9月10日(金)

 昼間、仕事関係で超激怒。久しぶりにはらわたが煮えくり返る。宦官がのさばる宮廷政治ってのは、必ず破滅への道のりを歩むものだ。それは数々の歴史が証明している。「馬鹿め」と冷笑して済ませればいいような気もするが、そうできない性分なのだから仕方がない

 

 気分転換に、両国の江戸東京博物館で『エルミタージュ美術館展 エカテリーナ2世の華麗なる遺産』。後半に展示してあった宝飾品やら絵画ギャラリーは「まあこんなもんか」って感じでほとんどスルーしたが、前半のエカテリーナその人に関する展示と、あとサンクトペテルブルク中心部を描いたエッチングはなかなか面白かった。エカテリーナがクーデターで夫のピョートル3世にとって代わった(ピョートルは退位直後に不審死)のは知っていたけれど、生涯で12人もの愛人がいて、そのうち何人かはクーデターや露土戦争で多いに功績を上げた重臣だったってのは初耳だったな。戦艦ポチョムキンの名前って、そのうちの1人から取ってるんだね(彼の像はカッチョよかった)。しかも愛人としての関係が終わってからも彼等を政治的には重用し続けたとか。統治者としての実績は文句ないし(治世にロシアの人口は倍近くになった)、文化的にも多くのものを残しているし、色んな意味でさすがはロシア史上最高の皇帝。こういう主君なら死ぬ気で仕える気になるよな。いや、愛人になるのは御免だが

 

 プロ野球のストはとりあえず回避されたようだが、まだまだ両者の隔たりは大きい様子。結局来週もまた同じような騒ぎになるのかもしれない。しかし、交渉後の記者会見で古田に握手を求めて拒否されていたロッテの球団代表、あれ何考えているんだろう。ああいう無神経さがのさばっていることこそが、現行プロ野球の最大の問題なんだと思う。 


9月9日(木)

 ストライキを巡る労使交渉により大いに盛り上がってきた(笑)プロ野球だが、まあ球団代表者たちの何とも情けないこと。ファンの野球離れの傾向、そして何より選手会の結束力を見くびっていたのだろう(「たかが選手」と思っていたのはナベツネだけではあるまい)、いざストライキを突きつけられてびびっているのがありありとわかるもんね。ナベツネという巨悪の存在によって一番得をしていたのは、実はその他の「自分では何も引き受けられない」オーナーたちなのかもしれん。

 もっとも、ストライキも1回やってしまえば切り札としての威力は確実に鈍るわけで、古田としても明日の5時までに何としても決着をつけたい気持ちはあるだろう。「ストやっちまえ!」って言ってる人々(僕を含む)も、半分くらいは本当にプロ野球が好きで怒っているのかもしれないけど、残りの半分は「野球なんてもうどーでもいーからメチャクチャになっちゃえ」って思ってる人たちだろうし。

 

 町山智浩&柳下毅一郎著『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判2』(洋泉社)読了。今回一番面白かったのは、宮崎駿とロマン・ポランスキーの熱い友情(←妄想)の下り。「あの偉大なチャップリンもわたしたちの仲間です」「ロリコンに栄光あれ!」か(笑)。あと、うんうん頷いてしまったのは、『セカチュー』について語る(ボロクソにけなす)回での町山さんの「「で、何が言いたいわけ?わかんなーい!」って言うバカが増えてるんだな」という発言だね。去年だったか、『CQ』の上映直後に劇場内でそういう趣旨のことをを叫んだバカ女がいて、思わず蹴りを入れそうになったのを思い出した。


9月8日(水)

 夜、夕飯を作りながらBS朝日でU17アジア選手権。日本 3−1 中国。うーん、最終戦で快勝も届かず、か。試合の途中でパスの回転が速くなり始めると面白いプレーが出てくるんだけど、どうにもエンジンがかかるのが遅い。で、最初ガツーンとやられるとひるんじゃってまた反撃が遅くなって…。日本の若い世代の代表ってそういうパターンが多いように思える(アテネ五輪もそうだった)。それはコーチの指導の問題なのか、それとも普段選手たちが置かれている環境に原因があるのだろうか。

 件の絶叫アナ氏は、一昨日ほどではないが、今日も「未来の日本代表は、ここから生まれる」と「絶対に勝たなければならない戦い」(そりゃそうなんだけど)を連発してましたな。陳腐なフレーズの使い回し。種類の少なさを考えれば、ウイニングイレブンの実況以下のレベルだ。

 

 夕食は、回鍋肉、鯛と茸の酒蒸し、豆腐と水菜と大根のサラダ。酒蒸し大失敗。鯛にはよく火が通っておらず、敷いた昆布がでかすぎたらしくて苦辛い。くそー、こんな屈辱は初めてだ。近々にリターンマッチを挑まねばなるまい。

 

 その後、ベットでごろ寝しながらTBSでW杯予選。インド 0−4 日本。停電による長い長いハーフタイムも、リードしていたからこそ余裕をもって受けとめられた。だから今日の殊勲者は、前半終了間際の先制点をもたらした鈴木隆行とアレックス。それまでは相変わらずジリジリイライラの展開だっただけに、あの1点は大きかった。実力差があるとはいえ、アウェイのあの環境で4点とれたのはなかなかいい結果なんじゃないかな(前半のインドの守備すごかったし)?最後、サイドに流れた久保を猛然とオーバーラップして抜けた加地からの絶好のクロス、隆行がきちんと押し込んでいればもっと良かったけど。

 今日のTBSは馬鹿なキャッチフレーズも使わず、中断のトークもまずまず無難にこなし(いや途中から居眠りしちゃったんで実はちゃんと聞いてないんだけど)、一応耳障りでない実況だった。つーか、テレ朝の中継を観た後だと、よほど酷い中継でない限りはマトモに思えてしまうのだが。


9月7日(火)

 夜、ユーロスペースで『丹下左膳餘話 百萬両の壺』(山中貞雄監督)観る。いやー、楽しかった。浮世の憂さをすっかり忘れることができた。いわゆる「逆手の話術」は途中からもう読めちゃったんだけど、にも関わらず「さあ来るぞ、来るぞ」とギャグを待ち受けることができるのがこの映画のいいところ。天下無敵の剣豪ながら、夫婦喧嘩では必ず負ける丹下左膳。気っぷの良さで店を切り盛りしつつ、時にぎこちない優しさを見せるお藤。けなげでかわいいちょび安。そしてどこまでも人間くさい柳生源三郎とその周りの者たち。素敵な登場人物たちが魅せてくれる、幸せな90分の映画体験。いいもの見せてもらいました。個人的にツボに入ったセリフは「武士に二言はない!」かな。アンタが言うなっつーの(笑)。

 

 夜中、窓とドアを揺さぶる強風の音を聞きつつ、WindowsXPのサービスパック2をインストール。1時間半もかかった。これ、ダイヤルアップとかISDNだったら一晩かけても終わらないのでは?


9月6日(月)

 夜、BS朝日でU17アジア選手権。とにかく実況アナウンサーがウザかった。「日本サッカーにとって運命の分かれ道」「未来の日本代表は、ここから生まれる」「絶対に負けれられない戦いです」「絶対に負けられない」「本当に大切な」「絶対に負けられない」……アホか。そりゃあ世界選手権に出るためには大切な試合だろうけどさ、本当にいつもいつもいつもいつも「絶対に負けられない」なんて言われ続けてるもんだから、そのフレーズ言われただけでシラけちゃうんだよ、もう。「絶対に負けられない戦いがそこにはある」なんてフレーズを考えて、しかも実況に無理矢理入れ込んでるテレ朝の責任者は一体誰なんだろう。その人、角澤アナとともに「ワーストサッカー人・オブ・ザ・イヤー」として表彰するべきではないだろうか。

 そして肝心の試合の方だが…。日本 1−2 タイ。前半の日本の引きっぷりは一体どうしたわけだろう?「チャレンジ&カバー」という合言葉の意味はわからないけど、とにかく守備がディレイとペナルティボックス内での「待ち」とに偏り過ぎていたように見えた。わざわざタイの攻撃を呼び込んでしまったような印象である。で、後半早々に逆転されてからはさすがにDFラインも押し上げていったんだけど、でもペナルティボックスでのプレー精度が低くて…。布監督の頭にはきっと森本の顔が浮かんだろうね(笑)。とにかく、選手も監督も、もう次の試合で頑張って大勝しに行くしかなくなった。近頃の各世代の代表は、アジアレベルでもこんな戦いばかりですな。


9月5日(日)

 午前中、ダービー君のお散歩を済ませてから、車に乗って下関の唐戸市場へ。市場でその日とれた(?)魚介類をたらふく買い込んで、関門海峡の見える芝生の上で食す。海の上からほどよい風が吹きこんできて、非常に気持ちがよかった。さわやかになって元気が出る感じ。胃腸の方は食い過ぎで元気がなくなってしまったのだが(笑)。

 食後、関門大橋を車で渡って(高所恐怖症の人は事故りそうなくらいの高さだった)「門司港レトロ」へ。駄菓子屋とか、ガラス細工の店とか、色々なショップを回る。同じ関門海峡沿いの港でも、唐戸の方は「魚」「市場」を前面に出していて、それに比べると門司の方は建物等のレトロチックな(って名前のまんまですが)ムード作りで勝負、という違いが興味深い。ま、近い場所で似たことをやっても仕方がないので、これはきっといいことなのだろう。

 その後宇部まで送ってもらい、別の親戚の家に挨拶してから、山口宇部空港へ。土産屋で巨大な(長さ20cmくらい!)明太子を買って帰る。帰りはJALだったのだが、この飛行機がMD90とかいう細くて長いヤツで、機体のきしみなんかは小さかったのだけれどもちょっと狭くてうるさい感じ。それでも疲れが出て眠ってしまったからあまり関係なかったけど。21:00頃、無事帰還。

 

 帰宅後、夕食にカップラーメンなどすすりつつW杯南米予選。ペルー 1−3 アルゼンチン。今回は2強とも順当だから、実質残り8カ国で枠2.5ということになるのかな?ブラジルやアルゼンチンの強さを見て「さすが」とか言ってるのも今のうちで、来年にもなれば残り8国の争いの方が激アツで面白いかもしれんね。


9月4日(土)

 軽い二日酔いで、かつ3時間睡眠。羽田から朝2番の飛行機(ANA)で山口へ向かう。水平飛行に移ったあたりで寝入って、「ドン!」という衝撃で目を覚ましたらもう到着していた。当たり前の事だけど、飛行機は新幹線より全然速いっすね。7時間とかかけてようやくたどり着いていたのが嘘みたい。

 迎えに来てくれた親戚の車に乗り、途中美祢で昼食にイタリアンを腹一杯食った後、秋芳洞へ。20年ぶりくらいに訪れたのだが、いや〜たまげた。ディズニーランドの「カリブの海賊」の規模10倍のヤツが天然でできちゃった!みたいなスケール感&神秘感。すげえ。全体が薄暗くコウモリもバタバタ飛ぶ中、周りには腕組んでピッタリ寄り添うカップルの姿が目立ったが、まあそんなことは大して気にならないくらい楽しめた。

 その後三ツ杉の家に到着し、夕方にはコーギー犬のダービー君を連れて近所をお散歩。先日の台風で被害が出たらしく、遠くの山の斜面では崖崩れの痕なども残っていた。今度刑務所、じゃなかった、「社会復帰促進センター」ができるという草原などを見物してから帰る。

 夕飯は、秋刀魚の刺身、生うに、車海老の串焼き、鮑の薄造り、はも、ふぐの唐揚げ、…etc。いくらおもてなしのご馳走とはいえ、これが家庭料理っつーんだからやっぱ田舎はすげーよなあ。腹一杯食って、ついでに焼酎をシークワーサーで割ったヤツをたらふく飲んで、ダウン。ノックアウト。

 

 我らがFC東京は無事、というか見事な逆転勝ちでナビスコ杯準々決勝を突破した模様。よしよし。チームにとって、阿部の存在は試合を重ねるごとに大きくなってきているようだ。接戦をモノにするための「切り札」が手に入りつつあるのだろうか?あとは規郎・石川・戸田といったスピード系の選手が帰ってきて、経験を積んだ馬場・梶山・栗澤らコネコネ系、ないし異次元系との組み合わせの妙が出てくるといいんだけどね。

 準決勝はヴェルディ、決勝は浦和ないし名古屋か。相手にとって不足はなし。とびきり熱く素晴らしい2試合となるのか、とびきりアツく悔しい敗戦が待っているのか。これは面白いことになってきたようだ。


9月3日(金)

 大学時代からの友人ニシカワが来週から中国へ留学に行くらしいので、送別会。総勢4人で新宿マイシティの『居蕎麦屋 信州』。つまみもビールも焼酎もなかなかうまかったが…どうも今一歩冷たい感じの残ってしまう接客だったような。いや、我々が大声でエロ話とかしているのがいかんのかもしれんが(笑)。

 二次会は西武新宿駅脇の『和民』で。もやもやグダグダゲラゲラギャハハハ、といった感じの、ダウナーとアッパーが交互に訪れる飲み。ちょっと大学時代にタイムスリップしたような感覚。できれば朝までそのまま飲み続けたかったような気もするけど、まあ明日朝早いので日付の変わる頃に上がり。

 

 つーことで、明日明後日は山口旅行である。ナビスコ準々決勝は心残りだが、まあ勝ってくれるだろう。きっと!


9月2日(木)

 ビデオで、宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』見る。今までなんとな〜く未見のまま来たのだけれど、諸事情によりついに見る機会を得た。うん、確かになかなかの傑作だと思う。キャラの動きはいい意味でマンガちっくだし、「もののけ姫」あたりに比べると説教くさくないし、不条理なんだけど優しい物語という微妙さが心地よい。魔法使いの婆さん(姉の方)の小屋でみんなで編み物をする場面とか、不覚にも涙が出てきてしまった。最後、豚の中から両親を選ぶゲームに大した意味がなくてちょっとカックンしかけたが、でもラストシーンのあっけなさ(および寂しさ)とエンディングテーマのバランスがまた良かったので後味はオッケー。お薦めです(なんて言わなくても、みんなもう見てるか(笑))。


9月1日(水)

 アジアカップとかアテネ五輪とかマイケル・ムーアとか、8月はとにかく色々とヒートアップして日記を書きすぎた。9月はクールダウン、というより、もっとダラダラいい加減に行こう。まだ暑いし。

 

 ヴェルディ戦の観戦記をUP。

 五輪組の長期離脱と怪我人続出に悩まされた東京も、順調に行けばこれから続々と負傷者が復帰してくるわけで、原監督にしてみればそれはそれで頭を悩ませることになるのだろう。とにかく、いよいよ反撃開始である。ただ、いささか気にかかるのは、果たして現有の手駒が全て揃った時、原監督がどういうメンバーを「ベスト」とし、どのようなサッカーを目指すのか、という点である。もっと言えば、昨年の一時期見られたような、スピードとサイド攻撃で他チームの追随を許さない痛快なサッカーが復活するのかどうか。この秋は、原政権が大熊政権のような長期政権となるのか、それともたそがれ時を迎えてしまうのか、重要な分かれ道になるのだろう。


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