5月31日(月)
夜、新宿アイランドタワーの「李宮」で前の仕事場の出陣式。4千円コースで飲み放題。なかなか質の良い肉で満足。マッコリってのはあまり飲んだことがなかったんだけど、度数が高くない酒なのかな?グビグビ飲んでも気持ち悪くならない感じだよね。ま、そういう酒こそかえって危険なんだが。
店を出たら雨が強く降り出していて、慌てて駅前地下の「おらんだ亭」に逃げ込んで二次会。男7人に女1人という構成の宴会だとどうしてもセクハラすれすれ(というか、普通に考えたらセクハラ)の発言にヒヤヒヤしたりするのだが、そこで気を遣うのが俺というのはいかがなものか。よりによって、みたいな。
で、さすがにそのまま解散かと思いきや、「じゃあ、すするか」の一言が飛び出し、男3人で思い出横町に繰り出す。「若月」でビール・餃子・つけ麺。焼肉の後にラーメンってのもクレイジーな食生活であるが、それをこなせるだけ我々はまだまだ若いということだろう……と思いたい(笑)。ここのつけ麺は極めてシンプルだが、手打ちということで安い割になかなかうまいので重宝している。
5月30日(日)
昼飯は新宿の麺通団で、ひやかけ小・げそ天・いわし天を食す。ロシアで1日3食ピロシキを食っていた野人が昨日「村田さんの日記読んでたら、あのうどん屋むっちゃくちゃ行きたくなる!」とか叫んでいたのを思い出したので、公式サイトへのリンクも一応張っておこう。僕は基本的にかけとしょうゆしか食べないので釜あげ関係はわからないが、混んでる時間帯だとレジ前に並んでいる間に卵が固まる危険があるので気をつけろ。天ぷらは揚げたてのものを狙うべし。巨大なげそ天は、半分しょう油で食べて半分ダシに漬けながら食べるのがグーだ。まあ、これは私見かつ私信です(笑)。失礼。
午後、契約関係の打ち合わせで中野新橋に出向く。商店街の道を相撲取りが何人も歩く、すげえ平和な日曜日の昼下がり。
というわけで、スーパーパワーズC決勝は録画観戦。日本代表 34−21 カナダ代表。前半はパスのスローもキャッチも精度が低く、ノックオンのオンパレードでかなりイライラ。ハーフタイムにいかなる檄と指示が出たのかはわからないが、後半になってようやくパスがつながり始めて攻勢に。最後はカナダが先にバテたところを選手交代も含めてたたみかけ、トライを重ねて逆転勝ち。カナダ・アメリカ・ロシアの3カ国にはけっこう煮え湯を飲まされた記憶が残っているので、この優勝は素直に嬉しい。
萩本ジャパン、まだ3戦目ということを割り引いたとしても課題はひじょーに多いとは思うのだけれど、解説の村上さんが言っていたように「勝利にまさる良薬はなし」。とにかくジャパンの人気とか威信とかに関する最大の問題は、「勝率が低い」ことだと思うんだよね。相手のレベル云々はさておき、ファンというのはとにかく贔屓のチームが勝ってカタルシスを得るのが観戦の最大の目的だから、いくらW杯で頑張っても負けが込んでは話にならないのだよ。準備段階だろうと取れる勝ち星・タイトルはきっちり取り、積み重ねなければならない。ま、萩本さんがそれを意識しているかどうかは分からないけど、過度に「先を見据えた」編成とかにせずそれなりにゲームを作りに来ているのは評価していいのではないだろうか。
驚いたのは、初キャップのSO森田。あんないい選手どこにいたんだ。今まで知らなかったのが恥ずかしいくらい。キック力は文句なし、相手の防御ラインの穴へ速くて長いパスを投げられるし、直線的で鋭いランもなかなか魅力的だ。まだ1試合だからあまり期待しすぎてはいけないのかもしれんが、広瀬がベテランになり岩淵の膝が治らず、「ジャパンの10番はどうなってしまうのか」と途方に暮れかけていたところでついに出た新星、という感じである。大きく育てるべき選手だと思う。好プレーを見せたSH池田と合わせてハーフ団にはちょっと希望の光が見えてきた。問題はLOと、あと何といってもアウトサイドCTBだな。大畑のCTB起用はあくまで「苦肉の策」であることを忘れてはいかんよ。
夜、日テレでサッカー代表のテストマッチ。日本代表 3−2 アイスランド代表。欧州で試合をするジーコジャパンは強い(笑)。さすがに前回欧州遠征前の風当たりの強さはジーコも自覚していたのかもしれず、あれ以来「欧州組」のうちコンディションのいい選手を選んで使ったり「欧州組」を交えた3バックにしたりベンチで心配そうに立っている(笑)だけではなくきちんと声を出して指示したり、ちょっとやり方を変えてきてるよね。これでイングランド戦でも健闘したりすると、チェコ戦の時みたいにジーコ支持派が「そら見ろ!」と鬼の首を取ったように大騒ぎするのだろうか。最近いい戦いをしているからといって、それまでの親善試合やコンフェデ杯での采配が頓珍漢だった事実は変わらんと思うのだが。まあ、何にせよ、アジアカップまでは見守りましょう。僕もトルシエの時はアジアカップを見て宗旨替えしたから。多分今回はそうならんと思うけど。
しかし、前半の2得点にはシビれたなあ。両方とも小野→久保のホットラインだったけど、特に2点目の小野のパス。もう絶品中の絶品。世界中探してもあのパスを出せる人間はそういないのではないだろうか。タイガー・ウッズのウェッジショットみたいだった。あと、後半柳沢が珍しく勝負意識をむき出しにしてゴールへ向かったんだけど、シュート撃っても撃っても入らないのには笑ったな。ああなっちゃうんだね、一回ストライカーを捨てると。
夜中、フジテレビでヨーロッパGP。えーと、あの事故は何?何なの?何やってんだ琢磨。それまでのほぼ完璧なレースぶりが全部パーではないか。いや、ああいうアグレッシブさが彼の長所でもあるんだろうけど、いくら何でもちょっと。あの時点で琢磨の方がバリチェロより速いのは明白だったんだから、なにもあのタイミングで仕掛けなくても。「チームのクルーに慰められてないで、ちゃんと彼らに謝れよ!」とか思ったのは僕だけか?これでますますバトンに対する信頼は深まったろうし、琢磨はこうした愚かな失敗を繰り返すと来年のシートはなくなるに違いない。
9時起床。当然ながら超二日酔い。なんか、左肘のあたりがムチャクチャ痛いんですけど。朝風呂とアイスバーと紅茶で復活を図る。
午前中は寝っ転がってダラダラしながら尊雪師・野人林と3人でしばらくサッカーの話なぞ。野人はロンドンでCLのアーセナル×チェルシーを観てきたんだよなあ。羨ましいことこの上ない。アンリにピレスにヴィエラにダフにマケレレにランパード…。チェルシーに関しては巷ではどうしても「アブラモビッチの成金ぶり」がクローズアップされちゃうんだけど、個々の選手の能力は文句なしに凄いからね。それから、僕が柳沢の才能を高く買っていることについて2人から「なんで?理解できない!」と言われたのだが、まあこれについては話すと長くなるから(笑)。要は彼が希少な「ある能力」を持っているのは確かなんだけど、その生かし方を間違えたせいでついに覚醒せずに終わってしまいそう、ということですかね。
↑野人・林のロンドン土産
↑胸のエンブレム(拡大図)
で、今日は午後3時から柏の葉でナビスコ杯があるということで、昼前に大急ぎでズボンを洗濯(前の晩に酒をこぼした(らしい))、乾くのを待つ間もなく着替えて尊雪邸を辞す。頭はまだ痛いのだが、何しろ因縁の柏である。ここは行きたい行かねばならない、と歯を食いしばって駅へダッシュ。小田急線の急行に飛び乗った。偉いぞ、俺。
……しかし、ホームまで走っている間はまだ気分が良かったのだが、乗り込んで吊革につかまって揺られていたら、再び具合が悪くなってきた。呼吸は乱れ、額に脂汗がにじんできて、大げさでなく気絶でもしそうな感じ。仕方なく向ヶ丘遊園で一旦降りて休憩をとる。座れそうな各駅停車が来るのを待ち隅の席で震えながら何とか代々木上原まで。この時点でまだヤバい感覚が残っていたため、まことに遺憾ながら柏の葉行きは断念。やっぱり偉くないぞ、俺(笑)。
ま、そういう時に限って完勝したりするんだな、これが。去年の清水戦の時もそうだった。まったく、アウェイ遠征の前日はなぜか必ず飲んでいて、二日酔いでダウンするか行けたとしてもすげえ苦しむかしてしまうのはどういうことだ。「単に毎週金曜飲んでて、自制が効かなくて飲み過ぎてるだけだろ」というツッコミは、本人が一番承知しているところなのでご容赦いただきたい。小峯のプレーしている姿を見れなかったのがちょっと残念である。
おまけ。貴重かつ大事な、村田が唯一保有するユニ(99年ナビスコ準決の3ndユニ)。
5月28日(金)
夜に佐々木尊雪邸で宴会の予定だったので早く仕事を切り上げたかったのだが、そんな日に限って夕方に深刻な折衝が行われたりして、イライラしながら2時間ほど待機させられる。終了後超特急で着替えて電車に飛び乗って、町田に着いた時にはもう9時半を過ぎていた。先に飲んでた連中の、テンションの高いこと高いこと。ドイツから一時帰国している人、ロシアの収容所から帰還した獣、数年ぶりに会った中国旅行の同志、河合塾軍団等々総勢10名余り、上等の肉やワインを大量に摂取して大いに盛り上がりまくり。思わず始発の時間まで飲み続けてしまった(らしい)。
いや、実はね、飲み始めてから2時間ちょいたって日付が変わったあたりから、ぜ〜んぜん記憶ないすんよ。もともと今週は仕事がきつくて(拘束時間ではなく、内容が)バテていた上に、楽しいメンツが集まったもんだからすっかり舞い上がってしまった(らしい)。その間僕がどのような状態だったかは非常に興味深いが、「うわごとのように『大丈夫大丈夫』と繰り返していた」「単なるセクハラオヤジと化していた」「机の上に足をのせ、足の指で器用にジャンケンしていた」「ガックリと眠りに落ち、寝室で運ぶ時には死体のように重かった」といった証言はあるのだが、まあとにかく「酒の強さにおいて、もはや村田は昔日の村田ではない」という事だけは納得してもらえただろうか。今から思えば、京都で田んぼに落ちかけたりした事(笑)なんてかわいいもんだ。
つーか、せっかくの楽しい時間を自分の中で後々までとっておけない、という事が非常にもったいなく思えるのだな。くたびれ始めた29歳男としては。
夜、録画で欧州チャンピオンズリーグ決勝。FCポルト 3−0 ASモナコ。予想外のスコアではあったが、しかしポルトの完勝と言うべき内容でもあった。ポルトはとにかく11人の動きの連動性に優れており、特に前半のサイド守備とラインDFは「4バックってのはこう守るんですよ」というお手本のような見事さ。結果、レアル・マドリーとチェルシーを粉砕したモナコ攻撃陣を完封することに成功し、カウンター中心に得点を重ねて90分間の「パーフェクト・ゲーム」を達成した。ジュリの負傷退場、微妙なオフサイド判定等々運までも味方につけたようで、まさに現在世界最強のチームが世界最高のタイトルを獲得した、と言っていいだろう。マウリーニョ監督の成し遂げた仕事はとてつもなく大きい。
一方ここまで大いに大会を盛り上げたモナコだが、今日は完全に持ち味を殺されてしまい、最後の最後で残念な結果に終わった。数少ないチャンスもGKバイーアの完璧な出来に阻まれ、攻撃フェイズを重ねてブレイクできぬうちに守備の方が綻んでしまった印象。ただ、もちろん優勝したポルトを最も讃えるべきだと思いつつも、準々決勝・準決勝のエキサイティングな戦いぶりを考えれば、やはり僕にとって今季のベスト・チームはモナコでありベスト・プレーヤーはモリエンテスである。来年もデシャンやモリエンテスやロテンの姿をCLで見られることは間違いなさそうだが、その時にはおそらく彼らは別のユニフォームを着ているのだろう。昨季のレアル・ソシエダなどと同様、欧州における「躍進した中堅チームのその先」にはちょっともの悲しさも漂う。が、しかし、見方を変えれば、それはそれだけこの一年のモナコの輝きがまばゆく、貴重だったということでもある。
そう、だから今は(パクリではあるが(笑))こう言いたい。VIVAモナコ!VIVAモリエンテス!たとえ敗れようとも!!
5月26日(水)
昼間、赤坂の東京写真文化館で『一ノ瀬泰造写真展〜未来へのまなざし〜』。最初に展示してある72年のバングラデシュを写した一連の写真(荒廃した街並み、飢えやつれた子供たち等々)を見た時には、正直「なんて平凡な報道写真なんだ」と思った。こんなものなら巷にいくらでも転がっている、と。しかし、展示が進んで、インドシナの戦場で撮影された作品群になると抱く感想は一変。何というか、被写体との距離感が全然違うのだ。おそらくそれは「兵士たちと何メートル離れているか」といった物理的な問題ではないのだろう。常に最前線に身を置き、国外追放にあってもめげずに身分を偽ってカンボジアへ再入国、一貫してアンコールワットへの潜入を熱望し続け、そしてついに潜入を果たしたその時にクメール・ルージュにより処刑。そうした彼のインドシナの風土や人々に対するこだわり、いや執念が、写真一枚一枚にこもっているように感じられるのだ。展示の終盤、数少ないカラー写真に残されている、メコン川の弾薬輸送船から炎に包まれた街を望む兵士たちの姿。なんと美しいのだろう。この1枚を見られただけでも、訪れた価値があったというものだ。
ちょっと余計な事を言うと、この展覧会のタイトルには少々違和感がある。一ノ瀬さんのような、「その時」をこの上なく濃密に生きた(駆け抜けた)人について、「未来へのまなざし」という言い方はそぐわないのでは?
5月25日(火)
今週の『サッカーマガジン』は、巻頭でジーコに再インタビュー。さすがにチェコ戦で堂々たる結果を出した後だけのことはあって、発言からも余裕と自信を取り戻していることがよくわかる。アジアカップとアテネ五輪の優先順位の件など、インタビュアーは懸命に食い下がったようだが、確かに監督がそう「思っているのだから、仕方ない」と言えないこともないしね。まあ、アジアカップまでは静観しましょう。
その他の記事では、バレンシアのサッカーを「守備的」と括る事に異議を唱える杉山茂樹氏の記事が興味深い。というのも、FC東京で原監督が目指しているサッカーを「攻撃サッカー」と呼ぶべきなのか、実は微妙なところだと思うからだ。「前目からの激しいプレス→素早くサイドに展開して速攻」という方法論。それは「攻撃的守備」を指向するものではあるし、その継続で試合を支配してしまおうという意味では「攻撃的」なんだけど、例えばレアル・マドリーみたいなポゼッション+パス回し+個人技の波状アタックで相手を窒息死に至らしめるようなサッカーとは明らかに別物なんだよね。そして巷で「攻撃的」という時には、どちらかと言えばレアル・マドリー的なサッカーを指すことの方が多いような気がする。まあ、このことについては、いずれゆっくりと。
5月24日(月)
夕方、恵比寿の写真美術館で『奈良原一高[時空の鏡:シンクロニシティ]展』。レセプションで挨拶に立った奈良原さんは、いかにもモダンな格好をしていてダンディな風貌で、でも口を開けばちょっと気恥ずかし屋なところも見せて、ビートたけしがもう10年ほど歳をとったらこんな感じになるのかな、と思った。作品については「さすが」の一言。克明に写された軍艦島の凄絶さ、星新一や真鍋博のポートレイトの静けさ、『ジャパネスクの鏡』の色気、サン・マルコ広場の圧倒的な空間の広がり、そしてマリンブルーの海で陽にさらされたブロンズ像の質量感。手放しで賞賛したいものが何点もあった。ただ、残念ながら、CGで手を入れるようになった「21世紀の」作品群については、正直言って「これが同じ写真家の作品か」と思えるほど心を打つものがない。カメラというツールを用いて現実の世界を切り取り「外部」とコミュニケートしていた作者だが、Macというツールを得て切り取った世界を加工できるようになったがゆえに、再び「内部」へと閉じこもってしまったということなのだろうか。何とも皮肉というか。
ついでに3階展示室で『東京写真月間2004 明日のために 日本のドキュメンタリー写真家』も観る。87年のアウシュヴィッツ・ビルケナウ、僕が8年前(だったっけな)に訪問した時と何ら変わらぬ空虚な風景。旧ソ連の核実験場周辺、シュールさと無惨さが入り交じった「地獄変」的狂気の世界。ベトナム・アフガン・そしてイラク、与えられた「自由」とひきかえの不条理さに苦しむ人々。なぜに、世界は、こうして。
5月23日(日)
情けない話だが、ネタがない。サイト開設4周年を迎えたと思いきや、それからわずか5日間で存亡の危機(笑)。どうしよう。
今、サッカーネット界はこの話題で持ちきりのようですな。まあ、おそらく空前絶後のプレーであることは確かだろう。新聞記事の伝えようもスゴイ。「珍プレーショック」って、あーた。