10月10日(日)

 体育の日、というわけではないのか、今は。

 

 午前中、JSPORTSでW杯南米予選。ベネズエラ 2−5 ブラジル。ベストメンバーのブラジルの攻撃力は本当に凄い。何しろロナウド、アドリアーノ、ロナウジーニョにカカーだもんね。もしかしたら、クラブチームを含めても世界最強のユニットかもしれない。大量リードを奪ってからの手抜きぶり(特に守備)もブラジルらしく、好きな人には堪えられん状態だな、今のセレソンは。

 

 午後、渋谷Bunkamuraで『ニューヨーク・グッゲンハイム美術館展』。20世紀前半以前の作品が過半だったが、それで「モダン・アートの展開」という副題はいかがなものかと思わないでもない。まあ専門家じゃないんで難しいことはよくわからんが。人だかりができていたのは、やっぱりゴッホとかピカソだった。個人的にはルノワール『女性とオウム』(衣装の黒が美しい)、モンドリアン『夏、ゼーラントの砂丘』(何となく)、ピカソ『黄色い髪の女』(構図がすごい)、ダリ(完全に病気(笑))、あとウォーホルの3枚(素晴らしい俺俺ぶり!)が印象に残った。

 

 夕飯は、マグロと長ネギのカルパッチョ、豚肉・豆腐・卵のチャンプルー、もやしの豆板醤炒め。ご飯が進むこと進むこと。

 

 夜、フジテレビでF1日本GP。「一緒にマシンを開発してきたブリヂストンのホームGPは絶対に勝ちたい」というシューマッハーの台詞。そして、それを裏付けるようなレース後のジャンピングガッツポーズ。こうした振る舞いが出来るからこそ、シューマッハーは偉大な王者なのである。ただ強いだけではない。

 佐藤琢磨の4位は立派な成績。でも、事前の期待があまりに大き過ぎたのと、あとパニスに後れをとったのがちょっと残念。パニスには「ちっとは空気読めや!」と言ってやりたくもなるが、それにしてもこのレースだけでなく、シーズンを通してパニスにしてやられた感じだよなあ。


10月9日(土)

 昼過ぎに起きて海老・豚肉・卵入りのフォーを作ってさっとすすってJSPORTSをつけたら、もうトップリーグの第1試合NEC×近鉄は終盤にさしかかっていた。ヤコ→マーシュ→ヤコのきれいなリターンパスと、DF3人をはね飛ばす箕内の猛進でNECが逆転勝ち。この3人に暴れさせたら、そりゃあ手がつけられまへん。

 続いて第2試合。リコー 10−13 ワールド。ロッカールームへの通路が水没するほどの豪雨。普段目にするラグビーとは全く別物の、終わることのない蹴り合い。勝敗を分けたのはやはりキックの使い方。ワールドはSOウォーカーを中心に終始相手のイヤなところにボールを落とし続け、キック処理も無難にこなしていた。リコーの方はただ強く蹴り込むばかりで、抜群の機動力を誇るFB三木にあっさりキャッチされては蹴り返されてしまう場面が目についた。特殊なシチュエーションだけに両チームの力がどうとかは言いづらいが、しかしそれでも勝点は勝点だから。

 勝敗とは関係なく、この試合の個人的なハイライトは前半、三木(身長186cm)の突進を春口翼(158cm)がタックルで止めた場面。

 

 夕方、台風22号再接近。外は叩きつけるような雨。神田川が警戒水位を超えたとのことで、近所でサイレンが鳴り響く。ああ、懐中電灯とか非常用の食料くらい買っとかないとな、と思ったのだがおそらく明日には忘れていることだろう(笑)。

 

 夕飯のカレーを食いながら、BSでパ・リーグのプレーオフ2ndステージ第3戦を観る。緊張感のある接戦だったと思うが、しかしボール飛びすぎなんじゃねえの、いくら何でも。

 

 夜中、 ビデオで、ヴェルナー・ヘルツォーク監督『フィッツカラルド』。途中までは同監督の『アギーレ 神の怒り』と非常に似ている、というかほぼ同じ。クラウス・キンスキー演じる主人公は自分の(人から見れば狂気の沙汰としか思えぬ)「夢」を実現するため、アマゾン上流目がけて出航。文明から遠く離れた奥地、原住民の襲撃がちらつく中、乗組員は次々と減っていく。目的地にたどり着いた時の空撮も、『アギーレ』のラストを思い起こさせる雄大さ。だからこの映画も(どうせヘルツォークだし)悲惨な結末になるのかと思いきや……まさかこんなに爽快なラストが待っているとは!!結局フィッツカラルドの企ては失敗に終わり、原住民も最後まで不気味で理解不能な存在のまま、なのだけれど、しかしアギーレとは違い、フィッツカラルドは狂ってはいなかった(そしてほんの少し幸運に恵まれていた)ということなのだろう。いや、アギーレがキンスキーそのままだったのに対してフィッツカラルドはちゃんとフィッツカラルドだったということなのかもしれんが(笑)。


10月8日(金)

 明日に予定されていたナビスコ杯は、台風接近により延期だそうで。まあ都心でも風速50m(想像もつかんな)にもなろうかという観測史上最大級の大型台風らしいので、これはもうしょうがない。それよりも皆さん、くれぐれもお気をつけて。外出は控えた方がいいね。

 夜中、明日に備えて雨の中食料の買い出し。と言っても、99円ショップでカレーの材料を買っただけなのだが(笑)。神田川にかかった橋の上を通りがかったら、橋のすぐ下をもの凄い勢いで濁った水が流れていた。既に水位は2m以上上昇している様子。このままだと明日には溢れてしまうかもしれない。引っ越してきたばかりの土地なので、そこら辺の案配がよくわからんのだ。

 それにしても、トップリーグは中止にしなくていいのか、ホントに(笑)。


10月7日(木)

 WOWOWの録画で、三隅研次監督『座頭市 血煙り街道』観る。さも重要な役回りを果たしそうな雰囲気で登場するどさ回り一座があっけなく物語から消えてしまったり、悪党の悪辣さが全然目立たなかったり、ピンチ(落石トラップ!)の場面があっさりしすぎていたりで、どうにもすっきりしないところが目につく作品だった。近衛十四郎先生演じる侍も人物的な魅力があんまりないし。ただ、クライマックス、雪の中での一騎打ちは文句なしのど迫力である。勝新と近衛先生、体も剣も動きが速いのなんのって…。そして、明らかに命を捨てることになると知りつつも、守るもののためにあえて刀を投げる市。それを見て、近衛先生の刀が止まる…。全体の出来の悪さを結末がかろうじて救った、というところか。


10月6日(水)

 つれ作成の激旨手羽先スープを食べながら、BS朝日でアジアユース。日本 2−2(PK1−3) 韓国。泣くな増嶋。いや、泣いてもいいから倒れ込んではいかん。だって君はキャプテンだろう。そんなことを思いながらも、ちょっと胸が熱くなった夜。

 今回の「大熊ジャパン」も前の世代のチームの印象とほとんど変わらず、間延びした中盤と前線への放り込みが目立つ魅力のないサッカー。おまけに今回はあの今野がいないのだ。韓国との内容(特に中盤での守備の圧力)の差は明らかだった。だから「この試合を善戦などと呼んではいけない」と言う人がいるのはよくわかる。でもね。

 後半と延長のロスタイム、2本の同点ゴール。いずれも最後まであきらめず、相手ゴールへ向かってもがき続けた結果のゴールだった。森本の体勢を崩しながらのボレー、渡辺の気迫ヘッド、そして平山の冷静な切り返しと正確なヘディングシュート。日本のユース代表らしからぬ粘りを見ることができたのではないだろうか。もちろんPK戦でのメンタル的な弱さの露呈(増嶋…)とか、数えれば数限りないプレーの粗(これも増嶋が目立ったな)とか、そもそも戦術がどうなのよとかいろいろあるだろうけど、とにかく選手たちはよく頑張った。次も頑張れよ。そう言いたくなる戦いぶりだったと僕は思う。

 試合後、大熊監督にマイクを向けるインタビュアーの声が震えていたのも印象的であった。


10月5日(火)

 朝から強い雨。そういや昨日も雨だった。秋雨ってこんな感じだったっけ?寒い、のはまだ我慢できるのだが、スーツの裾が濡れてぐしょぐしょになるのが気持ち悪い。

 午前中、またまた病院。「冷たい雨の中の病院」というのも陰鬱なシチュエーションではあるな。色々ドタバタはしたものの、とりあえず「まあしばらくは放っておいても大丈夫でしょう。半年後ぐらいに思い出したらまた来て下さい」と言われる。めでたしめでたし…なのか?


10月4日(月)

 朝、いつになく快調な目覚め。体調万全。よく寝たからなあ(笑)。

 

 柳下毅一郎著『興行師たちの映画史』(青土社)読了。力作であり、大作である。全330頁。エクスプロイテーション映画の歴史ををそれこそ「包括的」に一冊の本で描こうということを思いつき、ついに3年がかりでそれを成し遂げてしまった志と仕事ぶり。圧倒的である。ま、あまりの情報量の多さに正直なところ万人向けとはとても思えないのだけれど、しかし僕たち柳下ファンにとっては、相変わらず抑揚の小さい、しかし世の日陰者や報われぬ者たちへの確かな愛情に満ちた文章がこれだけ読めるのは幸せなことだ。

 

 トップページに「FC東京大作戦!! 味スタを5万人の青赤で埋め尽くせ!!」へのリンクバナーを貼った。いやー、Flashアニメって軽くてきれいなんやねー。個人的にはこちらの手作り感覚GIFアニメも素晴らしいと思うのだが、まあどんな形にせよ盛り上がってもらいたいものである。

 そういや一昨日の日記で「選手の気持ちを一つの方向へ向ける要因さえあれば高いレベルで底力を出せるのも今の東京」とかポジティブな事を書いたんだけど、同時に「タイトルに近づく大事な試合では必ず負ける」というジンクスもまた心をよぎるのであった。これがネガティブ厨というやつか(笑)。


10月3日(日)

 午前中、恵比寿の写真美術館で写真展3連荘。まずは3階でウィリアム・クラインの『PARIS+KLEIN』。暗いモノトーンの展示室内に明るくカラフルなパリの諸風景が帯状に浮かび上がっている光景はなかなかきれいなものだったけれど、1枚1枚の写真は割と平凡に思えた。こういう場合は難しいことを考えず、素直にビジュアル的な印象を楽しむべきなのだろうな。

 続いて2階で『坂田栄一郎・天を射る』。面白かった。著名人の白黒ポートレイト(坂田さんは「AERA」の表紙を撮っている写真家)と、その人物と微妙に比喩関係のありそうな自然風景とを並べているだけなのだが、その組み合わせのチョイスがなかなか当を得ている感じなのだ。イアン・ソープと青空を背景に流れる雲、阿部ノリックと激しく流れる清流、とかね。

 最後に地下1階で『東京オリンピック40年記念報道写真展』。東京五輪の選手村の様子が楽しい。和服のコンパニオンを一生懸命ナンパする白人選手たち(笑)とか、床屋の椅子が窮屈そうなヘーシングとか。歴代日本人最多メダル獲得選手の小野喬さん(体操)を評して「鬼に金棒、小野に鉄棒」というフレーズも、今となってはかえって斬新な感じである。

 

 午後、NHK−BSでJリーグ。横浜Fマリノス 0−1 柏レイソル浦和レッズサポーターの皆さん、優勝おめでとうございます(笑)。いや、最強の敵が勝手にコケちゃったんだから、あとは淡々とやっていくだけでしょう。次さえ乗りきれば、もう阻むものは何も無いんじゃないかな。

 

 夜、先日お祝いにもらったグリル鍋「ごちそう三枚」(土鍋・鉄板・焼肉用溝付プレートの3枚が簡単に交換可能。素晴らしすぎる名称だ)を用いて焼肉大会。近所の「ハナマサ」で牛タン・ハラミ・カルビ・ロース・豚トロを山ほど買い込んで、焼いては食い、焼いては食い。胃拡張になりそうである。うまい肉に酒も進み、5人でビール10缶にワイン5本ほどか?文字にしてみると大したことなさそうだが、すっかり酒に弱くなった身には十分すぎた。あっさりとダウン。


10月2日(土)

 午前中、NHK−BSでMLBマリナーズ×レンジャーズ。イチロー、あっさり記録を達成した上に3安打のおまけ付き。第1打席で三遊間を抜いて、第2打席では広く空いた二遊間へ。あれじゃあショートは守りようがないよね。イチローらしく、記録達成のヒットもまた技術的に最高のものだった。ファンや同僚の祝福はもちろん、さすがに本人も感激したらしく、試合後のインタビューではいつになく饒舌なイチローも見ることができた。いつもあれくらい喋ればいいのに、と思わないでもないが(笑)。

 いや、ホント、いったいどこまで記録は伸びるのか。残りあと9〜10打席くらいか?最終的なシーズン記録は263安打くらいだろうか。第2次大戦後に241本以上打ったのがイチローだけなんだから、これはもう当分、もしかすると21世紀中には破られない記録なのかもしれない(試合数やルールがほぼ同じままなら)。

 

 午後、NHK−BSでJ。名古屋グランパス 1−1 FC東京。東京は前節の出来の悪さをそのまま引きずった、というよりさらに症状が悪化した感じで、よくもまあ引き分けられたものだと思う(名古屋は相変わらず詰めが甘い)。パスの精度は悪いし、判断も雑だし、ピッチを広く使おうという意識も低い。金沢と今野は特に出来が悪かったように見えた(どうした?)。祐介は相変わらず気持ちばかりがはやって仕事できず、ルーカスもセットプレーだけ。戸田は(本人のせいじゃないけど)逆サイドからクロスが上がらず後方からの支援も得られず孤立し、終盤そのポジションに入った石川も同じく孤立。茂庭の頑張りだけがひたすら目立っていたような。

 で、だ。もちろん上記のように選手の出来も悪かったんだけど、そもそも選手起用がどうなの?と強く思った試合でもあった。祐介先発は交代枠を1つ無駄にしたようにしか思えず、藤山SB起用はサイド攻撃の放棄だろう。あれだけフィードの精度が低いのになかなか宮沢を入れないのにも首を捻ってしまうし、今野は怪我でもしない限り絶対外しちゃいけない選手なんだろうか。憂太は最後まで残してほしかった…。とにかく、現状では原さんのやりたいサッカーが全く見えなくなってしまっており、テレビ実況とかで「FC東京は『攻撃サッカー』を掲げているチームで…」とか言われると非常に恥ずかしい状態である。あと、怪我人が多くて苦労しているのはわかるんだけど、でもフィジカルも試合勘も戻っていない選手を「出たい気持ちが強く感じられる」とかいう理由で無理矢理出すのはやめた方がいいのではないだろうか。昨季2ndステージで一旦出来上がったチームを今年は(五輪云々もあって)一度解体して作り直そうとしたのだが、結局まだまだ固まる方向に進んでないんだろう。このままズルズルとシーズンが終わってしまうのが怖い。

 ま、てな感じでトホホな試合が続いてしまったわけだが、先日の浦和戦激勝でも見られたように、選手の気持ちを一つの方向へ向ける要因さえあれば高いレベルで底力を出せるのも今の東京。そして、その要因としてこれ以上ないものが「タイトル」だろう。要するに、ナビスコ杯ではまた違う戦いが、少なくともリーグ戦よりは強くて楽しい東京が見られるのではないかと密かに期待しているのである。ちょっと楽観的に過ぎるかな?でも、もうそこに期待するしかないよなあ。

 

 夜、JSPORTSでブレーメン×バイエルンを観ていたのだが、途中で何だかイヤになってやめた。バイエルン・ミュンヘンというチームは元々どうにも好きになれないのだが、最近はその感情が増してきたような。バラックを筆頭として、選手たちがいつもイライラ、もっと言えば殺伐としているような印象なんだよな。そこがゲルマンらしいのかどうかは知らないけど、一時ほど勝てなくなった鬱憤をそういう形で(時には相手選手に向かって)出すようなところは、読売巨人軍みたいで嫌いだ

 で、チャンネルを代えてプレミアシップ。ブラックバーン 2−2 アストン・ビラ。これは面白かった。DFのゆるさを含めたレベル云々はさておき、「激しい!でも、楽しい!」(金子アナの実況より)試合だった。ジョルカエフのラストパスはお見事。憂太とか栗澤には、ああいう「味方に優しく、敵を必殺する」プレーのできる選手になってもらいたいものだと思った。


10月1日(金)

 JSPORTSで欧州CL。マンチェスター・U 6−2 フェネルバフチェ。ルーニーの得点能力に脱帽。いくらファン・ニステルローイがお膳立てしてくれたとはいえ、またフェネルバフチェのDFラインが統率不足気味だったとはいえ、そして後半やや浮いたプレーが見られたとはいえ、いきなりのハットトリック(しかも全てビューティフルゴール!)は凄すぎる。ましてや、彼は3ヶ月ほども実戦から離れていたのである。ファーガソンの目尻が下がりきっていたのも頷けよう。オーウェン以来の衝撃、だな。

 

 スカパーの録画で、マイケル・パウエル監督『血を吸うカメラ』。女性を殺し、その断末魔の表情をフィルム撮影することに取り憑かれた男の末路。途中「そこでやめれば警察にも捕まらず、惚れてくれた女とうまく行くのに…」という状況で、しかも本人も精神科医に相談して「治ろうと」したりするんだけど、でもやっぱり衝動を抑えられず危険を冒して(というより破滅を承知で)殺人を犯してしまい、結局は自殺。性的連続殺人者についてうまく表現した筋立てだと思う。恋人の母親(盲目)が殺人フィルム上映中の暗室に紛れ込むくだりや、恐怖にひきつった表情を撮るためにカメラに鏡を付けるところなんかもよくできている。カルト作品として祭り上げられていることも頷ける出来。


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