚えていない」というのだから、きっと緊張で頭の中真っ白になっちゃったんだね。
競泳では、ソープが3つ目の金を手にする一方、100m自由形では200mでソープを破ったファンデンホーヘンバントが驚異的な世界新で準決勝突破。巨体を生かした大きくスムーズな泳法で好ラップを刻んで行くソープに対し、スピード感溢れるシャープな泳法で加速していくファンデンホーヘンバント。今回の200mではファンデンホーヘンバントが勝ったものの、まだ17歳のソープにはいくらでも挽回の余地はある。陸上短距離におけるジョンソン×グリーン世紀の対決は不発に終わったが、水の中での世紀の対決はこれからも大いに楽しめそうだ。
ソフトボールは、日本がなんと30年ぶりにアメリカに勝利。アメリカはここまで112連勝(!)と無敵の王者だったのだが、日本は好投・好守の甲斐あって粘りに粘り、ついに11回の表に相手のミスを誘って先制、裏の大ピンチも剛腕高山の踏ん張りでしのぎきった。アメリカの投手の投げる球は凄まじく実力では相手が上とも思われたが、やっぱり戦いというのは何が起こるかわからない。どんな試合でも投げてしまわず、必死に食い下がるからこそ番狂わせも生まれるのだ。我々は4年の時を経て、再びオレンジボウルで起こったのと同じ「奇跡」を目にした。そして、さあ、明日は4年前の「奇跡」が「実力」に変わる場面を目にしようじゃないか。
明日のブラジル戦、地上波のフジテレビもNHK−BSも、TBS清水が実況で解説金田喜稔というのは同じだが、フジの方はスタジオコメンテーターで風間八宏、西野朗、藤島親方(笑)だそうである。みんな、BSを見ようぜ。
9月18日(月)
夕方、五輪競泳と体操団体決勝を観戦。競泳100m背泳ぎでは中村真衣が日本新で銀。レース直後の(心の中では悔しさもあったろうに)笑顔と喜びのコメントが素晴らしく、何とか「本当は金が欲しかった」というコメントを引き出そうとするインタビュアーが無粋、というか馬鹿に見えた。注目の「足35センチ」イアン・ソープは200m自由形で敗れ、4冠ならず。今回から準決勝制が導入されたこともあり、さぞかし疲れが溜まっていたのだろう。お疲れさま、というしかない。
ちなみに近頃あちこちで話題沸騰(笑)の日テレ船越アナ、今日も100m平泳ぎで、田中雅美は早々とトップグループから遅れをとっていたにも関わらず「3位争いに浮上!」などとありもしない幻をでっち上げていた。な〜にが「結局6位でした」だ。もうこれ以上傷口が広がる前に途中帰国した方がいいんじゃないか?
体操男子は、予選に比べて各選手の健闘が目立ち、苦手の平行棒も何とかこなして残り2種目の時点で2位。ところが、肝心の床でラインオーバーの減点を連発。勝負弱さを露呈してしまった。無難にまとめるだけで、銅メダルには手が届いたのだがなあ。絶好調笠松が抜群の切れ味を見せていただけに、何とももったいない4位に終わってしまった。演技中のハラハラドキドキと、着地が決まった時の「よっっっしゃあ!!」と叫びたくなるような快感はとても楽しめただけに、僕としても残念極まる結果だ。
今日結果を聞くまですっかり忘れていたのだが、昨日、日英大学ラグビー対抗戦の第3戦があり、関東学院大学が20−19でオックスフォードに勝利。試合を見てないので内容はよくわからないけれども、これは快挙といって良いだろう。何しろ、相手はイングランド・南アの州代表クラスがゴロゴロいるメンバーなのだから。今年の関東学院は、伏見工のキャプテンとして3年前の花園を沸かした今村という冷静沈着なSOがレギュラーに上がってきたので注目だとは思っていたのだが、日本一奪回へ向けてまさに絶好のスタートである。
9月17日(日)
朝、5回目の温泉に浸かったあと、またしてもダラダラと五輪観戦(我ながら、何やってんだか)。日本競泳陣では、女子背泳ぎが期待が持てそう。野球予選日本×アメリカは松坂の好投も空しく、延長の末サヨナラ負け。まだ一試合だから何とも言えないが、日本は打撃陣にやや不安があるのかもしれない。木製バットになった今回、長打力は松中・中村・田中あたりにある程度頼らなければならないが、今日のように試合展開によって彼らが交代すると、途端に攻撃力が減殺されてしまう。もう2〜3人長距離打者がいれば良いのだが。
そういえば、野球チームの連中が大会中ホテル住まいで、特にプロ選手はスウィートルームが用意されているという新聞記事を読んだことがあるが、ホテル住まいはともかく、プロに特別待遇はまずいんでないの?今回のチームは「全日本」であって、プロに「来ていただいている」訳ではなく、ただプロ側の事情(というか無理解)で最強メンバーが組めなかっただけだ。本来はアマもプロもなく、同じチームの一員のはずなのだ。どうも野球の場合、プロとアマの交流がなかったせいか、プロのアマに対する見下し方が激しいような気がするんだよなあ。ナベツネ的価値観というか、何というか。こんなことやっているようじゃ、本当の「日本代表」ができるのはまだまだ先のようだね。
他の連中は雨の中東京まで車で帰るのに、僕一人「サッカーに間に合わない」という理由で新幹線で帰京(他のみんな、ごめんなさい)。3時39分に越後湯沢を出発し、キックオフ5分前に何とか家に帰り着いた。
で、サッカーは日本 2−1 スロヴァキア。思惑通りの2連勝。
まず今日はとにかく稲本が良かった。巨漢揃いのスロヴァキア選手に全く当たり負けず、攻守に渡って大活躍。特に攻撃では積極的に前線へ飛び出し、2点目をマークするなど、中田不調の穴を埋めるに充分な暴れぶりであった。他の中盤・攻撃陣も前回のような堅さも見られず、それなりに好調な様子。明神は超人的な運動量でスロヴァキアのアタッカーをフリーにさせず、三浦は両サイドを切り裂いてチャンスメーク・アシストで勝利に貢献。俊輔もサイドでは相変わらず守備に追われたものの、中央にシフトしてからは変幻自在の動きで流れを日本に引き寄せた。高原・柳沢の両FWも引き続き好調で、得点こそ無かったものの及第点の出来であったように思う(柳沢には相変わらず「シュート入れなきゃFWじゃねえ」と言いたくなるが)。不調だったのは中田で、パスはぶれるわ球離れは遅いわで、得点したのが唯一の見せ場だったくらいだが、彼がダメでも何とかなるのが今の日本の好調さ。
懸念していた3バックも、スロバキアが守備的陣形でかつトップに南アほどの能力がなかったのと、日本が開始早々はほとんど5バックのポジショニング、前半途中からは「敵がサイドを上がってきたら逆サイドのウイングハーフはDFラインまで下がってスペースを埋める」動きを意識して行った(俊輔・淳宏お疲れさん!)ため、崩される場面は思ったより少なかった。後半俊輔を真ん中、三浦を左サイドに配して攻撃態勢に入ってからはややスペースを埋める意識が低下し、終盤の反撃をくらう一因になったが、これは試合展開への対応でもあり、ある程度はやむを得ない。少なくとも、トルシエがフラット3の弱点について全くの無策ではないのはわかった。
問題なのは、後半途中の俊輔の交代だろう。俊輔の中央でのプレーからペースを完全につかんでいた時間帯、得失点差を考えればできるだけ点を稼いでおきたいところ(しかも途中経過では南アがブラジルをリードしていた)で、全く意味不明の交代である。次戦出場停止の中田は最後まで頑張らせて、俊輔は次に備えて休ませようとしたのか?しかしまだ若いチームが「たったの」2点差でまだ充分に残り時間のある状況、ちょっと早すぎるでしょう。事実日本はその後攻撃のペースを維持できなくなり、一点を返されて冷や汗ものの勝利となってしまったのだ。トルシエの不可解采配が、本番でも出てしまったということになるだろうか。ただ、それでも、終了間際の一対一を平瀬が決めてくれればまだ良かったのだが…。
試合終了後、スタンドや選手は決勝進出を確信してか手放しで喜んでいたが、実況の山本アナからは「南アが3−1でブラジルに勝利」という信じられない情報が。現時点で気づいている人はまだ少ないようだが、これで非常にまずいことになった。今日日本は1点差でしか勝てなかったため(平瀬ぇ!!)、20日に南アがスロヴァキアに勝った場合(スロヴァキアは目標を失っており、おそらく勝つだろう)、もしブラジルに負ければ得失点差(同点の場合は直接対決の結果)で南ア・ブラジルを上回ることは不可能だ。つまり、ブラジルに引き分けるか勝つかしかない、という状況なのだ。逆にブラジルは負ければ屈辱の予選敗退となってしまうため、次は死に物狂いでくるだろう。しかもブラジル戦は中田・森岡が出場停止。やばい、とてもやばい。もしかして、2大会連続で「2勝しながら予選敗退」か?そんな歴史的珍事はいらん!!
今日のNHK山本アナの実況と、先日の日テレ船越アナの実況を比べてみれば、違いは一目(?)瞭然すぐわかるね。日テレさんよ、サッカーを、サッカーファンを馬鹿にするなよー。
9月16日(土)
朝から温泉に浸かり、引き続きいい気分。
午前中、ダラダラと体操男子・競泳の予選などを見る。体操ってのも、微妙な競技だけに、緊張やら気負いやらがストレートに出る種目ではある。日本、ギリギリの予選突破。競泳では、足が35センチあることで有名、豪州のスーパースター、ソープの化け物ぶりが目立った。予選ということで流してる様子なのに、他の選手との差がグングン開いていき、気がつけば五輪新記録。まあ、ここまでくると世界新記録出せなきゃ負け、くらいのものかもしれんね(決勝では、見事自己ベスト=世界新達成)。
午後、仲間が釣りをしている間に車で買い出しに出かける。実はこれが2年ぶりの運転であった。あまりに久しぶりなもので、最初アクセルとブレーキのペダルを見て、どっちがどっちかわからなかった(実話)。それでも一旦スタートしてみれば昔の勘がよみがえり、それなりに運転できるものだ…って、ふと気がつくと、俺、左側の巻き込み確認してなかったわ。ああ、人殺しにならなくて良かった。
遅い昼飯に村田特製チキン・キノコカレーを平らげたあと、温泉に入って昼寝をし、ちょいとドラクエ7をみんなでやったあと、夕方から五輪柔道を観戦。田村念願の、そして野村復活のの金メダル。両方とも準決勝で実力者と対戦して大苦戦、そこをギリギリ勝ち抜いたあとでの決勝の鮮やかな秒殺一本勝ち。あまりにも劇的な勝ち方2連発に場内総立ち(日本人率8割以上?)なのがテレビでもよくわかった。観客席の中にFC東京のユニフォーム(?)を着た植田朝日さんがいたのもよく見えた(笑)。結局、柔道を最後まで見てしまい、今日帰る予定だったのを変更せざるを得なくなる。
田村亮子の表彰台と金メダルへのチュー(笑)を見届けたあと、遅い買い出し・遅い夕食。今晩は手巻き寿司でした。
その後、五輪サッカーイタリア×ホンジュラスを観戦。ピルロを欠くイタリア、シンプルながらも精度の高いスピード感あふれる攻撃で3点を奪い、快勝。ただ、わざとらしく倒れて時間稼ぎする選手が出るなど、U23らしからぬイタリアのずる賢い戦い方に観衆は相当反感を持ったようだ。ああいうことやってるから、イタリアって世界大会で勝ち上がっても喜ばれないんだよな。
夜中テレビから流れてくる歓声で目を覚ます。チェコ2−3クウェート?!あの、日本に6点とられたクウェートがチェコに勝っちゃったの?こういうのを見ていると、歴史的大事件だと思い込んできたアトランタでのブラジル撃破も、実はわりとありふれた事件だったんじゃないかという気さえしてきてしまう。サッカーは怖い。
9月15日(金)
わざわざ9月13日に「音声を切って見た方がよいかもしれない」と書いた日テレ船越アナの実況、サッカーファンの間で悪評だらけのようである。途中から本当に音声なしで見た人もいたらしい(笑)。「ゴール」絶叫28連発?こういう実況やるから日テレはスポーツ中継番付4位(テレ東より下)なんだよ!!
今日から越後湯沢へ旅行。
渋谷から9時半発の埼京線で大宮へ。大宮で乗り継ぎの時間に数年ぶりでパチンコ店へ入ったら、最初の500円でなぜか数字が3つ揃って球がじゃんじゃら出てきた。出てきた球をどうしたらよいか、どこで景品に換え、さらにどこで現金に換えたらよいかもわからず、オロオロする。結果、10分ほどのプレイで(列車の時間が来て席を立つ時に店員が「お客さん、まだ確変中ですよ」と言っていたが、意味がよくわからなかった)約5千円のプラス。こりゃあ、はまったら、競馬以上に中毒になりそうだなあ。
大宮から新幹線で越後湯沢へ。やはり乗換の電車が来るのを待つ間に駅構内の「ザ・イカ焼きKIOSK」なるイカした名前のスタンドで焼き鮎・つぶ貝串・ほたて串を買い込み、駅の休憩所で缶ビールとともに食す。旅先のこうした時間って、ホント幸せ。
で、越後湯沢から上越線で石打駅に出て、先発隊の車に拾ってもらって、後輩の家の持ちものである某リゾートマンションへ。1時前には到着。石打駅周辺はスキー場向けの土産物屋ばかりで、現在は開いている店がほとんど皆無。まるでゴーストタウンみたいだ。
午後、『湯沢フィッシングパーク』という名の管理釣り場(川を利用した釣り堀みたいなもんですな)へ。仲間6人のうち3人が挑戦、3時間ほどで戦果4匹…。お魚さん達の食事の時間は過ぎていたのかねえ。
買い出し後、部屋へ戻り、屋上の大浴場で温泉に浸かったあと、オリンピックの開会式を見ながら釣った魚のバター焼き+焼き肉をビールで流し込み、極楽気分のまま就寝。いい一日でした。
オリンピックの開会式も、いい加減長すぎる。もう装置を使った演出も見飽きたし、開会式前に競技は始まってるんだから、そろそろ開会式(というか選手入場)自体いらないんじゃないかね?
9月14日(木)
昼間、よこはま動物園『ズーラシア』へ。動物園などおそらく十数年ぶりであったので、様々な動物たちは皆非常に新鮮で可愛く、しばし童心に戻った。個人的にはインドゾウ・インドライオン・アムールトラ・オオワシ・ミナミアフリカオットセイ・キンシコウ・メガネグマあたりが好み。今年の4月にできたばかりなので施設もきれいで、広さも数時間かけて回るにはちょうど良い感じ。ただ、混雑時の導線を考えたのだろうが、回っている途中で「あの動物がもう一回見たい」と思っても順路にショートカットがほとんどないため、来た道をそのままもう一度戻らねばならないのがとても不便だ。
で、夕方から日本×南アフリカ。2−1で何とか逆転勝ち。はっきり言って辛勝であった。ああ、1試合で終わらなくて良かった。
高原の2得点が日本を救った形になったわけだが、彼に限らず攻撃陣はなかなか良かったのではないか?1点目は、FKから俊輔の放った低い弾道でかつブレーキのかかる、相手DFからすれば最も処理しづらいボールを高原が合わせたもの。あの球を蹴れる奴は世界にもそうはいません。2点目は中田の絶妙のタッチのスルーパスに高原が走り込み、GKの脇を抜いて流し込んだ。カウンターの速い流れの中でDFラインのギャップとそこから生じるスペースを完璧に読み切った中田のスーパーキラーパスと、それをきっちり決めた高原。今さらながら、日本サッカーの将来は明るいと思い知らされた。高原・俊輔・中田は守備でも貢献度が高く、また2トップのもう一角柳沢もゴールこそ無かったものの、巧みなダイレクトプレーでチャンスを作り出した。途中出場の本山もまずまずの動き。南アの動きが止まった終盤に決定力不足で追加点をとれなかったのは残念だったけど、攻撃に関しては合格点でしょ。
問題は守備陣。少なくとも前半の間、楢崎・森岡は世界大会初経験のせいか動きがぎこちなく、明神・稲本は南アの身体能力の高さに戸惑ったかズルズル受け身にまわり、DFは混乱して「フラット3」どころかギャップだらけの5バック状態になる場面が多く見られた(ここら辺、テレビ観戦だからあまり強いことが言えませんが)。最も問題だったのは中沢・中田浩の両ストッパー。相手アタッカーの能力が高く、またトルシエ流3バックは元々サイドを突かれるとストッパーの負担が大きくなるシステムであることは確かなのだが、それにしても(特に中沢は)あれほど一対一で抜かれては…。中沢はともかく、中田浩に関しては近頃だいぶDFらしくなってきていたのでモロッコ戦のあとにこんなことを書いたりもしたのだが、やはり高いレベルになると苦しいか。服部の欠場はこれから次第に重みを増していくのだろう。今日はピンチの連続ながらも俊輔の懸命の戻りと南アFWのミスに救われた形だが、次もこのメンツで行くとなると失点は覚悟しなければならないだろう。絶対、スロヴァキアはウイングハーフの裏突いてくるぞ。個人的には森岡・松田・中田浩(あるいは宮本)で行って欲しいのだが。
南アは世間で言われていたよりもずっと強かった。個人の身体能力は、はっきり日本より上だったように思うし、テクニック・スピードも二流国のそれではなかった。というか、今まで世間的に敵をなめすぎでしょ。次のスロヴァキアも、今日ブラジル相手にいい戦い(これまた新聞やニュースなどでは「ブラジル順当勝ち」程度にしか伝えられないのだろうが)をしており、強敵であることに間違いない。今日の守備の出来を見れば決勝トーナメントはおろか次の試合も決して楽観はできない。とりあえずは、トルシエが守備をどう立て直してくるか。スロヴァキア戦はそこが第一の注目点になるだろう。
9月13日(水)
今日からいよいよシドニー五輪。というわけでさっそく帰宅後、サッカーオーストラリア×イタリアの後半とカメルーン×クウェートの前半を観戦。オーストラリアは、U23欧州王者相手に非常に惜しい試合。W杯予選とかでもそうだが、オーストラリアって、いっつもあと一歩なんだよね。スピードもパワーも戦術もいいものを持っているのに、今ひとつ一本調子かつ不器用で、やられてしまう。逆にイタリアはさすがというか何というか、1−0できっちり勝利。カメルーン×クウェートの方は、どうということのない、平凡な試合だった(と思っていたら、チャンネルを変えた後に激しい点の取り合いに!)。
今日は中継がNHK−BSのみだったのだが、実況は山本浩アナと野地俊二アナで、国際大会にふさわしい実力を発揮していただきました。明日の日本×南ア戦は地上波では読売系の中継で、実況は日テレ船越アナ、解説は松木、ゲストにさんまだそうな。音声を切って見た方が良いかもしれない。
9月12日(火)
ショートカット別冊『スポーツミックス』の献本が届く。今回僕は2つの原稿と1つのチャット討論で参加したのだが、今日読み返してみたらチャットにおける発言で黄善洪と金度勲を間違えていた。深夜におけるチャットで意識もうろうだったとはいえ…サッカーファンとして恥ずかしいことこの上ない。韓国の方には大変申し訳ないっす。
この「スポーツミックス」は、プロ・アマ入り交じった様々な書き手によるスポーツ雑文集だ。自分も書いているから褒めるという訳ではない(ウソ。ちょっとある(笑))のだが、ボリューム・密度ともに満点で、読み応えは抜群。もうすぐ一部書店に並ぶと思うので、ぜひ買ってね。
9月11日(月)
宮台真司『自由な新世紀・不自由なあなた』(メディアファクトリー)読了。宮台の論説集としては最新のものだが、これまでの著書に比べ、冷徹な社会科学者であるにとどまらず、リベラリストとしての価値観をはっきりと前面に出しているのが特徴。特に、巻末に掲載されている見沢知廉『天皇ごっこ』についての解説文には、不自由かつ見返りの薄い戦いをめぐる彼の苦悩がよく表れており興味深い。
9月10日(日)
昼間、秩父宮で日英大学ラグビー慶応×オックスフォード。暑い暑い日差しの下、汗だくになって観戦。雨の時も晴れの時も、なぜ日本の主要スタジアムには屋根がないんだと、憤慨するのにももう飽きた。試合についてはこちらで。
試合終了ちょっと前にラグビー場から出ようとすると、スタンド裏で白人の男の子と女の子(多分兄弟なんだろう)がお母さんらしき人に見守られながら、ダミーボールでランパスをして遊んでいた。その子たちの表情は本当に楽しそうで、しばし足を止めて見とれてしまうほどいい光景だった。ああいう光景がもっと増えて欲しいよね。
夜、F1イタリアグランプリ。モンツァは僕の最も好きなサーキットで、今年のレースはそれなりに良かったのだけど、フジテレビの放送にちょっとした不満が。なぜ堂本光一君?
シューマッハーは勝利後の記者会見でなぜあれほど取り乱していたのか?
OVA『アモン デビルマン黙示録』を見る。今年発売の、本編を補完すべき新作。本編を観ていない人には何がなんだかわからないストーリーだが、ファンにとっては「空白期間」のエピソードを描いてくれるという意味で貴重だろう。「デビルマン」も、もともとはたかだかコミックス5巻分の物語に過ぎないのに、今では広がるだけ広がって果てしない奥行きのサーガを形成している。それも全て「デビルマン」の提示するテーマの深刻さ・普遍性と描写の異常さのせいなのだろうか。名作は、時代を超えて不滅だ。
で、雑誌や新聞で最近のオウム真理教信者入居拒否騒動を見るにつけ、「デビルマン」の人間狩りのシーン(特に牧村家のね)を思い出す僕である。だって、麻原の子供が住む家を大勢で取り囲んで「悪魔に人権はない!」とか叫んだりするんだぜ(実話)。やってることは人間狩りや中世欧州の魔女狩りと変わらないだろう。ビデオで見る「デビルマン」の世界の異常さと、現代日本の異常さと、大して変わりはないことは確かだ。
9月8日(金)
ラグビー日本代表のフランス・アイルランド遠征メンバー発表。さてどんなメンツになったのかなと見てみると、なんと、栗原も野澤も大西も入ってないじゃないか!何でも、「国内の試合日程を優先して」大学生は辞退したそうだが…何とかならんものかね、この代表軽視の風潮は。今、日本でラグビーをプレーする全ての者ににとって国内のリーグ戦とジャパンのヨーロッパ遠征とどちらが大切か、誰にでも分かりそうなものだ。ベストメンバーを組まないことによる惨敗への懸念、格下たるジャパンがメンバーを落とすことの不合理さ・失礼さ、栗原ら次代のジャパンを担う選手が数年に一度の貴重な経験(世界の一線級の強豪とのアウェイでの試合)を積めないこと等、デメリットは数知れない。慶応なんか昨シーズン日本一になってるんだから、今年はそれほどガツガツしなくてもいいだろうに。あるいは、平尾ジャパン自体の求心力が低下しているのだろうか?いずれにせよ、これで日本ラグビーは衰亡の道をまた半歩前進した、ということなのだろう。
9月7日(木)
今さら紹介するのも気が引けるが、「野球占い」は実に面白い。
ちなみに僕は「親子丼」で「5番 サード 背番号52 年俸15615万円 奥様の元の職業 女優」で分身が「現在、横浜の中華街の老舗の食堂で皿洗いをして」おり、「胸毛」で「でべそ銀行」で「100グラムあたり289円」で「松の湯」で「電動歯ブラシ」だそうな。知らない人には、何のことだかさっぱりわかりませんね。
9月6日(水)
夜、BSでプロ野球ロッテ×西武。小野と石井の熱い熱い投手戦の末に双方一歩も譲らず延長へ、と書くと聞こえが良いが、しかし9回終了時で9時50分っていうのは客をなめすぎではないですかね。一応、今日は「平日」だぞ。
9月5日(火)
強いねえ、若者達は。
日本五輪代表、五輪前最後のテストマッチでモロッコを一蹴。モロッコはそれほど強いようにも思えず(特にディフェンス)、また3点のうち2点がオウンゴール(2点目は凡ミス)だったこともあって内容に不満もないわけではないが、まあ雨上がりの悪条件下で先制されても慌てずにしっかり勝ちきったのだから大したものでしょう。また、(これはあちこちで強調されていることだが)トルシエジャパンでは一人の選手が複数のポジションをこなせるように訓練されているため、選手交代の気配があると「次はどの組み合わせで行くのだろう」と考えるのも楽しく、チームとしての幅・奥行きも広い。ただ、今日に限らず俊輔は最初から中央寄りの方が良いし、3人しか代えられない本番で効果的な選手交代が出来るかどうかはやはり不安なのだが。ともあれ、ここまで来たらもう応援するしかあるまい。
モロッコはクウェートに比べれば個人の能力はそれなりにあるものの、ぎこちないディフェンスとドリブル一点張りのオフェンスが「若い」印象を与えるチームだった。その中で、サイズがあって反応・思い切りの良いキーパーはなかなか良かった。わざわざ極東まで、お疲れさまでした。
2002年W杯の放映権を、なんとスカパーが獲得。日本戦や決勝戦等は地上波でも放映されるらしいが、有料放送のみの試合も出てくるそうな。僕みたいな元々のサッカーファンはスカパーの料金ぐらいどうって事もないけど、でもサッカーファン以外の人も注目するであろう(してほしい)2002年に、よりによってこんなことになろうとは…。まさか日本戦や決勝戦の地上波中継まで録画になったりはしないだろうな。
9月4日(月)
W杯南米予選でロマーリオがハットトリックだと?マジかえ?確か34、5歳だろう。カズもゴンもロペスも福田も永島も、そして我らがアマラオも、さぞかし勇気づけられたに違いない。がんばれジジイ軍団、若い連中など蹴散らしてしまえ!!
(いや別に才能ある若手が嫌いな訳じゃないんですが、一昨日の快勝で代表に関して「若手に任せりゃ大丈夫」というムードがいよいよ支配的になってきたので、ちょっとこんな気分にもなったりします)コロスケさんがホームページ上で『ダイエット戦記』なるコンテンツを開始。勇気あるよなあ。だって、絶対やめられない状況になっちゃうじゃない。僕も「村田君もぜひダイエット戦記を(笑)」と掲示板で誘われたのだが、うーん、165センチで56キロのコロさんにダイエットなんて言われたら、僕なんか、ねえ…。
9月3日(日)
2002年W杯の日程概要が固まった。どうやら、東京から行きやすい横浜・埼玉での開催が思ってたよりも少ないようだ(合わせて8試合?)。ま、せっかくのお祭り。いつでも行ける近場よりも札幌・大分・釜山・ソウルあたりに旅行を兼ねて遠征、ってのが正しいのかな?それ以前にチケットをとれるかどうかが大問題だが。
で、W杯チケットのサポーター優先枠については、結局、Jリーグ入場券の半券での応募抽選となることが決まった。半券の試合数分だけ応募できるとのこと。サッカー場により多く足を運ぶ者がより多くのチャンスを得る(得るのがあくまで「チャンス」であるところがミソ)、至極妥当な仕組みだと思う。総数たったの4万枚程度だから例えば僕が応募したとして(半券20枚ほどか?)当たる確率は低いと思うのだけれども、それよりもなによりも日本サッカー協会・Jリーグがこのような姿勢でサポーターに応じてくれたことがうれしいでしょ、まじで。
9月2日(土)
午後、PRIDE10の録画放送を見る。ヘンゾ・グレイシーはヒクソン・ホイス・ホイラーの本家グレイシー兄弟よりも10倍は男らしいねえ(ま、あそこまでさわやかだと「グレイシーらしくない」とも言えるが)。同じく桜庭に完敗はしても、あくまでグレイシー柔術の枠にとらわれる本家よりもヘンゾの方が、バーリテュードの舞台においては大きな可能性を持っているような気もする。
他の試合では、藤田の異常なほどの闘志が印象に残った。アッパーをくらい、スリーパーが入って顔が紫色に変色しても、少しもひるまず前進し続けた。シャムロックの試合放棄はスタミナ切れと言うよりも戦意喪失に近いものだったのだろう。あと、小川はプロレスの文脈を分かってないなあ。
夕方、キリンチャレンジ日本×クウェート。UAE戦もそうだったが、もはや若い世代に中東勢に対する苦手意識は全くないようで、後半たたみかけて6−0の完勝。
前半は20分くらいまで一方的に攻め立ててゴールが割れず、その後膠着状態になるといういつものトルシエジャパンのパターン。しかしこの日は後半が違った。中盤からの潤沢なパス供給を生かし切れないFWを一人減らして(柳沢OUT)中田を上げ、俊輔を中央へ、さらに本山を入れ、稲本も積極的に前線へ飛び込んでいく完全攻撃態勢に。このシフトチェンジがズバリ当たり、予想外のゴールラッシュ。U23のみで構成されるFW・MF達はポジションチェンジを繰り返しながら変幻自在の攻撃を見せた。俊輔・稲本がミドルを決め、さらに後半途中投入の吉原もスピードと切れ味を存分に見せつけて2ゴール。U23の選手達のモチベーションの高さと複数のポジションに対応できる柔軟性、見ていて楽しい即興性には目を見張るものがある。それらは、才能もさることながらこの2年間試行錯誤を重ねてきた成果とも言えるわけで、この点に関してはトルシエを評価しないわけにはいかない。少なくとも、日本人監督だったらこうは行かなかっただろう。
やや不安が残ったのは守備陣だ。森岡・松田・中田浩で3バックを構成していた前半は安心して見ていられたが、中沢・宮本・中田浩に代わった後半は危ない場面が多かった。森岡・松田に比べれば中沢・宮本は経験・巧みさ等の能力で見劣りするのは否めない。あと、楢崎の動きが悪いのも気になる。コンディションも悪いのだろうが、飛び出しと位置取りに迷いが見え、2〜3年前に戻ったような感じ。ただ、中田浩がどんどんうまくなっているので(今なら守備能力も大岩あたりよりは上だろう)服部の欠場は致命傷にはならなくてすみそうだ。
この試合はオリンピックに向けてこれ以上ない「壮行試合」となったわけで、大勝したことは素直に喜びたい。また、トルシエのチーム作りがかなりの成果を上げていることも素直に認めなくてはならない。ただ、当然の事ながら本番で結果が残せなければ意味がない。幸いA代表やユースの舞台で国際経験を積んでいる選手が多く、その点では心配が少ないが、問題はトルシエの指揮能力だ。これまでトルシエの試合中の指示・選手交代には不可解なものが目立ち、臨機応変の勝負師というイメージはない。3試合(実質2試合?)の「一発勝負」でチームの能力を最大限発揮できるか?そして相手チームが特別な策を用意してきたときに即座に対応できるのか?僕は疑問に思う。逆に言えば、そういった懸念を全て吹き飛ばすような采配で五輪ベスト4入りを達成すれば、アンチトルシエの僕といえども、彼が2002年まで監督を続けることに異存はない。万一(というかけっこう高い確率だと思うのだが)予選リーグで敗退したとして、「2002年に向けていい経験が出来た」などというたわごとだけは聞きたくないものである。
9月1日(金)
よりによって、「防災の日」に東京都が三宅島全島避難方針を決定するという事態になろうとは。
三宅島の子供・学生達の避難先として近頃よくマスコミに登場している秋川高校には、仕事の関係で今年の7月におじゃました。とにかく敷地が広大だったのが印象に残っている。なにしろグラウンドだけでも野球用・サッカー用・陸上用等数種類あったし、校舎も寮も複数の棟に分かれており移動が大変だった。廃校寸前だけあって校舎は老朽化していたが、寮の建物・備品はきれいなものが多く、使用すること自体にはほとんど問題はないはず。ただ、何しろ田舎なんだよなあ…。駅から徒歩15分ほどの距離なのだが、途中には数軒の飲食店の他に東急があるくらいで、校舎・寮の周りは畑に囲まれている。少ない荷物の中に遊び道具をそれほど入れるわけにも行かなかっただろうし、あの子たちに関しての最大の課題は娯楽の提供だろう。食事前に「歓迎式典」などと称して20分以上もお腹をすかせた子供達を待たせる無神経な役人どもには分かっているだろうか。
磐田のバシェフスキー監督が解任?確かに今季は優勝争いにはほとんど加われていないものの、福西のリベロ起用などの攻撃的サッカーに魅力を感じていただけに、いささか残念ではある。それに結果が出ていなかったと言っても、服部の故障や代表への選手大量拠出・アジアクラブ選手権出場など不利な条件の中、前期・後期とも5位である。それでいてあっさり解任。おそろしいチームがあるものだ。