J1リーグ第8節 vsジェフユナイテッド千葉 2006.4.15 味の素スタジアム

 

 

 ハーフタイムにゴミ捨てとトイレで席を立った時、ふとそのまま家に帰りたい衝動に駆られた(笑)。そのくらい出来の悪い前半45分を経て、後半は「なりふりかまわず」(←オフィシャルの表現)反撃し、形にはならないながら2点をもぎ取るも、あと一歩が届かず。いや、なんか、わけわからんことになってきますた。

 

 前半は本当にひどかった。パスを出してもゴーしない中盤、不正確な判断、そしてぶれるパス。今季毎試合見られる光景とはいえ、今日はそれに守備の軽さが加わってもうダメダメ。一方の千葉は判断に迷いがないわ選手がどんどんボールホルダーを追い越して行くわで、言いたかないが格の違うプレーぶり。さっそく9分にルーカスの軽率な守備から左サイドを破られ、さらに茂庭も阿部にあっさり交わされて巻がゲット。磐田戦の時に「課題は、もう少し早くみんな目を覚ますことだろうか(笑)。強いチーム相手だと、前半のあの時間帯にやられてたかもよ。」と書いたものだが、案の定。

 そんな東京もようやく20分を過ぎた頃からエンジンがかかり始め、全体的にはやられ気味ながらも今野の飛び出しや両SBのクロス、さらには徳永の際どいロングシュートも飛び出して、「これは行けるか?」と思うようになったところで31分に巻の2点目。単純なクロスだったが、増嶋(?)が競り負けてしまった。やや呆然気味に立ちつくす選手たち。その後も攻撃はろくに形を作れず、守っては土肥のビッグセーブで防ぎはしたが決定機を作られ、最悪の雰囲気で前半終了。冷たい風が身にしみた。

 

 ハーフタイムが終わって出てきた選手たちを見て、ちょっと驚いた。ササ・栗澤・伊野波に代えて川口・赤嶺・ジャーンを投入。一挙3枚替えってのはソラリ監督時代のマリノスがたまにやっていた記憶があるが、FC東京ではおそらく初めてではなかろうか。実際、このショック療法(?)はある程度効果があったらしく、横浜戦ではダメだった3バックで、中盤もよくわからない形ながら、不思議と前に出る勢いが出てチャンスができ始める。気の持ちようってのはかように大きい、ということなのか。

 しかし、10分、クルプニコビッチのゴールで千葉3点目。いくら前がかりでリスキーに行っていたとはいえ、この失点は痛かった。ゴール裏からは「意地見せろ!」コール。そして、それに応えて、というか、意地の、あるいはやけくそ気味に(笑)前へ出る東京イレブン。16分、相手のハンドで得たPKをルーカスが決めて1−3。続いて川口が放った決定的シュートはGK立石の好セーブに防がれるも、24分、ルーカスのクロスを立石がキャッチし損ねたところ、詰めていた(エライ!)赤嶺が押し込んで2−3。

 タナボタ気味ながら連続得点に、スタンドは大いに沸く。「行ける!たたみかけろ!」。千葉のカウンターを今野やCB陣懸命の戻りでしのぎながら、同点を狙う東京。川口がボールを引き出し、梶山が中盤でキープ、それを今野や徳永や茂庭までも(!)が追い越していく。だが、1点はなかなか遠い。ペナルティボックスに並ぶ黄色い壁。サイド攻撃からゴール正面の川口へボールが渡ったチャンスはシュートが枠を外れてしまい、ゴール至近まで突入した茂庭はトラップミスで決定機を逃す。あと一歩…・。

 終盤は千葉の選手がバタバタ倒れて明らかな時間稼ぎを連発、さらに上川主審の基準不明瞭な笛が東京ファンを苛立たせる。過ぎていく時間、焦る東京の選手たち、もはやなすすべのないベンチとサポーター。やはり3失点目が致命的だったのだ。悔いても取り返しのつかない事ではあるが…。結局、2−3のまま試合終了。全般的にトホホな試合内容と、後半は諦めずよく闘ったという事実。試合後は非常に複雑な心境だった。

 

 前半の停滞した内容には「またか」とガッカリさせられた。あまりの停滞ぶりには「もしかして、選手たちが監督の意図に対して疑念で凝り固まって動けなくなったのだろうか」とさえ思うほどであった。ホント、何なのよ、あれは。ナビスコの疲労があると言ってもそれは相手も同じだし、メンタル的な試合への「入り方」に問題でもあるのだろうか。それとも、メンバー的に、例えば栗澤・今野・梶山・伊野波の中盤では組み合わせや力量として意図しているサッカーは無理なんだろうか(どうもそれっぽい)。

 確かに、スタメンには一考の余地があるだろう。内容が良かったと言われている磐田戦も、実際にはパスサッカーみたいなものが出来始めたのは、宮沢を投入した後半になってから。そういや引き分けながら結構パスが回った川崎戦も宮沢が出てたな。あと、憂太が怪我のうちは仕方がないかもしれないけれど、後半「あとひと崩し」が足りなかった事を含め、トップ下にはやはり得点に直結する「一突き」のある選手がほしい。短絡的な発想だが、宮沢を入れて梶山をトップ下に上げる布陣も使ってくんないかな、と。

 そもそも、根本的な問題として、今日は中盤に「ドゥンガ」がほしい、と切実に思った。今野は「チームリーダーとして声をかける人が少ないと思う」とかコメントしてるしさ(他人事みたいに言うな(笑))。ガットゥーゾとか、ロイ・キーンでもいいな(空想)。

 この試合で無理に良かった部分を探すならば、川口の相変わらずの頼もしさ(あと1点決めてれば神様だった)と、3バックが立派にオプションとして使えたのと、あと茂庭が一皮剥けたように見えたことかな。モニは以前から、ここぞという場面で活を入れるような上がりを見せることはあっても、結局良さげな味方にパスしておしまい、という光景が目立ったのだが、今日はクロスは上げるわゴール前へも突入するわで、ちゃんと攻撃の駒になっていた。それでこそ3バックを試す甲斐があるというものである。

 ガーロの采配については……よくわからない(笑)。後半の思い切った3枚替えやDFラインの構成変更なんかは臨機応変で度胸もあっていいと思うのだけれど、そもそも前半やられすぎて帳尻が合わないのではダメじゃないか、とも思う。ここまでのチーム作りを見る限り、やや甘く見込んでいる部分があるのかもしれない。ガーロが「ここまではできるだろう(できてもらわないと困る)」と考えるラインと、東京の選手の力量とにズレがあるというか。彼自身もそこに気がつき始めているからこそ、手探りないし実験的になってしまうのかな。

 次の相手はガンバ大阪か。厳しいなあ。連戦が続くが、ナビスコはそれこそ100%の力を注ぐ必要もないと思うので、GWの3連戦あたりでもう少し目に見える形でチームの進む道を示してほしいとは思う。監督も、選手も、頑張れ。

 


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